「よかったさ、みたいな感触のよさ」風のマジム ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
よかったさ、みたいな感触のよさ
よかったさ。みたいな気持ちになる。
普遍的というか、いま世界で起きてることからしたらたいしたことはないかもしれない「派遣社員女子の沖縄ラム酒づくり」と、一言で言えばそういうことを、そこから想像できることから大きく逸脱することなく丁寧に、ささやかに、その冒険が描かれる。
まるで昨日見た『宝島』と同じ島の話にはまったく見えないが、ワンカットワンカッット、こちらのほうがはるかに見ている時間は豊かな気持ちになる。まあまるで中身が違うけど。
良くも悪くもNHK的なドラマではあったが、親子三世代の、沖縄でこのままでいい、変わらなくてはいけない、という現実はちゃんとある。世代から世代へ、若い世代を応援しようという目線に目頭が熱くなる。沖縄のラムが生まれるその一滴には、本当に多くの人の人生があったればこそ、という展開もいい。そして高畑淳子のつくる豆腐がうまそうだった。そして映画館を出るとラムでもモヒートでも飲みたくなる。
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