アマチュアのレビュー・感想・評価
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普通の人がヒーローになるとき
妻をテロ組織に殺されたCIA職員が、復讐に身を投じていく物語です。主人公は現場のエージェントではなく、サイバー捜査を専門とするいわばオフィスワーカー。戦闘の訓練を受けているわけでもなく、むしろ「普通の人」に近い存在でした。そんな彼が、持てる知識と技術を駆使してテロ組織やCIAに立ち向かっていく姿がとても印象的で、ぐいぐい引き込まれました。
クライマックスのシーンは、予告編にも登場していたプールの崩壊で、映像的には迫力がありました。ラストの展開もよく練られていたと思います。ただ、個人的には少しだけ物足りなさも感じてしまって…。もう少し心に残るような余韻やインパクトが欲しかったかもしれません。
もしかすると、この作品はスパイアクションとしてではなく、大切な人を失ったひとりの人間の喪失と再生を描いたドラマとして観るべきだったのかも。そう思うと、また違った感情が湧いてきます。
アイディア倒れ
腕っぷしの強い無敵の殺し屋が復讐する映画なんて当たり前過ぎてつまらないよね。
それなら腕っぷしはからっきしだけど、持ち前の賢さを活かした復讐者なら?
と言う発想で作られたであろう本作。
見事にしみったれたスカッとしない一作に仕上がっている。
CIAの暗号、分析専門と言うことではあるけれど、彼が駆使する技術にリアリティが無い。ITには疎くない、と思っている者からしたら「それはないやろ」だし、ITは全然わからないと言っていた同行者も「あれはないでしょ」と意見が一致するリアリティの無さ。
脳筋映画なら「筋肉だし仕方ない!筋肉は解決する!」と勢いで見逃せる部分がなまじ頭が良い設定となると見逃せない。爆発物の制作に適正があったとしてもそれを仕掛けるのはまた別のスキルですよね?とか気になる事気になること。
最後の一人は法に則って復習を果たした。
それにしても、私怨を晴らすために無関係な人を巻き込みつつ殺人を繰り返した件については報いを受けるべきではなかったのか。最初のターゲットを轢き殺してしまったドライバーの人生はどうなるのか?二番目のターゲットが泊まっていたホテルの損害は?割れたガラスや溢れた水が落ちた下に誰もいなかったの?
ラストシーンで妻からプレゼントされた軽飛行機で空に飛び立つが、墜落して死亡するシーンがカットされていると信じて止まない。
良かったところは、トルコロケのシーン。あまりいいシーンはないけどエキゾチック。
さすがに脚本都合な場面が多々ある
まぁ映画なので都合が良い展開というのは
悪いことではないし、
むしろ都合がいいのは好きな方ですが、
さすがに見てて気になるレベルで都合良すぎかなと。
『撃たれても当たらない』
『主人公がたまたま超天才ハッカー』みたいに
あるあるな都合良さは今さら気にならないけど
『敵に殺されずに捕まる事を想定済みで作戦を練る』とかは気になる。
なによりもこれまで死ぬ思いして
メンバー一人ずつ殺めてきたのに
ようやく妻を殺害した張本人を見つけたら
そいつは殺さずに逮捕させて
そいつと繋がってたCIA幹部も捕まえて…
という終わり方も
『え?急に正義感に目覚めた?』という感想。
最後に主人公殺されるエンドかなとも思ったけど
普通に生きててハッピーエンドだし。
ハッピーエンドは好きだけど
今回はなんか釈然としなかった。
ラストシーンでセスナ爆発するかと思った。
『主人公は一人の女性を愛した人間が正義を実行しただけで、悪者ではないのだと観客に思わせたい』
的な製作側の意図を感じましたが、
復讐する相手が悪だというだけで
ふつうに主人公も結構無慈悲でえげつない。
プール爆破する時に下に人がいるか確認してないし
クラブのトイレ爆破したのも
一般人が死傷する可能性を考えていない。
もしくは『自分が逃げるためなら誰かが犠牲になっても構わない』
と思ってるかのどちらか。
だとしたら妻を殺したテロリストと変わらない。
ラスボスも言っていた事だが
主人公は徹底して『死の瞬間』から目を背け続けている。
それはこの脚本でもそうさせていて
二人目→プールから落とすだけで死ぬ瞬間は見ない
三人目→目の届かない所で爆破させ、同じく死の瞬間は見ない
インクワライン→撃たれた箇所が暗くて見えない
これらは妻が撃たれる瞬間を映像で見て、
一人目が目の前で轢かれた所と合わせて
トラウマになっているからだという事を示すのだろう。
しかし、だからこそ最後のラスボスだけは、
妻を撃った張本人だけは自らの手で葬ってほしかった所。
ついでに言うとロシアで仕事仲間に会えたのが
どうしてもよくわからなかった。
なんかの伏線?もしかしてこいつが黒幕?
