劇場公開日 2025年4月4日

おいしくて泣くときのレビュー・感想・評価

全380件中、1~20件目を表示

4.0なにわ長尾謙杜くん初主演にして代表作品の誕生です♪

2025年4月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

本作品は、人気小説家・森沢明夫の同名長編を映画化したラブストーリーで、「なにわ男子」の長尾謙杜くん劇場映画初主演作品です。

長尾謙杜くんといえば、前作の大泉洋ちゃん主演「室町無頼」で、無敵の棒術を身につけた才蔵を好演!推しの大泉洋ちゃんを観に行ったハズが、最初は「誰だこの子?」と思っていた長尾謙杜くんに釘付け😳ひたすらかっこいい洋ちゃんを愛でる映画なのかと思っていたら、ラストは才蔵に全て持っていかれるという大誤算!?謙杜くんの役者としての空恐ろしいポテンシャルを感じました。

今作品では、前作とは全く違う純粋でまっすぐな高校生を瑞々しい演技で好演。大人の同一役ディーンフジオカさんを意識して役作りしたんだろうなぁと思える仕草や表情が随所にみられ、彼の細やかな役作りを感じました。今後ますます楽しみな俳優さんになられることでしょう♪そして夕花役の當真あみさん&尾野真千子さんも良かったです。でもでも今作品で圧倒的なオーラを放っており、物語を牽引していたのはお父さん役の安田顕さんではないでしょうか🧐「水曜どうでしょう」で北海道テレビのマスコットキャラクターonちゃんに入っていた人と同一人物だとはとても思えません🙄今年はまだはじまったばかりですが、アカデミー賞優秀助演男優賞候補になりそうな予感ひしひし。もちろん大人心也役のディーンフジオカさんも眼福🙃素敵でした♪

間違いなく今年一番心洗われる純度100%の極上ラブストーリーでございました。
周囲は、なにわファンと思われる若い女性たちの鼻を啜る音が終始鳴り止まず、思わず「ハンカチ貸しましょか?」と言いたくなるワタシでした😅
「おいしい」って記憶はいつ何時も最強なんだなって思いましたよ。帰ったら今晩は焼きうどんにしようと固く心に決めて劇場を後にいたしました🫡

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ななやお

4.0思春期の高校生男女を夏の陽ざし(光)がノスタルジックに包み込む

2025年4月2日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

幸せ

長尾謙杜さんが演じる高校生の心也と當真あみさん演じる幼馴染で同級生の夕花。“ひま部”を結成し、一緒に下校するようになった2人を、夏休み前の夏の陽ざし(光)が包み込みます。

会話は多くなくてもともに歩き、坂を上り下って帰る思春期の2人が、「また明日ね」とわかれるまでの、あの時限りの尊い時間と世界を長尾初喜監督はノスタルジックに見つめます。

夏休みに入り、ある事件をきっかけに、2人だけで逃避行の旅に出ますが、行き着いた先は夏の陽ざしに輝く青い海。

夕花は弾けるような笑顔ではしゃいで見せますが、これ以上先へは行けない、自分が抱える秘密からは逃げられないことを悟り、心也は高校生のまだ何者でもない自分の無力さを翌朝思い知らされることになります。

夕花の秘密とともに“おいしくて泣くとき”の意味が明らされる時、一途で純粋な想いが起こす奇跡を目撃することになるでしょう。

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和田隆

3.0「秒速5センチメートル」のアナザーヴァージョンか?

