「映画と原作、微妙に違って、両方楽しめる」風のマジム 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)
映画と原作、微妙に違って、両方楽しめる
原田マハさんの原作は、実話ではない。
実在の人物をモデルにしたフィクション。
この映画は、
登場人物とか大筋とかは原作と同じだけれど、
設定や展開がいろいろ異なる別バージョンのフィクション。
つまり、
映画と原作、両方とも結構楽しめる。
* * *
そもそも
モデルとなったグレイスラムの金城(きんじょう)祐子さんは
沖縄電力のベンチャー・コンクールに応募したときには
結婚していて一児の母だったり(こっちの方がドラマチックでないかい?)
原作自体がけっこう事実と異なるフィクションなんだけれど、
映画は基本的にそれを踏襲しつつ、
むしろストーリーライン的には自然な流れをつくっている。
だからある意味、
原作より面白かった。
あるいは、
原作とは違ったバージョンが観られた、
と言ってもいい。
* * *
伊藤沙莉さんはもちろんのこと、
ほとんどの役者さんは素晴らしい演技なんだが、
ただ、村長さんが……。
あの方、役者さんだとしたら、演出が相当ひどい。
役者さんじゃないとしたら「なんでキーパーソンに」問題が……。
そして何より、まがりなりにも選挙で選ばれる村長という立場なら、もうちょっと風を読むだろう。
あんな頑固なステレオタイプのはずがない。
そこは、原作にリアリティあり。
そしてもうひとつ。
南大東島の風景として映されていたのは沖縄本島読谷村。
南大東島のロケがなかったのは、大人の事情?
原作で工場となった旧空港とか、観てみたかった。
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