もしくはCIAに雇われた裏切り者?
とか色々思ったけど、別にそんなことはなく、
本当に普通に会いに来ただけだった。
妻と共にセスナでINTO THE CLOUDS
4月11日(金)
本日初日の「アマチュア」を新宿ピカデリーで。
IQ170のCIAの情報分析官のヘラー(ラミ・マレック)は、窓も無い本部の一室でPCに向かいあっている情報分析の「プロ」だ。
妻サラからの誕生日プレゼントにもらったポンコツのセスナを飛べるようにするために、部品を並べている様はプラモデルを作るように楽しそうだ。
ロンドン出張中の妻がテロリストに射殺される。CIA上司の秘密を握ったヘラーは、テロリストに復讐するために特殊任務の経験が無い「アマチュア」の自分に諜報員のトレーニングを受けさせる事を要求する。受けさせなければ秘密をバラすと。
殺しのプロの教官ヘンダーソン(ローレンス・フィッシュバーン)から指導を受ける。爆弾を作るのは上手い(飛行機を直す位だから)が、銃はからっきし(カラシニコフではない)駄目で至近距離でないと当たらない。「お前には殺しは出来ない」
トレーニング中に秘密のデータのありかを必死に探す上司。ヘラーの職場や自宅まで家宅捜索するのだが見つからない。出て来たのはABBA GOLDのCD。馴染みのバーのCDジュークボックスのABBA GOLDの所に秘密が入ったディスクは…無かった。全てはヘラーがトレーニングを受ける時間を稼ぐためのブラフだった。上司は教官ヘンダーソンにヘラーを殺す事を命じるが、すでに一定程度のトレーニングを受けたヘラーは逃亡していた。
ヘラーは一人でテロリストを追う。居所を掴んで近づいても引き金を引けない。
呼吸器に疾患のあるテロリストをクリニックでひまわりとユリの花粉まみれにする。
花屋で花を買い占める時、店員に「何か悪い事したの?」「これからだ」こういうの好きだな。
しかし、詰めが甘くあわや逃げられる所だったが、彼が手を下さなくても事故で死ぬ。
最近劇場に行く度に予告編で2度の爆破シーンを観ていたので、そこに意外性は無かった。(予告で見せ過ぎた)
トルコ在住のインクワラインの援助を受け、最後の一人、妻を射殺した男に銃を突きつける所まで行くが引き金は引かない。
しかし、船をリモートで操縦してフィンランド公海に入り、テロリストはフィンランド軍に逮捕される。
ヘラーは、修理したセスナで妻の墓石に刻んだINTO THE CLOUDSへ高く飛び立って行くのだった。
スマホとPCさえ入手すれば、それを駆使してCIAと言う組織さえも翻弄し、テロリストとも戦える、銃を必要としない新しい形のCIAエージェントは斬新ではあった。
しかし、妻もインクワラインも殺されたのに引き金を引かないのは観客側のカタルシスは得られない(引き金を引かないなら別の手段でも良いからテロリストを倒さないと。お前の怒りは何処へ行ったのだ?)。
昔、スティーブ・マックィーンの西部劇で仇を追い詰めておきながら、復讐の虚しさに気づき殺さないのがあったけど、あれと同じで観客は納得しないのでは(あ、「ネバダ・スミス」です)。
また、同じ本部で働く同僚や現地で出会う諜報員、ヘラーを殺しに来たヘンダーソンの扱いが不満だ(いずれもその後に何処かで絡んで来るのか期待していたのだが何も無かった)。
次世代の殺し屋?
