劇場公開日 2025年10月3日

「「新幹線」に重きを置いた」新幹線大爆破 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 「新幹線」に重きを置いた

2025年8月1日
PCから投稿

いろいろな性格の(クセのある)登場人物が
たくさん出てましたが、
物語にはほとんど無意味でした。
一般的には、
現場VS指令室の湾岸署的展開。
政府VS民間の”1人の命の重さとは”的展開。
あるいは乗客VS乗務員や、乗客VS乗客など
要素はふんだんに盛り込んでましたが、
キーとなる展開にはなりませんでした。
その無意味な登場人物の中心に立つのが
元祖”いいひと”無味無臭のサイコパスこと
草彅剛。
彼にかかればどんなにクセのある役も
ブラックホールのように吸い込まれ、
無味無臭になってしまう。

そしてそれこそが、この映画の見どころを
”新幹線自体”に目を向けさせる最大の功績。
見ているコチラは「がんばれ新幹線」1点に
集中力を注げるため、ダレることなく一気見できるのです。

そしてこのシナリオは狙ってやっているのです。
犯人が女子高生という時点で、観客は100%の憎悪を
犯人には向けられないのです。
ヘリコプターで事件を起こした国民の敵にも、
調子に乗ってるインフルエンサーにも、
人気取りばかりの政治家にも、
指令室を混乱させる政府の犬にも、
憎悪の感情を向けられないのです。
それもこれも感情をブラックホールのように
吸い込む草彅剛車掌のなせる業。

だからこの映画は、
普段使用している身近な新幹線に
爆破テロが起こった。
でもみんなで頑張って、なんとか防いだ。
あぁよかったね。
ハラハラドキドキしたね。
という感情しか残らないのです。

偶然ではありません。
これは確信的に作られているのです。
(んなアホな。ホンマか⁉)
という映画でした。

にゃろめ