神は銃弾のレビュー・感想・評価
全40件中、1~20件目を表示
人物関係などのモヤモヤは原作を読むとほぼ解消される
本作については当サイトの新作映画評論の枠に寄稿したので、ここではトリビア的なことをいくつか紹介したい。
評では「もともと大長編の小説を凝縮した映画化なので、人物らの過去の関わりといった背景が割愛され説明不足のきらいがある」と書いた。私は映画版を観たあとで原作を読んだのだが、人物Aと人物Bには過去にこんないきさつがあり、だから現在のあの言動につながったのか、と腑に落ちる点がいくつもあった。もし本作を観て、人物関係などがどうもすっきりしない、もやもやしたという方で、550ページの翻訳小説を読むのが苦でないなら、ぜひ原作にあたってみてほしい。読書する時間がない、長編小説が苦手という方のために、ネタバレにならない範囲でそうした要素を少しだけ挙げておく。
・不動産業者アーサー(刑事ボブの元妻サラの父親)は地元の有力者で、保安官事務所にも影響力を持つ。所長ジョン・リーがボブに「お前はデスクワークの事務方だ」と言って捜査を牽制する台詞がある。かつてはボブも現場に出る刑事だったが、アーサーが裏で手をまわして娘婿になったボブを楽で安全な事務方に異動させた過去があった。
・ジョン・リーの妻モーリーンはアーサーの共同経営者で、既婚者のアーサーとかつて不倫していた。そのことがジョン・リーとモーリーンの冷めた夫婦関係の一因でもある。
・ジョン・リーが妻から少年ポルノ鑑賞を嘲笑される場面がある。だが彼の少年性愛癖は見るだけに留まらず、作中のある人物とかつて実際の行為に及んでいた。そうした過去が一連の事件ともつながっている。
原作小説からの補足情報はこれくらいにとどめておく。また、評でゴア描写に関して「原作にはない殺傷シーンまで含まれる」とも書いたが、ニック・カサベテス監督がどんな描写を追加して映像的インパクトを強めたのかも、原作との比較でよくわかる。
なお、ボストン・テラン作品の映画化第2段として、2010年刊行の「暴力の教義」を原作とする映画の製作がトッド・フィールド監督(「リトル・チルドレン」「TAR ター」)、ダニエル・クレイグ主演で進められていたが、コロナ禍の影響もあってかこの5年ほど進捗が伝わってこない。完成するにしてもまだ当分先になりそうだが、気長に待つとしよう。
ボブもケイスもカッコよすぎる…
前評判は決して高かった訳ではないが、私は面白く観た。確かに、人間関係がわかりにくかったり、残酷な描写が多かったりと欠点はあるのは認める。だが、それにも増して、物語に緊迫感があり、どんな結末が待っているのだろうかという先が読めない展開があった。このミスの海外編で1位となった当時、文庫本を買って読み始めたが、すぐに挫折した苦い経験があったので、どんなストーリーなのか知りたいのが、第一の鑑賞動機だった。封切で観に行こうと思ったが、公開2週目で、夕方の回しかなくてあきらめた。ボブは保安官とはいえ、事務方というのもみそ。バリバリの捜査力があるとは思えなかった。しかも相手は神出鬼没のカルト集団。ケイスの助けがなければ、どこから手をつけたらいいかわからなかったのではないだろうか。一方、初めケイスはなぜ協力を申し出たのか、わからなかった。そして、観客はボブと共に、よく訳がわからないまま振り回されて困惑してしまう。しかし、話が進んでいくうちに、二人の関係性が変わっていく。私はボブがケイスの命を大事にして粗末に扱わないところが好きだ。ケイスがちゃんと落とし前をつけたところがすてきだと思った。それから、ラストもとても納得がいく終わり方でよかった。最近観た「ブルータリスト」や「教皇選挙」などは、思いもよらない事実が終盤に出てきて戸惑ってしまったからだ。そうあってほしいと願った終わり方だった。「神は銃弾」というタイトルの意味がわからなかったが、少しわかった気がする。
マイカ・モンローのやさぐれ感が素晴らしい!
悪魔崇拝ってどうなの?
やっていることは、反社といっしょ。
悪魔崇拝とは関係ない気がしていて、悪魔崇拝をよりどころにして
女の子を殺すとか悪事の限りを尽くすって!?