戦闘能力が完璧なジョン・ウィックとは違い、今までの復讐映画とは一味違う作品。
主人公はIQ170のハッカーだが殺しはできないひょろひょろで貧弱な男。
復讐に挑むが題名の通り「アマチュア」な部分が多くツッコミたくなる。だがそこもドキドキハラハラさせてくれる。
これが本当にできるならアメリカのネットワーク技術が怖くなる作品ではある。
ご都合主義かな…
ラミマレック主演ということで、公開前から楽しみにしていた本作。
妻を殺されたCIA職員が頭脳を駆使して殺害に関わった人物たちを追い込んでいくが…という話。
なんというか都合がよすぎひん!?都合よく協力者があらわれたあたりもん?という感じやったけど、目標果たしたらあっさり死んでしもたし…それに対しても特に罪悪感とかもなく平然としている主人公。
あれだけ殺しておきながら、あんたまだ仕事続けられるんかい!ありえへんやろ🙄🙄いや、最後の最後にヘンダーソン登場でまさか裏で誰かから支持を受けて暗殺しにきた!?ここで車爆破…!?かと思いきやただの再会なんかい!(私の深読みしすぎです)
役者さんはいいんやけど、フィッシュバーンさん出すんやったらもうちょっと足りひんなあ…という感じ。
予告は思いっきりネタバレやから予告見ないで行った方がいい気がする。あのプールのシーンも爆破のシーンも助かるわけないわなというのはわかるから😅
ラミマレックのキャラがよいだけに…
愛妻をテロリストに殺されたCIA分析官の復讐譚。スパイサスペンスアクションというふれ込みだけど、どれも中途半端で夢中で観る感じにはなれなかった。期待値高めだったので、評価は辛口です。
ラミマレック演ずる主人公は腕っぷしがダメなぶん、ITスキルと知略でテロリストを一人ずつ仕留めるのだけど、敵がわりとあっさりやられ過ぎだしマレックの策略も意外性がない。
追跡の監視カメラの目をあざむくために、他人の動画に自分の顔を当てはめて追っ手を翻弄するのも、手垢つきすぎの手法でしょう。20年前ならすげ〜ってなったけど。しかもそのごまかしに、追ってがしばらく騙されているのもマヌケすぎる。
全体的に何がイマイチだったのか、たどり着いた答えは、敵役が怖くなかったこと。
本作はリベンジ物。
敵が非道で憎らしく残虐なほど、主人公に感情移入するし、目的を果たしたときのカタルシスが大きい。このスカッと感を味わいたかった。
ところが本作は、敵と主人公の絡みがそもそも少なく、絡んだときはあっさりと復讐を果たす。敵にはもっと往生際の悪さを見せて欲しい。
ラスボスと対峙するクライマックスは、アクションがほぼなく、しかも、肩透かしをくらう結末。
愛妻を殺された恨みを晴らすために危険な目に遭ってきたのに、その結末なの…?
好みの問題だろうけど、僕には消化不良でした。
配信でもよかったかな。
いまふたつ
う~ん期待からは遠かったかなぁ。
妻の復習のためにCIAさえ敵に回して暗殺をすすめるストーリーは基本的には面白いと思う。
ハッキング技術を駆使した頭脳戦の攻防は今の時代はそこまで出来るのかと感心したが、その分先読みが出来るのでドキドキする緊迫感が伝わってこなかったんだよなぁ。
一応ハッピーエンドなのかな?
