劇場公開日 2025年9月12日

「百聞は一「飲」にしかず!?」風のマジム tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 百聞は一「飲」にしかず!?

2025年9月13日
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純沖縄産のラム酒を造ろうと奔走するマジムのひたむきな姿は応援したくなるし、変にラブロマンスを絡めず「お仕事ムービー」に徹している潔さには好感が持てる。
親子3代が同居するマジムの家に、どういう訳か男が居ないところは、いかにも、働き者の女性が多い沖縄らしいし、始めは「嫌な奴?」と思われたのに、やがてマジムの最大の協力者となる同僚の女性社員も、良い味を出している。
地域振興を兼ねた企画のはずなのに、沖縄ではなく東京の醸造家にラム酒造りを依頼しようとしたり、地場産業の多角化は歓迎されるはずなのに、南大東島の人々が頑なにラム酒造りに反対したりと、やや不自然に感じるところもあるのだが、夢の実現に向けた「覚悟」を強調するための仕掛けとしては、これで良かったのだろう。
その一方で、自らがアグリコールラムを飲んで、その魅力に取り憑かれたのに、マジムが、南大東島の人々や沖縄の醸造家を説得しようとする時に、試飲用のサンプルを持って行かないところには、「何をやっているんだ!」とイライラしてしまった。
それでなくても酒好きの沖縄県民(居酒屋数日本一!)なのだから、百の説明よりも一口の試飲で、万人を納得させるような効果があったのではないだろうか?
案の定、島民に対する説明会の場で、「それ見たことか!」という流れになるのだが、タイミング良くアグリコールラムが届くというドラマチックな展開を演出するためだったとしても、やはり、マジムの思慮の浅さが気になってしまった。
ただ、さすがのマジムも、この件の教訓を、しっかりと最終選考会のプレゼンに活かしていたので、そこのところは良かったと思うし、その結果として、心地よい後味を感じることができた。

tomato
tomatoさんのコメント
2025年9月15日

美味しいものを味わったなら、誰でも、人に勧めたくなるものでしょう。自分が体験した感動を、どうして皆と分かち合おうとしないのか、不思議でなりませんでした。

tomato
トミーさんのコメント
2025年9月15日

サンプル無しで売り込むのは、何も考えてないとしか言えないですよね~。

トミー