ドライブ・イン・マンハッタンのレビュー・感想・評価
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ずっと見送るショーンペンの物欲しそうな姿に自戒の念沸きまくり。
会話だけだけどダコタ・ジョンソンずっと見てられる。
「機器に接続しない人なんだ」
引き込まれる率直な会話劇
タクシー運転手と乗客というまさに一期一会なシチュエーションの会話劇です。
ニューヨークが舞台ですが、キラキラした夜景も出てこないし、登場する2人も決して華やかな人生を送ってる感じでもない。爪を噛む癖とかFワードの多い言葉など、細部に人となりが現れていて面白味が増しました。
話すたびに1対2、2対2なんてトーク合戦をしているとあれよあれよと話が広がっていく展開も洒落ていて、この道20年というドライバーが彼女の事情を見抜いて空気が変わっていきました。そしてショーン・ペンの横顔たまらん。
破格のチップを払ったのだから彼女はとても良い時間を過ごせたのだろうし、ドライバーにとっても“ツイてない1日”から一変、“ツイてる1日”になりましたね🚕💨✨
映画のエンドロールが流れて原題がDaddio(おじさん)だということに気付き、そういえば作品のポイントになってるなぁと思い返しました。
ダコタ・ジョンソン素敵ー💕
サレ乙な会話劇
ダコタ・ジョンソンが美しい…だけ。
アメリカ的な、あまりにアメリカ的な
マッツを観る予定で家を出たが、軽い頭痛がして、あんまり重い話はなー……と心変わりしてコチラへ。
こんな若い美人が深夜タクシー選ぶかぁと訝るが、空港→ミッドタウン定額料金という字幕。(今ってそうなってんの)
自分もJFKからトランプタワー近くのホテルを何度か往復したが、タクシーに良い印象は無い。ただ、白タク、ダブルメーター、ぼったくりが横行していた頃とは違うのだろう。一度だけ運転手と他愛もない会話の中で、名前を尋ねられ*“デューク東郷”といったら“オー、コワイネ”と日本語が返ってくる。聴けば、赤坂のレストランで10年も働いていたとか。すっかり打ち解けて下車。ホテルの部屋で運転手から買った“格安のROLEX”をながめていたら数時間で針が動かなくなった。
まず、この会話はショーン・ペンの常套手段だと勘繰りたくなる。自身の不遇な生い立ちや女性遍歴を語るのは、詮ないが、たぶん繰り返し いろんな客に聞かせているうちに、ワイルドさと知的ゲームを取り混ぜた会話術を洗練させていったのだと推察する。まあ、とっておきのネタやジョークはだれでも持ってるが……
彼女の爪のかみ癖や、カレシの名前を言わない ことから年上の既婚者と不倫している典型的なファザコンだと看破したところまでは良かったが、調子に乗ってツッコミすぎ、辟易させてしまう。ふつうなら気まずい雰囲気のままだが、ここから先につなげられたのは、彼女のサインを見逃さなかったからだ。彼女自身、誰にも言わないとしていた秘密を、いつかは、打ち明けられる相手と邂逅できるのではないかという期待を匂わせていたから。
さして深くはない会話の応酬で高額チップを得たという結末はどうかと思うが、いい 大人が甘い甘い菓子を頬ばったり、あり得ないようなメルヘンが大好きなアメリカ人は多いものだ。本作は小洒落れた会話を楽しむ小品という位置づけだろうか。
やっぱりマッツに行くべきだった!?