2025年11月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

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孔明

5.0まさに偽善的でベタベタ!なのに嗚咽

2025年11月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

キレイな出来事が実に見事に都合よく展開、よくもまぁこれほどまでにベタな感じで・・・半ばきれるくらいの潔さ・・・偽善的な物語の中で偽善という言葉が飛び交うし、分かりやすすぎるくらいの暴力、イジメ、貧困、生と死、家族、愛・・・もう色々ベタでヤダーと思いつつもボロボロ泣いちゃってました。
正直、決していい演出でもなかったと思うし、細かなところで違和感ダダ漏れでしたが、それら違和感を存分に活用するかのような展開、しかも悉くありがち・・・なんだけど、絶妙なストーリーテリングで相当惹きつけられて感情を揺さぶられました。なので、キレイなお話をキレイな人びとの華麗なる物語を十二分に堪能いたしました。
あまりにキレイすぎるところを安田顕なんかがスパイスとなっていい感じの親近感を抱かしてくれたり、當真あみからの尾野真千子はさすがに違和感・・・と思ったところであの文字通りのパフォーマンス─コテコテの展開・物語なれど何も言うことはございません。
個人的にはニガテな部類のみ作品だなぁと終始ずーっと思っていながら、のめり込んで、本当に嗚咽しそうに─クライマックスにあのシンクロなんて別に真新しくもないし、ホントありがちなんだけど、ちゃんと分かりやすく描ききっているからこそのダイナミズム?よく分かんないけど、なんだか非常にいい作品でした。

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SH

4.0「貧困や家庭内暴力・虐待から子供を守るのは救いの場と人が必要だ」

2025年11月13日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

カワイイ

 貧困や家庭内暴力・虐待が特殊だから映画になるという風潮があったと思う。しかし貧困問題・家庭環境に問題にある映画として「遠いところ」「市子」「悪い夏」「愚か者の身分」「あんのこと」「愛されなくても別に」とここ2・3年で何本の映画をあげることができる。つまり貧困や家庭内暴力・虐待は特別な問題ではなくなったということなのか。

 この映画も貧困と家庭内暴力・虐待が根底にある。この問題の非常に難しいことは当事者が高校生ではまったく逃げる術がないことだ。夕花(當真あみ)は毎日学校と家の往復のみ。学級新聞を作ることになり心也(長尾謙杜)と「ひま部」を作り活動しているときだけいきいきしている。そして二人はお互いにひかれあっていく。この二人のプラトニックな恋愛は見ていて初々しいし、二人を幸せにしたいと感情移入してしまう。しかし普通の恋人のようにデートや映画を見にいくことがかなわない。夕花の家庭環境がそうさせる。

 この映画では、心也の父親が自分の食堂で子供たちに無償で食事を提供している。今でこそポピュラーになっている子ども食堂だ。今から30年前に貧しい子供に食だけは届けたいという父親の好意だ。夕花も弟とたまに子供食堂に通い、名物の焼うどんをごちそうになっていた。父親の行為を偽善と言う人間もいるが、「正しいか否かは自分の意志の判断で決める」という父親の信念が心也にも流れている。

 夕花が父親から暴力を受けているとき、心也は夕花の手を取り逃げる。そしてあることを決断し実行する。心也は父親に「正しいか否かは自分の意志の判断で決める」と言い実行する。しかし事態は二転三転する。

 長いときを経て夕花(尾野真千子)はある問題を抱え、心也(ディーン・フジオカ)のカフェを訪れる。心也が焼うどんを作る匂いを嗅いだ時、夕花にあることが脳裏をかすめ、食べたときとめどなく涙があふれてくる。

 心也が夕花と決断し実行したとき最後に夕花に発した言葉。焼うどんの匂い、味。貧しい子供たちに食事を提供する場があること。長い時間がたったとしても決して記憶の奥底から忘れないことが人間にはあるのだと思うと涙がでてきた。弱い人間には救いの場と救いの人が必要なのだと改めて思った。

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かな

5.0最後のシーンで救われました

2025年11月11日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

泣ける

知的

心也とお父さんのシーンがとても良かった。演技じゃないというか、演技を超えた感じがして胸がいっぱいになった。
辛い内容ではあったが、尾野真千子さんシーンで救われた。
円盤でも、じっくり観た。

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ミル

3.5父と息子の関係が胸に沁みる。 決して多くを語らないことで、随所にみ...