ボブとケースのコンビは実に見応えがあった。
最初はお互い理解し合えなかった(ボブがケースを理解できない)のが
徐々にわかりあえるようになる心の変遷も良かったし、
ボブがブチ切れて銃をぶっ放すところからが本番。
それにしても警察がクソなのは、どの映画の世界線でも共通。
ラストバトルも壮絶、無駄に長くなくてそれも良かったし、
全員ぶち殺してくれてスッとした。
バトル後の20分が実に味わい深かった。
特に、ボブとケースの別れのシーンはグッときた。
お互いわかりあえて愛情になっていた。
「あんたは逝く」
ケースの手によって、ちゃんとサイラスも罰を受けた。
まさに神は銃弾だった。
ケースはお母さんを見ることができてよかったね。
ラストシーンは出来過ぎだと思うけど、それくらい二人は報われてよいと思う。
できれば劇場で鑑賞したかった。それだけが心残り。
自分には不快感しかない作品。
「2002年度このミステリーがすごい!」海外編1位に釣られ、
監督はあの名作『きみに読む物語』の
ニック・カサヴェテスだから期待。
ああ、『ドラゴン・タトゥーの女』みたいな感じでサスペンス。
ミステリーの醍醐味はない。
悪魔の信者で黒魔術なんて言葉を使うから、オカルト方向にいくのか楽しみだったが、
ヤクでラリっているなんてオコちゃまのカルト集団で、
茶化して観ていればいいのかもしれないが、
一向に面白くならない作品。
監督ニック・カサヴェテスだからといってお父さんのように緊張感漂わせる演出は、望めなかった。
神だの悪魔だの皆んながほざくが、
コチラから観たら
皆さんが悪魔、なのかもしれない、
そんな風にしか見えなかった。
主演ニコライ・コスター=ワルドー、見覚えがある。
どの作品だろうと調べたらスッカリ忘れていたデ・パルマの『ドミノ 復讐の咆哮』の主演俳優だった。
(今からでもディレクターズカットでもいいので『ドミノ 復讐の咆哮』を創り直してくださいデ・パルマ。ムリなら新作はバリバリのブライアン・デ・パルマ作品を撮ってください。
『ドミノ 復讐の咆哮』を遺作にはしないでください。)
この作品(神は銃弾)、覚えているのは、
思い出した『ドミノ 復讐の咆哮』だった。
結論🧐
めちゃくちゃ面白いですね🥳
不快な気分になるサイコスリラーが映画の全ジャンルの中でずば抜けて1番☝️大好物の自分には不快は全然足りてないけど超絶面白楽しいハッピーハッピーなエンタメだったっすね!(テーマの割には重苦しい感じが全く無かったです)
まず主役のオッサンですが自分はあまり見た事無い俳優だったけどヴィゴ様やマッツ系のイケおじで娘を助ける為にイヤイヤ入れ墨って流れで爆笑でしたよ🤣(ジェイミーフォックスに似た人居るなあとか思ってたら本人でビックリ🥶)あと真イカ・モンローちゃんはロングレッグスで初見だったんですが雰囲気がガラッと変わって別人でしたねえ☺️(この女優さんは杉咲花・ロバートパティンソン・ジェナ・オルテガと同じジャンルの闇落ち系の役がピタリとハマる華のあるスター俳優が出る王道ハリウッド的なやつとは違うダークな作品にドンピシャな女優さんですねえ👍)
それと日本に居るDQNやヤクザとは全く違うベクトルのヤバイ人達だらけである意味マッドマックスのヒャッハー軍団みたいで素敵過ぎましたね❤️(しかも頭とか足とか平気でブッ飛んだり主役の女子が顔面パンチで血がピュー🩸って演出やガラガラヘビにガブガブ噛まれたりまくる演出などは☺️君に読む物語の監督だけに流石だなあって感心しましたよ🫡👼)
しかし上映時間が長い割には間延びも無くテンポよく話が進むんですが土地がらみの件と今回の誘拐事件とあまりリンクしなくて?だったけどまあそこは自分の理解力の低さが問題なだけなのでセーフと言っておきます👍
あとラストにあいつがやっつけられるシーンで壁までぶっ飛ばされるシーンにはあり得なさ過ぎて大爆笑でした😂🤣😆
結局イケおじと👨🏻闇落ちしたかわい子ちゃん👩🦰がタトゥーだらけでイカれた黒魔術集団をブチ殺すとか面白いって決まってますから🔫🩸🪦👻
この作品も終始ニコニコで鑑賞出来たご機嫌になる内容だったので満足度はかなり高かったですよ!(これは見逃すのは勿体無いヤツだとおもいますよ🥳)
散々楽しい楽しい言ってましたが見た日の夜に脳に焼き付け現象が起きていてPTSDみたいにフラッシュバックしまくって寝てる感覚一切無いまま朝を迎えましたよ🥱(視覚的に強烈だったんでしょうね👀💥)
Netflixのハボックもですが過剰な描写をベースにアクションやサスペンスを作るパターンてめちゃくちゃ好物です🔥
ボブ某
パンフレットでも読んで人間関係整理しようかと思ったら、売ってなくて残念。
原作があるんですね、時間があったら読んでみたい。どこまでが実話なのかとかも知りたい。