*デューク東郷=ゴルゴ13
会話劇(英語が理解できれば尚良し⁈)
ショーンペンもそうそうお目にかかれないかも
うざいオッサンと良いオッサンのギリギリのところ
Goddamnに始まりGoddamnに終わる
空港から自宅へ向かう夜のタクシーで繰り広げられる、歴20年のドライバーの男と20代女性客の会話劇。
JFK空港からマンハッタンの44丁目9番街と10番街の間の自宅まで、定額料金で乗った女性客に、ドライバーが他愛もない会話を投げかけて始まって行く。
世知辛い世の中のこととか、名前のこととか、どこに行っていたとか、どんな仕事とか、最初は軽い話しだったけれど、鋭い観察眼をみせたドライバーが女性客のリアクションをみながら、深い会話に引き込んで行く。
色々自分も経験し色んな客をみてきたイケオジの、人生相談という感じでしょうか…。
カウボーイがなぜ触れられなかったのかとかは自分には明確には理解できなかったけれど…。
それにしてもキモい彼氏に対するリアクションに、あまり変化がなかったのは残念だったけれど、色々と思い当たる節バリバリの彼女の、最後の吐露は今後の変化に繋がる予感がしてとても良かった。
一度きりの出会いだからこそ話せる事もある
夜のニューヨークを舞台に、ジョン・F・ケネディ国際空港でタクシーに乗り込んだ女性客(ダコタ・ジョンソン)と、粗暴ながら鋭い観察眼を持つタクシー運転手(ショーン・ペン)が、マンハッタンへ向かう車中で交わす会話を描いたワンシチュエーション劇。乗客と運転手、ただそれだけだったはずの2人の出会いは、やがて互いの抱える人生の苦悩や後悔を打ち明ける旅へと向かってゆく。
主演のダコタ・ジョンソンがプロデューサーも務め、脚本には劇作家出身のクリスティ・ホールが初監督も務める。
ほぼ全編が車内での会話のみ。しかし、時にシニカルに、時にユーモアを交えて交わされる会話の心地良さ。時折挟まれるニューヨークの夜景の中を走るタクシーの映像と、それを彩るディコン・ヒンチリッフによる美しい音楽が、2人の短い旅を最高の形で演出している。
最初はバックミラー越しの視線のやり取りで交わされた会話も、事故による渋滞に嵌った際には運転手が仕切りの窓を開け、乗客の方を向いて語り出す。そうした次第に近付いていく心の距離の演出が上手い。クライマックスで語られる、乗客の抱えていた“誰にも話していない秘密”の驚きも見事。
【真夜中のタクシー。向かうのは<愛とは何か>の答え】
本作の日本でのキャッチコピーだが、正直、本作が示しているのは<愛とは何か>ではないように思う。ともすればラブストーリーにも受け取られかねないようなキャッチコピーだが、本作が示しているのは、<誰かに話すことで、自らの苦痛を癒すこと>の大切さ。そして、親しい間柄ではなく、見ず知らずの他人、一度きりの出会いだからこそ曝け出せるものがあるのだという事ではないだろうか。
予告編で受けた印象とは裏腹に、かなり作中で下ネタが飛び交い、乗客の不倫相手の中年男性が性欲丸出しのメッセージを写真まで載せて送り付けてくる様は、ある種ホラーですらあるのだが…。日本の広報はラブストーリーを連想させた方が客入りが良くなると思ったのだろうか?
「1は真、0は偽ー。」
オシャレでスマートな印象を与える乗客は、実はプログラマーとして働いており、コンピュータに疎い運転手に説明を求められた際、このように説明する。
2人の会話の中でも、何が真で何が偽か、それは本人の感じ方次第だと思われるやり取りがなされる。乗客が幼い頃に父親と交わした握手の正否、2度の離婚歴のある運転手が最初の妻と過ごした日々。しかし、それを確かめる術はもうない。美しい思い出として記憶の内に留めておく方が、時に幸せな事だってあるだろう。
ダコタ・ジョンソンとショーン・ペンの演技が素晴らしい。特に、会話中心の本作においては、2人の僅かな表情や仕草の変化が重要になってくる。焦りを感じると指を口元に運ぶ乗客、音楽でもやっていたのではないかと思わせる運転手の指遣い。その中でも特に、ショーン・ペンの目の演技が凄まじく、1人目の妻との思い出を語る中で、乗客からの問いに次第に瞳が潤んでいく姿は間違いなく本作の白眉。
そんな運転手のキャラクター設定も非常に魅力的。台詞の中で度々「Fuck」「Fuck'n」と口にする言葉遣いの悪さ、乗客の不倫相手と同じく自分も過去に2度の離婚歴があるというロクデナシぶりだが、長いタクシー運転手業で培った鋭い観察眼がある。 乗客の慣れた様子で行き先を告げる様子や無闇に車内でスマホを弄らない様子から、彼女がニューヨーク生活が長く賢い女性である事を瞬時に見抜く様は、まるで、シャーロック・ホームズを見ているかのようでワクワクさせられた。
また、乗客の年齢を「26歳くらいに見える」と見立てるが、彼女は「24歳と34歳じゃ違うの。30過ぎたら女の価値は半減する」と返す。これだけで、彼女の年齢が34歳なのだろうという事は推察出来るので、運転手はそれ以上踏み込まない。粗暴な言葉遣いで下ネタも平気で言う彼だが、そうした距離感の見極めはキチンと行うのが良い。
ラスト、流産という辛い経験を語った乗客は、運転手との別れの際に差し出された手を握らず、彼の頬に触れてみせる。それは、かつて育児に無関心だった父親との別れの際の記憶、不倫相手に父性を求めていた脆さから、一歩先に進めた証拠ではないだろうか(リアルな話、運転手立ちションしてからで洗ってないよなとは思ったが)。
互いに痛みを経験してきた2人。だからこそ、この先の2人の人生に幸あれ。そう願わずにはいられない。
A282 パリタクシーには及ばない、けど
2025年公開
ダコタ・ジョンソン自ら製作。
登場人物あとショーン・ペンだけ。
女の子の不倫に対するアバウトな指摘をする
タクシードライバー。
でも感極まるそうな。
こちらもウトウトとなりそうだが
目を開ける度にダコタ・ジョンソンのどアップが
画面中に!