2025年11月3日
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父と息子の関係が胸に沁みる。
決して多くを語らないことで、随所にみえるリアリティーのない設定も、説得感を生み出している。

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Rei

3.0泣かせますは苦手

2025年11月3日
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鑑賞方法:VOD

Amazon primeで鑑賞。
原作は未読です。

進んで観ないジャンルです(笑)
お話は面白くないとかではなくて、設定的にありふれてる気がしました。
母親を亡くしたとか、虐待されてるとか、本当によくあります。
ごめんなさい。
泣かせますっていう気満々で、もうタイトルだけで、敬遠してしまう私です(笑)

そしてでてくる記憶喪失(笑)
ドラマでは、よく出てくる記憶喪失ですが、私の知り合いの範囲で、誰も記憶喪失になったという人は、人伝にも聞いたことかないのに、どうしてこんなに出現率が高いのでしょう💦
そして心也が大人になって、父親の食堂を引き継いでいたということで、ラストの展開も読めてしまいました。

評価が高いのは、少しびっくりでしたが、透明感がある主人公の2人は、ピュアで素敵だったので、それはとても良かったと思います。

素直な気持ちで観ると、感動的なストーリーになってます。
淡い恋の気持ちと孤独感、未来への絶望感と希望が混じった感情が描かれていて、胸が痛くなります。
2人とも幸せになって欲しい。

他はツッコミどころは結構あって、警察が来た時、心也も未成年だし2人共保護すると思うのだけど、夕花1人だけ保護したこと、
父親が夕花のことを簡単に探し出したこと、
弟とかもいるのに、どうして名前までわからなかったのかとか。
そこは現実的ではないですね。

人の巡り合いの奇跡や、感動する話が好きな人にはぴったりだと思います。

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イオナ

4.0焼きうどん食べたい

2025年10月26日
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ぽぽたん

3.5思い出の味が繋いだプルースト効果

2025年10月25日
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あおねる

2.0トウマアミブーム

2025年10月25日
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鑑賞方法:VOD

あれ そうでもなかったぞ

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sunaf

4.0こどもごはん

2025年10月21日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

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kossy

3.5偽善と偽悪

2025年10月21日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

高校一年生、男子は腱を切ってしまいサッカーができない。
女子は貧乏でクラブ活動どころではない。
こんな二人が学級新聞担当になってしまう。
男子の父親はこども食堂をやっており、揶揄されることも。
女子の継父は飲んだくれの毒親で、二人を引き裂く。
とても重い青春の1ページでした。

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いやよセブン

3.5おいしくて、泣く時

2025年10月20日
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鑑賞方法:VOD

最後の30分間が本当に良い。
おいしくて、泣く時。とても良いタイトル回収だったなと思う。ストロベリームーンの後に見たので當真あみちゃんの儚さみたいなものの虜になりそう。

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🌙

4.0いっぱい 泣けました。

2025年10月18日
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泣ける

悲しい

幸せ

観た直後は、いろんな感情が沸き上がって、うまく言葉にできない。
それくらい良い作品でした。

学生ゆえの無力さと純粋さ
若さゆえの、他人からの評判
母の覚悟と父の想い

色んな想いと共にあの日に…

あの日を境に、二人とも成長したのに
なんで?

最後のシーンは、涙と鼻水が大変でした。
バター醤油焼きうどん、食べたい。

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takichi

5.0泣いた

2025年10月15日
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Amazonプライムで見ました。

良い映画だった、こども食堂で食べてた姉弟、金髪の兄ちゃんもどこいった?エピローグに出てこない?そりゃ弟の父があんなんじゃ逃げたくなるわ。母ちゃんいないし姉一人じゃ守れないし?なぜ父は場所突き止めた?
で、弟どうなった?

ハッピーエンド?

弟ぉぉぉ?金髪の友達ぃぃぃ?
気になるぅぅぅ?