なんかしっくりこなかった。
知力で戦う
復讐であれ、正義感であれ、悪いやつを倒していく勧善懲悪ものは、スカッと感に面白みを感じると思うが、腕力ではなく知力のみで敵を制圧していくという設定は良かったが、知力で解決していく面白み、スカッと感があまり伝わってこなくて残念。結局、あの教官は長官側の人で味方だったってことでよかったのかな?自分にはアマチュアではなくプロフェッショナルむきか
主人公のキャラが
ややステレオタイプというか、、、インドア派な人物の割には、ほとんどピンチを迎えずにことをなしていくっていうのはなあ。「そんなにうまいこと行くわけない」って思っちゃうし、「おお!そんな手が!すごっ!」って仕掛けもなく、なんとなーく、ことがすすんでく。
途中自分の顔をデジタル化して他人につけてごまかすシーンでも、あんなに各地に現れたら「CG?」って疑うでしょ?追跡するCIA側も結構お間抜け。
さらに言えばターゲットとなる敵もお間抜け。最初の女性はまさかの偶然事故。さらに3人も殺しておいて、ラスボスは生かしたままって、、、「妻の復讐」って大義名分が薄れちゃうよなあ。
教官が撃たれて死んだように見せかけてラスト「生きてました」出演もなんかテンプレ。さらに女性長官も敵なのか味方なのかもはっきりしない。「敵の敵は味方」的なあやふやさ。
ラミ・マレックは確かに「ボヘミアンラプソディ」でオスカー獲ったけど、あれは実在の人物にあそこまで「寄せた」ところも大きいわけで、確かに納得の受賞だけど、今回の役どころとしては、うまさや凄みは、出てなかったなあ。そういうキャラ作りをしたのかもしれないけどね。
ここまで書いてなんか、★3.5→3に気持ちが変わったかな。決してつまらなくはなかった。サスペンス物としてしっかりと描かれてたよ。ただ、丁寧な心理描写とかが逆にテンポの悪さを生むこともあるからね。
結果的に主人公、チート級の無敵さを出しちゃったよね。そういうところもモヤっとしたんだよなあ。
2025年劇場鑑賞20作品目
シナリオがアマチュア
CIA
Central Intelligence Agency
中央情報局
アメリカ合衆国の対外情報機関
1947年トルーマン大統領政権下で
組織され国家の安全にかかわる
諸外国の内部情報を
収集・解析し統括
その性質上スパイ活動から
軍事作戦まで収集する情報は
多岐にわたる為他国の
諜報機関とも連携しており
陰謀論の親玉にもなりやすい
ちなみに先日逝去した
読売新聞社会長渡辺恒雄氏の
上司にあたる正力松太郎氏は
CIAの工作員であったことが
公文書で判明している
というCIAの解析部の凄腕職員
だが銃など持った事もない
チャーリー・ヘラーが
テロに巻き込まれた嫁を殺した
テロリストに復讐するストーリー
どうだったか
ハッキリ言って
シナリオがダメすぎ
殺しが出来ない点を「アマチュア」
という題材にしてますが
直接相手に銃が撃てないだけで
間接的には明確に殺しており
あんまり意味がない
キャラがほんと動かない
観てる途中で先読めちゃう
退屈な映画でした
チャーリーは
出張先のロンドンでテロに
巻き込まれた嫁サラを殺害した
テロリストを調べるうち
CIAとも繋がっている事を把握
上司に詰め寄ると
(もうこの上司が
ホルト・マッキャラニーの時点で
黒幕確定)
もみ消そうとしますが
チャーリーはこの事実を
自分を消せば自動的に
この情報を世間に公開すると
脅かしその引き換えに
嫁の仇を獲る為の訓練を
させろと言い出します
上司らは要求を呑み
教官兼監視役のヘンダーソンを
つけます
その訓練でチャーリーはやっぱり
人など殺せるわけないことを
ヘンダーソンは痛感しますが
嫁の仇を討ちたい気持ちには
徐々に共感していきます
上層部はその間にチャーリーの
近辺を調べて証拠を奪い取って
しまおうとします
そしてそれっぽいディスクを
発見しますが中身はダミー
上層部はヘンダーソンに「消せ」と
指示しますがチャーリーは
その間に訓練期間を終えて
テロリストの潜伏先へ
果たして殺しのできない
チャーリーがどうやって復讐を?
