「Lagom」アマチュア ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Lagom
頭脳明晰だけど殺しの腕はアマチュアという絶妙な設定に惹かれて鑑賞。
割とぶっ飛んでいた作品で、観る前とのギャップには驚かされましたが個人的にはかなり楽しめました。
テロリストに妻を殺され、復讐を誓う CIAのチャーリーが殺しのテクニックを培っていく成長ものかと思っていましたが、銃は撃てない、身体能力も並以下、挙げ句の果てにはIDやらなんやらを偽造して脱走という、超絶近道を選択したチャーリーは一体どうなるのかと思いましたが、それはそれは大それた方向へ向かうので大変でした。
ちゃんとテクニックを教えようとしていたヘンダーソンが頭を抱えるほどなのに、CIAの上司たちはとっ捕まえるかと楽観的に考えていたのが後々とんでもない損害を出すことになるとは…。
賢すぎるが故に決めた事には一直進なチャーリーは、監視カメラを掌の上で扱うように見まくるわ、個人情報は引き抜きまくるわ、僅かな情報全てをかき集めて犯人を特定するわで、絶対この能力を普通に活かした方がいいのに復讐に全振りするので何が起こるか分からずハラハラさせてくれます。
1人目の復讐はまだ頭を使っている面が目立っていたと思います。
アナフィラキシーショックを利用して殺そうとする、そのために花粉を集めまくるという情報と知識を掛け合わせて殺そうとするのは良かったんですが、どうしてそんな雑に飛び込んで、そして雑にカウンターされそうな装備で挑んでしまったのか…しかも運良く相手が車に轢かれて…と思ったら携帯取りに行くし、どう考えたって怪しまれるし、なんなら活用しまくってた監視カメラに映っているしで、この人計画性もアマチュアなのでは?となった瞬間に今作の楽しみ方が切り替わった気がしました。
途中から協力してくれるネッ友なインクワラインが頼もしすぎて、この人なしじゃやっていけないじゃんくらいの大活躍をしてくれます。
どう考えても穴だらけの計画を埋めまくってくれますし、逃走経路や隠れ家持ちと強すぎ属性モリモリでした。
2人目の復讐はもう爆笑もんで、一週早めのコナン映画かな?ってくらい大胆なやり口でした。
てっきりプールなら感電させるとか水に何か仕込むとか、頭をフル回転すればいくらでもアイデアはあるはずなのに、その頭の使い方をプールをぶっ壊すという方に舵を切ってしまい、その後のリスクとか考えたらやべーでしょとか頭にないくらいフルスロットルで爆破するぜって言いにいってから間もなく爆破させてプールの水ごと全部突き落とすという、下にいる人たちの事とかガン無視で半端じゃなかったです。
インクワラインの離脱はとんでもなく痛く、それに対して焦りまくるチャーリーは人らしさが見えましたが、それが引き金になったのかもっと過激になっていくのは良かったのか悪かったのか笑
3人目の復讐はやや控えめにはなりましたが、それでも爆弾を仕掛けて主導権を握り、情報を引き出すだけ引き出してポチッとなでバラバラ死体にしたりと、もうやる事なす事サイコパスです。
4人目は殺すのではなく、時間稼ぎで法で裁くという感じに持っていきましたが、ここで計画性がプロフェッショナルになるのはおもしれ〜ってなりました。
ここまで来たら船も沈没させてサメかシャチくらいに襲わせるくらいやるんじゃ?と思いましたが、さすがにそこまででは無かったので安心しました。
ヘンダーソンが生き残ってくれたのは良かったです。
めっちゃ良い人なのに巻き込まれまくって、腹に穴開けられたりと大変な目に遭っていたのに、チャーリーに前向きな言葉をかけて去って行ってくれてハードボイルドでした。
スピンオフでヘンダーソンの日常も見せてください。
全員に復讐を果たし、気分スッキリで妻からのプレゼントしてもらったセスナで飛び立つラストは爽やかでした。
ただ、途中で爆発して落ちるんじゃ?とソワソワしていましたが、そんな事なく無事に空へ向かって行ってくれたので一安心です。
アマチュアすぎるだろうという作品でしたが、素人でも本気を出せば限界突破できる…やり過ぎてとんでもないバケモンを生み出すという教訓映画だなと思いました(白目)。
鑑賞日 4/11
鑑賞時間 20:15〜22:30
座席 N-6