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修二

4.0記憶が消えても、残り続ける思い

2025年10月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

記憶は無くしても、
その想いは、奥底に眠るバターしょうゆうどんの香りと味とともに残り続けていた。
生きていれば、きっと幸せになる。

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上みちる

3.0おおまかに、良かった

2025年10月14日
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鑑賞方法:その他

泣ける

悲しい

母との指切りに、安易に約束ができなくなった心也
酒浸りの継父の暴力に、抗えない夕花

子ども食堂を営む心也の父が営む店が、
2人の共通の場所だった

安田顕は、安定の演技
主人公2人の瑞々しい演技も、美しいだけに
心が痛む

大まかに、いい映画だと思う
んだけど

安心を求めて、夕花は警察に頼るが
刑事?が心也を引き留める場面は
違和感があった

『夕花は大丈夫、幸せになれる』という
心也が頑なにしなかった「約束」を
夕花に伝えるシーンが欲しかったのかなー

2人をちゃんと一緒に連れて行けばいいのにー

継父が、夕花を見つけ出し
頭を打って記憶喪失になり
自分が誰かもわからなくなって‥‥‥‥

て、警察沙汰になれば、記憶は無くても
身元くらいは判明する気がする
その点が、更に違和感

他にも齟齬がちらほらとあるけど
概ね、良かっただけに、
脚本をもう少し現実的な方向に練って欲しかったかな

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fool

4.0バター醤油焼きうどん

2025年10月14日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

癒される

全体的に少しずつ色んな事を散りばめられていますが、どれもが1本の作品に繋がるための伏線で素晴らしい作品でした。

安田顕さんの父親役がバッチリ過ぎて好きすぎました。

かたやもう1人のお父さん…最悪です。2人の父親像の真逆の対比がこの作品では見れますね。

ストーリー性、人物、設定、とても面白い映画でした。

追伸、幼なじみ補正がかかっていますが、當真あみちゃんの黄色のワンピース可愛いです。

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あの巨匠!安岡 遊次郎

4.0勝手な意見ごめんなさい

2025年10月13日
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鑑賞方法:VOD

2025年の作品 同名タイトルの長編小説の実写化
思い描いた夢
または、そこしかないと考えてしまう着地点
でも現実は真逆を突きつけてくる。
この物語は、誰にでもあるそんな出来事に寄り添うように手向けられる。
例えば私が50代で、当時の環境などを含めた時代は現在とは異なるし、何にも増して現代を生きる若者との思考の差となってその違いを感じることができる。
この物語の時代背景は、いじめ問題が地域ごとで考えられていた時代。
高度成長期の終焉からバブル経済が弾け、1億総中流意識から格差社会へと移行した時代。
様々な意味で多様化が始まり、人々が分散化した。
それでも助け合う精神はまだ日本人に残っていて、貧困にあえぐ子どもたちに食事を与える人々が登場した。
そんな子どもたちの家庭事情は単に貧困だけではなく、親による虐待またはネグレクトが同時に起きていた。
この家庭問題に関しては、行政機関は未だに踏み込むことが難しい。
それは学校でのいじめに発展し、見て見ぬふりの人々も普通にいた。
いじめを受ける側はいつも決まっていて、基本的にそれを助けるものなどいなかった。
いじめられる側の卑屈さが顔の表情に現れだすと、いじめはますますエスカレートする。
この物語の当時は、きっとそんな時代だったのだろう。
主人公風間心也と父が始めた「こどもごはん」
今で言うところの「子ども食堂」
必要なことにもかかわらず、それを偽善だとするいじめ
身体的特徴や、ハンディキャップ、そして貧困と親の職業は、いじめの格好のターゲットだ。