1人は無菌室でガスで殺しそこねるが
クルマにはねられて死亡
1人はガラスのプール割って死亡
残りはフィンランド警察に逮捕
なんだかんだ殺しちゃってるのです
何より情報収集能力などが
ずば抜けているのであんまり
弱い存在に見えないのです
訓練する!って展開も別にいらない
何より一番言いたいのは
前述の通り周辺キャラクターが
全然動かないのです
その教官のヘンダーソン
もっと使えばよかったと思う
せっかく
ローレンス・フィッシュバーン
なのにCIAの追手とランドリーで
相打ちで終わりとか拍子抜け
彼をもっとチャーリーの代わりに
銃撃戦させるとか場合によっては
殺させるとかあったでしょ
そして以前からやり取りしてた
トルコの諜報部員「インクワライン」
いい仲になったとおもったら
アッサリ死んじゃうけど
違うだろ
ラストに嫁みたいに
ひざまつかされて
銃向けられてどうするとかって
展開でしょ
今度は救えるか?みたいな
CIA長官が真実を公開するだなんだ
なんてシーンハッキリ言って
どうでもいい
CIAの同僚ももっと裏で協力する
みたいに動かしてもいいのに
なんにもしないで見てるだけ
だったらいらねーだろ
チャーリーが殺しのアマチュアなら
周り動かせよって話です
ラストで「よっ!」って突然出てくる
フィッシュバーンに
お前もっと働けよと頭にきて
劇場を去りました
ラミ・マレック自身が
アクション映画のアマチュア
かもしらん
たとえIQが高くとも
愛する人の命が奪われテロリストに復讐するためにCIAのデスクワーカーの主人公がスパイになるという物語。
原作自体が40年以上も前に書かれたスパイ小説で、もはや手垢のついたようなネタであり記憶の新しいところでは「アメリカンアサシン」が思い浮かぶ。かの作品も娯楽作品としてはそこそこ楽しめたが、また同じようなネタかとあまり期待しないで鑑賞したら意外によくできた作品だった。
CIAで暗号解読の専門家として勤めていたヘラーは妻の復讐のために殺しの訓練を受けてテロリストを追うが、逆にテロリストと癒着した直属の上司からは命を狙われ、古巣であるCIAとの頭脳戦を繰り広げる。
特に前半、上司を脅して工作員の訓練を受けさせるくだり。厳重な警備体制の下では情報を外部に流失させることは不可能にも拘らず上司を脅すヘラー。ジュークボックスに仕込まれたCDは囮であり、情報の暴露という脅し自体が訓練や偽造パスポートを作らせるための時間稼ぎだったという辺りは手が込んでいて面白かった。
またYouTube動画を見て即興でピッキングをしたり、大量に花を買い込み肺炎を患う相手に花粉で拷問したり、顔認識システムを逆手に取って攪乱作戦に出たりと主人公の持つスキルやあくまでも工作員としては素人だというキャラクターを生かしたいろんな工夫がなされていて最後まで飽きずに楽しめた。
また同じく伴侶を失った情報提供者の女性との交流や教官でもあり刺客でもあるヘンダーソンとの関係性など人間ドラマもさりげなくうまく描かれていた。
アメリカンアサシンのようなド派手なアクションを楽しむような映画ではなく人間ドラマとして見る方が楽しめる作品になっている。
見る前はクレイグ版ボンドの若きQがスパイ活動するような007のスピンオフ的な作品みたいなのをイメージしていたけど、どちらかというと主人公のヘラーはスノーデンのイメージに近い。スノーデンも自分の信念から身の危険も顧みず国を揺るがすほどの情報を公の下にさらした。ヘラーも復讐がまず先立ってはいたものの上司の違法行為を暴露したという結果になってる点は似ている気がした。
