「なにげないが特別で上質な空間」ドライブ・イン・マンハッタン ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)
なにげないが特別で上質な空間
深夜のタクシー内でのドライバーと女性客だけの二人会話劇。
夜の空港から市内へタクシーで帰宅、タクシー乗場で行先をチェックされ、車のトランクにキャリーバックを乗せ、高速道路から見える大都会は心なしか暖かい灯りに包まれ、乗客は緊張を緩めゆったりとシートに持たれている…このなにげないが特別で上質な空間を物語の舞台にしたのは、それだけで観る前からこちらの期待値を上げてくれている。
話はしがない運転手がワケ有りっぽい美人客にちょっかいをかけるところから始まり、互いの踏み込んだところまで会話が進むのだが、ショーン・ペンもダコタ・ジョンソンも会話の内容やそこに至る状況に応じた違和感のない演技に圧巻。アップも映えるし、表情から二人の性格も観る者に明確に伝わっている。まるで昔TVで見たアクターズスクールの教本劇のようなしっかり感があった。Daddioという英語題名の意味をじっくり考えてから映画のセリフを拾いながら鑑賞するのも面白いかもしれない。この映画はそういうのを楽しむ映画だと観賞後の感想。
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