そして、いじめられている者同士が肩を寄り添いあう。
心也は、そんな家庭事情の同級生らのことをあまり見たくないし、知りたくもなかったのだろう。
学校から帰っても、「まだ腹減ってない」という言葉に、そんな気持ちがあるのを感じてしまう。
「学級新聞コンクール」という設定はなかなか良かった。
靭帯損傷でサッカー部を一時休部していた心也は、女子から嫌がらせの的だった新井夕花との接点がここで生まれた。
この設定は学園ものならではの自然な流れで、違和感がない。
夕花の貧困を感じていながら知らないフリをしていたのも、らしくて良い設定だった。
同じ時間を過ごすうちに、心也の中に芽生えてきた恋心
それが恋だと、しばらく気づかないのも良い設定だった。
心也にとって、「守りたい」ものは、かつて母親だったのだろう。
母が死んだことは、裏切りだと思っていた。
母を守れなかった自分の無力さを、心也は母が「守らなかった」約束に置き換えた。
これが彼のトラウマのようになってしまい、誰とも不明確な約束をするのを拒むことになった。
夕花は、たとえそれが嘘であっても「約束」という名の希望が欲しかった。
ほぼ絶望しかない家庭の中のつっかえ棒を求めていた。
「無力」
まだ幼い二人の夢や希望は、あまりにも遠くにあって、今の二人には無力だった。
夕花が公衆電話でかけたのは110番
行政機関に求めた保護だった。
惜しかったのは、夕花を見つけた継父のシーン
あの場面は、当時ずさんだった行政による保護と、その所為で発見された夕花の居場所、そして継父による激しい暴力によって、夕花の記憶が失われたシーンに置き換えてほしかった。
また、
15歳の二人と45歳の二人は別俳優だったこと。
設定上致し方ないが、ハリウッドであればできる技術だ。
1992年の「フォーエバーヤング」が頭をよぎってしまう。
ここが本当に悩ましい。
ディーン・フジオカさんや尾野真千子さんではなく、長尾謙杜くんと當真あみちゃんの老いをメイクアップしてほしかった。
逆に「高梨萌香」の登場シーンで、彼女が何者かおおよそ予想できたが、そこにどんでん返しがあったのは良かった。
そして何故、いつも焼きうどんだったのか?
それが最後に出てくるのも感動的だ。
しかしながら、
この物語は、ひとつは中学生を対象としているように感じた。
等身大の彼らに感じてもらいたい物語だったのだろう。
作品の中にほとんどすべてが描かれていて、最後のタイトルに着地するように作られている。
行方不明になって30年という意味
義理の弟が探しても見つからない姉
そこで起きた事件
店に車が突っ込んできて店が壊れてしまう。
この事態に、無償で改修工事を請け負うと登場した「高梨萌香」
さて、
中学生の視点ではあるかも知れないが、夕花を待ち続けた心也
しかし彼女は結婚して娘を設けていた。
この事実は、中学生の心に何を感じさせるのだろう?
心也は自身とコウタの力を借りながら夕花を探していた。
もちろん結婚はしていない。
記憶をなくしたことと、新しくつけられた名前 建築士になって結婚した。
この事実に関しての解釈は、40代以上が対象となるだろう。
「母の頭の鍵を紐解く」というミッションを自分に課した萌香
その設定は、なかなか突飛だった。
ただ、幼き心也の母との約束があるので、この部分は非常によくできていると考えることができる。
そして、
このどうしようもない人生の不条理 映画の魅力でもある。
映画では夕花が昔を思い出していた。
夕花が記憶をなくしたのは、石で頭を打った所為だった。
しかし、突発的な事故のようなことではなく、やはりそこに異常な行為があることで、夕花は「人生のすべてを忘れたい」から、忘れたように見せてほしかった。
同時に「どうしても忘れたくないこと」があった。
それが焼きうどんの匂いで揺らぐように思い出す。
でもそこには不完全な思い出だけが残っていて、顔などは思い出せない。
それを見ている心也は、「その美しい思い出の一部を思い出した夕花のことを理解した」だけで、30年という時間を昇華することができたという着地点にしてほしかった。
つまり、従業員の「ユウコ」は、ずっと心也を支えていて、「それらがあの最後の瞬間にそれぞれのパズルのピースに落ち着くのだろう」という余韻が残っていたら、この物語は最高だった。
誠勝手な感想で申し訳ないが、なかなか奥深い物語だった。

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R41