映画ドットコムの解説記事によれば主人公のヘラーはCIAで最も優秀な頭脳を持つ人間だという。本作はいわゆるジェームズボンドのようなあまり物事を深く考えないキャラクターによるアクション映画ではなく、一応頭脳明晰の人間がボンドまがいのことをするという触れ込みの作品。
ただ、どんなに頭脳明晰であっても妻の復讐のために犯人であるテロリストを殺していくという。結局人間は感情のままに行動するのか、せっかく優秀な頭脳を授かっても憎しみに囚われてスキルをそんなことにしか生かせないのかと少々残念な気もしながらの鑑賞だったのでラストで黒幕のテロリストを殺さない選択をしたのはよかった。
どうせなら殺せない暗殺者というキャラを徹底してほしかった気もする。主人公は黒幕を探し出すために合計三人殺してしまうけど、すべてが脅しのためで死なせたのは想定外だったみたいな。二番目のプールの場面も相手ともみあいになりスィッチを入れてしまった感じにして不可抗力で死なせてしまったという風にすれば結末にもより説得力あったかも。
クライマックスでヘラーは憎きテロリストから言われる。目的のために君の妻を殺した。君も私を見つけ出すために三人を殺した。同じではないかと。その言葉にヘラーは返す言葉もない。対テロ戦争の名のもとにあらゆる人権蹂躙を行い、他国への侵略戦争の口実にしてきたアメリカへの皮肉が効いた場面だった。
自分で引き金を引けない、自分の手を汚さず間接的に相手を殺していくヘラーの姿自体も、かつてCIAがアメリカの都合のいいように傀儡国家を作り上げるため、反政府勢力に手を貸してクーデターを引き起こしてきたことを暗に皮肉っているのかとも思えた。
ゲロは訓練シーンで是非!!
妻を殺されたCIA分析官(ラミ・マレック)が、自ら復讐を果たすべく行動を起こす!
上司を脅して殺しの訓練を受け、組織の監視を潜って、目標の潜伏するロンドンへ脱出!
彼は暗号・画像音声解析のスペシャリストだが、まともに銃も打てない現場の素人。
どうやって4人のテロリストを殺すかが見所なのだが。。
設定は面白いと思うし、最後まで結構楽しめた。
それだけに色々勿体無いな〜思うとこが浮かんできた。
ベタなアクション映画にはしない、リアル志向でいくんや!とスカしたた結果、全てが中途半端になった印象。。
◾️モヤった点
▽”殺しの素人”設定を活を活かせてない問題
せっかく背後取れたのに銃撃できないーーー、からの花粉攻撃は斬新過ぎた!
しかし残念ながらそこがピーク。
爆弾使うなら、仕掛けシーンに苦労したりしないと、アッサリ感が否めない。
やはり親玉銃殺シーンはあってもよかったのでは?
▽訓練物足りない問題
死ぬほど走らされたり、教官からビンタされたり、先輩からいびられるシーンはないの!?
ローレンス・フィッシュバーンをわざわざ教官にしてるんだから、ハートマン級の鬼軍曹やってほしかった。
あと、せっかく1ヶ月以上訓練したのだから何かしら成果を見せてほしいなー。
格闘シーンもあるんだから、教官にキメられた関節技を土壇場でー、とかね?
あと、全体を通して物語的な積み上げがあまり無くて勿体無いなー。
色々伏線貼ってるのかと思いきや全部スカされてしまった。
脚本があと一歩なら、編集を頑張って90分でまとめてテンポよくみせてほしかった。
モヤモヤしてしたので、
頭脳系主人公が活躍するアクション映画といえばーー今日は帰って『ザ・ロック』を観よう!