こんなサービス満点の映画はない。
やっぱりダコタ・ジョンソン綺麗やわー
幸せな気分になりました。
ちなみにケネディ空港からマンハッタンまで
24km。渋滞なしで30分だそうです。
でもその撮影に高解像度のLEDパネルを使って
*****で撮影する?
ありなん?
60点
鑑賞 2025年2月16日 アップリンク京都
パンフ購入 ¥1,000
配給 テアトル東京
言語化できない感情
登場人物二人の会話劇。ただの会話で物語が成り立っている。
狭い車内に男女が二人…何も起きないはずがなく…
なんてことはなく、本当に何も起きない。
それでも不思議と退屈しない。
脚本の軽妙さもさることながら、二人の感情を表す何気ないシーンの切り取り方がうまいのだと思う。舞台劇ではなく映画だからこそできる見せ方だと思った。
最初は人生経験の浅いねーちゃんを老いたタクシードライバーが諭す流れかぁなんて思いながら見てたけど、最終的には二人の心情に絆され、すっかり感情移入してしまっていた。
最後の告白のシーンでグッとくるものはあったが、泣くまでにはいたらなかった。
…のだが、エンディングのスタッフロールが流れる最中に涙がとめどなく流れ出て止まらなかった。本当に驚いた。
なぜ涙が止まらないのか全然わからない。
必死に止めようと思っても後か後から溢れてくる。不思議な感覚だった。
会話の中身も世間にはありふれた話で、二人の生い立ちが特別なわけでも、波乱万丈があるわけでもない。本当によくある話だ。
それでも世の中の一人一人に人生があり、感情があり、ドラマがある。
きっとスマホの向こうのしょうもないおっさんにしてもおそらくそうだろう。
人の姿は一面では捉えられない深さがある。そう思わせるのに十分な映画だった。
ここまで感情を揺さぶられたら文句なく★5にしたかったけど、正直なんで自分の心がここまで震えたのか全く説明できないし、どうやって他人にお勧めすればいいのか悩ましいので0.5だけ減ずることにする。
脚本・演技・構成、どれをとっても本当に見事な映画だった。
それにしてもなぜこんなにも自分に刺さったんだろう…不思議だ…。
社会(制度)がいくら変わっても、男の性がいつまでも残念ながら変わらないのなら、女性が変わるしかない
今この時もどこかで悪い恋をしている世の女性たちに、もっと自分を大事にして、目を覚まして!という女性応援映画にメッセージとテーマ、作り手の切なる願いを感じる。時は流れる、時代は変わる…。けど、男女平等を妨げている図式を気まずいところまで踏み込んで真理を洗いざらい曝け出す。いくらハード(ルールや仕組み作り)が整えられていっても、それを使うソフトも変わらないと。
始まって間もなくから主人公の見る上下反対にうつる手鏡が、彼女の心理状態をよく表していた。そして、事故渋滞時の後続車両からのクラクションやライトに振り返るショットもまた同じで、つまり彼女が後ろ髪を引かれているということ。それでも、タクシーは前に進んでいく。
一期一会たまたま出逢った、自立した賢い女性と粗野なタクシー運転手。助手席から切り替える形から、同じ画に入るようになり、2人を挟む小窓を開けて正面から見据えた切り返しになり…と次第に2人の心理的距離感が近くなっていくのを表す。タクシー運転手側から観たときの小窓が、視点を絞るための手前の障害物となっていて良かった。
ズケズケと相手の神経を逆撫でする気まずい話題をあえて選ぶお喋りクソ野郎。とりわけ普通にセクハラ発言していて途中下車してもおかしくない。けど、「夏みたいな人だった」って表現がとびっきり素敵で心に残った。ショーン・ペン名優ここにありなカットで鳥肌も立ってしまった。
主演2人の力がすごい。車中の注意深く当てられた照明が彼らを映し出して、2人の抱えているものや事実が次第に見えてくる。製作も兼ねているダコタ・ジョンソンの本気っぷりと悩める様子、爪を噛む仕草に眉間に寄った皺。水中の中で息が苦しくても息をし続ける、難破船にならないために。
人生は真と偽の連続、つまり0と1、そして2。スコアは2対0から始まる。時間稼ぎの事故にも考えようによっては、この病める現代社会への意味を見出せそう。正直、邦題や日本の宣伝方法もあって鑑賞前に思っていたような作品とは違ったけど、原題がヒントや多くを物語っているし、本作もこれはこれでよかった。何より製作意義を感じるし、これだから人間だって捨てたものじゃない。
P.S. チップ額に隣の人が「え〜!」と驚嘆の声を漏らしてしまっていた。久しぶりに会話劇主体の魅力・力強さを感じて、自分もそうした脚本が書きたくなった。
全109件中、61~80件目を表示
















