「残念だったのは結末の部分 北乃きいさんの演じた茶汲女おとよです もっと、悪い女であるように演出されるべきで、演技も台詞も練り込みが不足しています」鬼平犯科帳 老盗の夢 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 残念だったのは結末の部分 北乃きいさんの演じた茶汲女おとよです もっと、悪い女であるように演出されるべきで、演技も台詞も練り込みが不足しています

2025年7月26日
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鑑賞方法:VOD

鬼平犯科帳SEASON1「老盗の夢」
2025年
令和版の第5作

お話は第3作、第4作にチラ、チラッと登場した橋爪功さん演じる簑火の喜之助という稀代の大盗賊がいよいよ本格的に登場して、鬼平と対決するというもの、粂八もレギュラーメンバーとなって捜査に加わります
鬼平犯科帳の数あるエピソードのなかでも屈指の人気のお話です
簑火の喜之助役は平成版では丹波哲郎さんが演じていました
橋爪功さんは老盗という姿形はピッタリでしたが、反面若いときの凄みさが今一つ伝わりきれず惜しいでした
一番残念だったのは結末の部分
北乃きいさんの演じた茶汲女おとよです
もっと、悪い女であるように演出されるべきで、演技も台詞も練り込みが不足しています
いま手元に原作本がなく確認できないのですが、ただの商売女の手管にあれほどの稀代の大盗賊も簡単にだまされて有終の美を飾ることができなかったという結末だったはずです
その結末でこそ、老盗の夢の哀れさ老いの無惨さが際立って、感慨深くエンディングをむかえられたはずです
令和版のようなおとよでは感慨が浅く際立ちません
単に北乃きいさんの演技うんぬんではなく、脚本レベルでしっかりと押さえておくべきポイントです
そここそ、このお話の要だったのですから、脚本家も監督も、そこに向けて全てが集中して結実しなければならない演出計算がもとめられる最重要なシーンのはずです
がっかりしました
愛想も何もないエンディングが流れても視聴は止めないで下さい
短いシーンが最後にあります
平蔵と彦十が五鉄で会話するものです
そして火野正平さんの思い出と共にとテロップがはいります
あんなにお元気だったのに残念だなりません

次回は、「暗剣白梅香」
これも屈指の人気のエピソードで楽しみです!

あき240
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