「スクリーンで観られてよかった大爆破」新幹線大爆破 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
スクリーンで観られてよかった大爆破
Netflix配信作品が期間限定で劇場公開されたんで、喜び勇んで観てきました。50年前のオリジナル作は犯人側の事情や警察との攻防が、ガッチリ描かれていたのに対し、今回は新幹線車内をドラマの中心に置いているのが違う所です。その分、猛スピードで走る新幹線から乗客をどうやって救助するのか知恵を絞るところが面白いところで、JRが全面協力していることと、高いレベルの特撮やCG技術のおかげで迫力あるシーンの連続です。乗客を先頭車両に移し後部車両を切り離して爆破させるシーンや、救助車両を接近させ乗客を移すシーンは実際にやっているかのような大迫力です。似た設定のアクションの名作『スピード』も、基本的に人を助けるお話しだし、並走するバスに乗客を移動させるシーンがあるけど、これを新幹線でやるところが凄いです。さらにタイトル回収シーンである新幹線大爆破は、クライマックスにふさわしい盛り上がりでした。こう言う映画は映画館で観なきゃね。とは言え、犯人像や動機あたりは新味を狙ったつもりかもしれないけど、かなり無理があり、感情移入もできずピンときませんでした。さらに前作との因縁を強引にこじつけているので無理クリ感がありすぎで残念。後半からやや失速気味になるのは脚本の責任もあるけど、総じてドラマ部分の演出が弱く、その分をアクションや特撮で補っている感じです。役者では、草彅剛がまさに理想のJRマンを好演してるけど、淡々としすぎて意外と平板な感じでした。JRの運行担当役の斎藤工は、キャラが立った活躍ぶりでした。特に運転士役ののんは、凛々しくも女性らしい可愛らしさも感じられてとてもいい感じでした。旧作では、運転士役は千葉真一だったことを考えると隔世の感がありますね。
