劇場公開日 2025年1月17日

  • 予告編を見る

「冒頭が一番良かった」ナイト・オブ・アルカディアン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 冒頭が一番良かった

2025年7月7日
iPhoneアプリから投稿

「クワイエット・プレイス」のヒットからか、モンスター・パニック物は"突如現れた怪物に世界が支配されて◯年…"なんていう作品が増えた気がする。なんて事を言いつつ「エレベーション 絶滅ライン」を楽しみにしているのだが。。。
近頃好調のニコラス・ケイジ主演のモンスター・ホラー。本作の冒頭で、近くで激戦の音が聞こえる中、子どもを避難させるべく走り続けるニコラス・ケイジを長回しで撮るシーンがあるのだが、ここで一気に引き込まれた印象だ。だが、その雰囲気は長く続くことは無く、いつもの「未体験ゾーンの映画たち」で扱いそうなネタの作品だった。個人的にだがそれでも本作は当たりの方と思われる。

別にニコラス・ケイジのファンではないが、出てれば優先的に観てしまうイメージがある。そこで明記しておくが、本作のメインどころはニコラス・ケイジではない。彼が育てている兄弟の物語である。今まで頼りにしていた父が居なくなった時、どの様に生き延びるのかというテーマであり、兄弟の成長と葛藤を描いた作品である。
言ってしまうと、ニコラス・ケイジは中盤で大怪我をして動けず、あまり活躍の場はなく終わってしまう。もちろん最期には見せ場がきちんとあるが。若い兄弟が家族以外の人間と触れ、悪いところと良いところを体験しつつ、隣の家の女の子に夢中なアニキと、気弱だがトラックを直したり、怪物の異変に素早く気付ける才能のある弟のギクシャクしながらも絆を深めていく物語だ。その割にはドラマパートは薄っぺらかったり、ドラマとのコントラストとなるアクションもいまいち刺さるような物が無い、ザ・B級映画である。それでもなるべく自然光で撮ったであろうシーンが多かったり、物静かなテイストで進むあたりの雰囲気は良い。

怪物は中々はっきり映らないが、擬態の為なのかダミーの顔があり、その下に本当の口がある、気持ち悪さが漂うクリーチャーだった。口を高速にバクバク動かして威嚇しているのか食べようとしているのか分からない特徴と、集団で移動する際は大車輪の様に円を描きながら進むというややマニアックな特徴である。
決して万人に受ける作品では無いが、ある程度耐性があれば普通に楽しめるのではないか。

Mina
PR U-NEXTで本編を観る