アクション映画の後継者育ててください。
バッチバチのアクション映画俳優の高齢化に伴い
どんどん若手が出てきてくれないと
アクション映画が廃れてしまうのでは?と
心配してしまう今日この頃。
IQ170 優秀なCIA分析官ヘラー、身体は使わず
頭を使って復讐していく新しいアクション映画?
とはいえ
派手なアクションは予告で使い切ってしまったため(苦笑)
全体的に、比較的地味なんだけど
裏の裏をかいていく様が小気味いい。
パッとしないスパイ映画
ラジオでパッとしないスパイ映画やけど、めっちゃオモロいって紹介されていたので見に行ったけど、パッとしないアクションほぼなしのスパイ映画って感じ。淡々と物語が進んでいく感じで、あまりにもスパイ感がなかったのでちょっと残念でした。
期待度○鑑賞後の満足度○ ラミ・マレックの端倪すべからざる演技力に瞠目したい作品。映画を一人で背負っている。シリアスな作品だが、舞台が世界各地を転々としていくところなど007のパロディ感も。
①出勤シーンで如何にも冴えない一CIA職員然とした佇まいに驚かされた。『ボヘミアン・ラプソディー』のフレディ役や『007/ノー・タイム・トゥー・ダイ』の悪役の面影は全く無い。演技のリアクションも適格。
『ボヘミアン・ラプソディー』ではアカデミー賞主演男優賞を取ったけれどもどちらかと云うと「そっくり賞」みたいに思えたし、『ノー・タイム・トゥー・ダイ』では悪役にしては貫禄不足と思えたし、私の中では其れほど評価の高い役者さんではなかったが、本作で実力発揮という感じで正直驚かされた。
②CIAが舞台になっていること、そのCIAの裏の顔(世界各地での陰謀を影で操っていること)を暴いていること、CIAの主流ではない職員(本作の主人公は厳密に言うとそうでもないけれども)が主人公であることなどから、私の思い出の映画『コンドル(Three Days of Condor)』(1975)に少し思いを馳せた。
原作も読んだけれども、彼方は
頭脳戦?
IQ170の凄腕の暗号解読人が復讐の為にテロリストを倒していくと言う話。
現場の人ではないのでアクションはほぼなく、頭脳戦と言う感じなんだけど、割と行き当たりばったりと、偶然が強くて、知能で出し抜く感はあまりなかった気がします。
敵も頭脳な人がいればそこの対決が見れたのですが基本脳筋なので、あっさりだなと言う感じ。まあ、ある意味オレツエーなのですが、やはり頭脳戦オレツエーは見てる人を出し抜く何かがないとなぁと。
魅力的な登場人物も、伏線として全く活かせてない感じで勿体無いなあと感じました。
話的には面白くは見れたので良いのですが、色々もう少しやってくれたら名作になったかもしれないなと。
思ってたよりは・・・
内勤のCIA職員(殺しの素人)が妻を殺害した犯人を追うため奔走する、という大枠のストーリーはわりと目新しさを感じて鑑賞した。
しかして実際は、主人公の素人感を出そうとした弊害か、行き当たりばったりに行動しているわりに何故かうまく行く、というご都合主義感を強く感じた。
ストーリーは一本道で特に裏切られる展開もなかった。主人公はIQ170の天才だと作中前半で判明するので、緻密な計画で周りを翻弄するような話なのかとウキウキしていたが、それほどでもない。
また、途中でとある協力者が登場することで、下手に他力本願な感じになったのも残念。この設定なら孤軍奮闘で精神的に追いやられ、もがき苦しみながらも目標を達成する様を見たかった。
とはいえハラハラする場面も何度かあったし、ラミ・マレック始め俳優陣の演技は良く、なんとなく見る分には楽しめると思う。頭を空っぽにして見てほしい。映画館の大画面で見る必要まではないかも。
予想もつかない殺しの手法
冒頭からチャーリー・ヘラー(ラミ・マレック)の人物像がわかるような
