「IQ250、なんて馬鹿な事は言わないリアリティが好き」アマチュア bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
IQ250、なんて馬鹿な事は言わないリアリティが好き
ラスボスの落とし方が「萌えネタ」です。フィンランドなんですよ。フィンランドの海警とインターポール。フィンランドはNATO非加盟。よってCIAの裏工作など知る余地も無いし、ゆえに、畏怖はするでしょうがCIAに忖度する必要は無い。欧州、どこに行っても警察・軍にCIAの力が及ぶ。でもフィンランドは大丈夫。「え?そりゃねーだろ!」ってならない「CIA悪者物語」ってなかなかないんでw
と言いたいところだったんですが。映画の企画・撮影中は、フィンランドはNATO非加盟。今年の4月4日に、ロシアのウクライナ侵攻絡みのゴタゴタから、31番目のNATO加盟国になっちゃってたw
でも、この落とし前は好き。
IQ170と言えども、殺しの初心者らしさ全開、思い付き行動であたふたする一人目。自分の強みを活かす事こそ最善、と言うことに気づいた二人目。協力者を得て計略高く、冷酷さも増した三人目。撃ち殺すことに躊躇ない域に達していたと思われる、対ラスボス戦なのに。生かして、CIA忖度無しのフィンランド&インターポールにとっ捕まえさせると言うアイデア。おそらく、同時にマスコミにも情報送りつけてると思われ。この流れは良かったです。
「透明性」を就任の記者会見でぶちまけるCIA長官、ってのが最大の「ありえねー!」でしたけど。あれが無いと、チャーリーは生かしておいてもらえませんもんねw
いずれにしても。
ドキドキして楽しかった。
結構。
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4/19 追記
続編、と言うか、この手のものがシリーズ化されるには、二つの条件があると思うんですよね。一つ目は「分かりやすさ」で、二つ目が「主人公が魅力的であること」。MIしかり、ジョンウィックしかり、イコライザーしかり。この「アマチュア」は、両方ともに微妙です。と言うか、分かりやすさには、はっきり言って欠け過ぎだってw
と言うことで、あっさり過ぎる不描写で、ほぼ伝わっていないと思われる「落とし前」についての追記を。
インクラワインから提供された情報は、「CIAの文書改竄の事実」であり、そのドキュメントから読み取れるのは「第三国におけるテロへの関与」だったり、「結果的にテロ行為となってしまった工作活動」を組織的に行ってきた歴史です。
チャーリーは、ラスボス・シラーがバルト海上で滞在している工作船が、CIAから供与されたものであることを発見します。シメタ、です。と言うことは、CIAのいずこかのサーバーに、この船の制御・GPSに関するプログラムがあるはずで、ハッキングが可能。実際、サーバー内にはそれが存在し制御プログラムをハッキング。かつ、船内にあるGPSとの紐づけを切ってしまい、別のGPSと紐づけてしまえば、シラーに悟られずに、船を思い通りの場所に航行させることができる。
そこで。ホテルに自動制御のプログラムを仕込んだPCを残し、新たなGPSを腕時計に仕込み、あえて敵に生け捕られると言う冒険に出ます。
「インクラワインに提供されたCIAの組織的な裏工作の情報」、及び「チャーリー自身が分析したロンドンのテロ行為の情報」は、マスコミやフィンランド警察機構、インターポールに送り付けられています。また、ロンドンのテロ実行グループのリーダーであるシラーが、工作船でフィンランド領海に侵入することも告げられている。フィンランド海警とインターポールは、チャーリーから提供されたテロ実行犯の映像と一致する人物が、「CIAが供与した船内」にいること発見。これで、チャーリーが提供した情報との「答え合わせ完了」です。となれば、シラー一味と依頼元のCIAとのもめ事が、事の発端だったとの情報も信憑性が出ます。出ますが、この時点ではロンドンテロとCIA上級幹部ムーアとの結びつきは不明です。
CIA新長官は、「目の前でランチを共にした」ムーアを苦々しく思っています。堂々と嘘つきやがる。こりゃ信用ならん。しかも単独判断の工作活動とかヤバ過ぎだろ。チャーリーからの情報と、フィンランドでの逮捕劇に沸き立つ「左翼マスコミ」。これを鎮火するために、ムーアを差し出します。「ロンドンの件も、こいつの独断による工作活動が発端でした!」。CIAに仄暗い工作活動は不可欠。ただし、その実行・不実行の判断は、長官であるワタシがやる。独断での行動は許さない。
CIAの透明性を証明するため、告発者であるチャーリーは身分と安全を保障されてCIAの勤務に戻る。これで新長官の株も上がる。
「高く飛び過ぎて迷子にならないでね」の言葉は、妻が残した暗号。ラストショットの画は、画面下半分にセスナ機。上半分には格納庫の外に拡がる青空。亡き妻とのランデブーですが、いかに高く飛ぼうとも、妻の元には辿り着けない。いずれ地上に戻るか。それとも飛び続けて妻の元に向かうか。復讐を果たしたチャーリーの選択はいかに。
と言うラストの流れですね。
あっさり過ぎて、こりゃ分からんよw
連日すみません。
追記拝読。。
本当にあっさり過ぎる不描写で多くの方に伝わっていない「落とし前」でした。
私含めみなさんあのラストについては"チャーリーがシラーを殺さなかった事への是非"しか触れていない。。
そう、この"背景"が伝わっていないんです!
私が無知というのもありますが、もう少し尺をとって教えて欲しかった。。という気持ちもある反面、ただだだ、自分の知識の無さを自覚したというか。。( ; ; )
そして、女性長官のCIAの"やばいお仕事"工作活動の実行・不実行の判断はワタクシが。。って所も、言われてみれば、そうだー!って思いました。
ここは読み取れなかったです。
あの会見。。透明性をぶちまけていましたが、ほんとありえねーどの口が!ってなりますよね。
bloodtrailさんの解説なしではこの作品の面白さに気づけませんでした。感謝!
ありましたねぇ〜(°▽°)
加えて、とっ捕まった船長は酒くさかったと記憶しています( ̄∇ ̄)
色々教えて頂いて。。
「アマチュア」!!
ラスト深いな!!評価少し変わっちゃいます。
先生!これからも宜しくお願いします。
先生〜!ご教授ありがとうございます!
ちょっと確認よろしいですか??
ムーアが行っていたドローン攻撃で手を組んでいたテロリストがロンドンでCIA関係者と交渉決裂し、あの争いが起こった。
(チャーリーの奥さんはたまたまそこに居合わせて人質に。。)
で、色々あり。。
チャーリーがシラーの船の操作を乗っ取り秘密裏にロシア領を越境させていた。
フィンランドの領海に侵入させた事で、インターポールに捕まえされるというやり方ですよね?
非NATO(だった)フィンランドならCIAに忖度なしだから。
だからシラーを殺さずに逮捕させる事が重要だった。
シラーの逮捕とチャーリーの告発によって長官はムーアの逮捕に踏み出し、チャーリーは告発者として保護。再びCIA分析官として働ける。。って事ですか?
共感、ありがとうございます。
フィンランドにそんな意味があったんですね。その辺の知識には全くの無知なんですが、分かっているとより一層楽しめたのに、残念です。