エピソードで構成し、
割りかし早い段階で妻サラ(レイチェル・ブロズナハン)がテロリストに殺害され、
復讐にかられる導入は実に引き込まれた。
チャーリーのアタマの出来が桁違いすぎて、
銃撃や格闘ができなくても、爆弾づくりやトラップの仕掛け方が秀逸で
テロリストたちを追い込む様は、不謹慎だがワクワクした。
爆弾づくりを教えたのは、チャーリーの教育係を任されたヘンダーソン(ローレンス・フィッシュバーン)
だが、銃撃などはチャーリーの向いていないとキッパリ。
でも、学ぶことを学んだらとっとと出ていくチャーリーが素晴らしすぎる。
きっとヘンダーソンから命を狙われるのも時間の問題と予想していたのだろう。
途中、インクワライン(カトリーナ・バルフ)とのハイテクを駆使した共闘が
見応えがあり、ちょっとチャーリーも救われるじゃないかと思っていたら、、、
なかなかうまくいかない。
(インクワラインといい感じの仲になるのは、妻サラに対していかがなものか!?なんて無粋なことを思った)
最後のひとりを追い詰める場面では、最もチャーリーらしさを感じたし、
CIAの上官たちが一層されていく様も、予想はしていたが胸がすく思いがした。
私としてはヘンダーソンとの共闘に期待していたので、そういうつくりにして欲しかったな・・・と。
追手として恐ろしいという展開も充分に面白いが、転じて共闘してくれたらもっとワクワクしただろうと思う。
ラストもチャーリーが前を向いて生きている感じがして好感が持てたし、鑑賞後感も良かった。
一方、伏線がたくさんあったと思うが(サラが残したチャーリーへのプレゼント「パズル」など)回収さらずに
風呂敷広げっぱなしなところはちと残念。
やはり俳優としては、ラミ・マレックの魅力が全開で、良い役だったと思う。
作品は私好みで楽しめたが、
パンフレットがなく余韻に浸れない・・・というのも残念だった・・・。
あ、でも、残念と言ってはいるものの、作品は面白かった。
意外性たっぷりのリベンジ・アクション
ひ弱な男が頭脳とPC解析で追い詰める国際的テロ組織。
スパイのイメージを覆えすスパイ・映画の誕生です。
チャーリー・ヘラーはCIAの分析官。
貧弱な体型だが知能指数は170。
主人公はスパイのスキルを何も持たない分析官です。
現場には一切出ないで日長一日、
地下の個室でパソコンに向かうのが仕事だ。
スパイの経験ももちろん皆無なのだった。
出張でロンドンへ赴いた妻がテロに巻き込まれて、
人質として殺された。
悲嘆の中、復讐心が激しく心を占める。
そんなCIA分析官がチャーリーの妻を殺した国際的テロ組織に
たった1人で頭脳で追い詰めるリベンジ・サスペンス・アクション。
ヒーローのいないスパイアクションはそれだけで特異だ。
衛星画像の地形を見ただけで、
季節、時間、日差し、葡萄畑の畝の幅・・・
それだけの情報で、場所を特定するチャーリーは格好いい。
妻の幻影のフラッシュバックに涙しつつ、
復讐の炎を燃やす。
彼に力を添えるCIA教官にローレンス・フィッシュバーン。
ジョン・ウィックではジョンの精神的支柱の役だったが、
銃を構えても引き金を弾けないチャーリーに人間味を感じる。
しかしテロ組織の実行犯への仕置(殺し)はエゲツない。
イギリス→プロヴァンス→スペイン→ロシア、
と、標的を追って世界は広がっていく。
{自分の居場所をフェイクで流す技に驚嘆)
一番良かったのは《ラスト》
流石のIQ170と、胸がすく。
《そのフェリーボートの防犯システムを作ったのは俺だ》
これぞ頭脳的なスパイ。
こんな男を絶対に敵に回したくない‼️
超地味なラミ・マレックが格好良く見える
小粋な映画だった。
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