ボブは不死身かよ。
まあ映画のご都合主義だってことはわかるし、アクションは楽しくて良かった。
悪を倒すためとは言え色々と法を犯してるけど、お咎めなしなんかな(笑)
ただ娘に起きたことを考えると…。
ミステリーというよりバイオレンス作品ぽい
2002年版「このミステリーがすごい!」の1位という事で期待して観ましたが、ミステリー要素はあまりなかったように思いました。
とにかく暴力描写がすごかったです。
序盤から悪いヤツらが本当に悪い。
カルト教団というより麻薬中毒の犯罪者軍団でした。
それと戦うのが娘を拉致された事務仕事の保安官のボブと、そのカルト教団から逃げ出したケース。
全体的には良かったけど、ボブが娘を想う気持ちが伝わってこなくて、もっと不安になったりするよねって思うくらいごく普通にしてたのに違和感があって残念でした。
娘を奪還するというよりカルト教団への復讐劇という方が強かったと思います。
ケースを演じたマイカ・モンローは美しさ封印で殴られ蹴られ鼻血は何回も出すしボロボロで、体当たり演技って感じで良かったです。
実話から作られた作品だそうで、どこまでが実話かわかりませんが、かなり重い勧善懲悪でスカッと感は全然なかったです。
成長するパパ。
「誘拐された娘を取り戻す父親」という『96時間』を連想するモチーフだが、相手は質の悪い狂信カルト集団。そのためディテールは生理的に嫌な気分になっていく。元秘密工作員のリーアム・ニーソンではなく、警察の内勤事務方のさえない役柄のニコライ・コスター=ワルドー。しかしカルト集団から離脱したマイカ・モンローとバディとなっての、娘追跡ロードムービーが展開されるなかでタフに変貌していく。結局は暴力でしか解決できないことがある、というキリスト教的正義をふりかざす欧米社会へのアンチテーゼになっているようだ。
それにしても途中で語られるから理解できるが、邦題はイマイチ腑に落ちない。というか乱暴な気がする。まあ、ボストン・テランの原作小説の原題を直訳した邦題がソレなのだから致し方ないだろう。だが、どれほど原作を読んだ者がいるのだろう。
強くなっていく様
が凄いですね。最初はタトゥーでさえも抵抗感があったのに、最後は狂った相手にも堂々と戦いを挑んでいく二人になりましたからね。これを乗り越えれば、ちょっと歳の差がありそうだけど、そういう関係になりますね。
ミステリーではなく、怖い映画かもしれない
お正月に見るモノが無かったので、本作品を見てきましたが、お正月から大変に重厚な作品でした・・・・
まずは、宣伝にある「ミステリー」と言うキーワードですが、正直、「ミステリー」と言う作風ではありません。
事実に基づいたノンフィクションなのですが、しかし、驚いたのは、この手の犯罪と言うか、心理集団、カルト集団がいると言う現実です・・・
カルト集団的な事でお話に描かれているけど、もはや犯罪組織で、犯罪組織の中でも精神的異常者の集まりと言った方がいいのかな・・・・何とも言い難い・・・・
とにかく、人が、次から次へと殺されていくと言うか・・・・
しかし、作風は重厚であっても、お話は淡々と出来ているので、正直、上映時間を考えると長いかな・・・
もう少し上手い脚本家に話を書いて貰えると、もう少しいい映画になったような気がするけど・・・・
しかし、何とも、お正月に見る映画じゃないね・・・・
ま、脚色はあるものの、大変に怖い世界ですね。普通の犯罪集団や、人をさらって身代金を要求する犯罪などが、正当な人だったり、正当なやり方なんだと勘違いしていまうよな・・・・
しかし、もう少し作りが上手いと良かったかな・・・・
PS
ここ最近のお正月映画の番組作りにがっかりするね。
私の子供の頃は、本当にお正月映画の公開やラインナップにわくわくして、お正月の三が日は、梯子したものだけどね。
映画の制作会社なり、配給会社には、困ったものだね・・・・・
まさにボストン・テランの「神は銃弾」
ボストン・テランの「神は銃弾」。
ゲーム・オブ・スローンのニコライ・コスター=ワルドウが主役。
観るしかない。
このミステリーがすごい第1位、に惹かれて読んだ原作。
あの読後感がありありと蘇ってきた。
スラスラと読める訳じゃない、ミステリーの謎解きがある訳じゃない、ストーリーの展開にハラハラドキドキする訳じゃない、爽快感もない。でもなぜか惹きつけられる魅力がある。
まさにこの映画はボストン・テランの「神は銃弾」だ。
(花火とぶっ飛び方は絵的にはいいけどちょっとやりすぎ)
ジェイミー・ラニスター役以降あまり見かけなかったけど、やはりニコライ・コスター=ワルドウはかっこいいなぁ。リーアム・ニーソンみたいに最ブレイクしないかな。
審判と愚者
宗教色が強い予感はしつつも、タイトルに惹かれて鑑賞。
正直、構成が上手くない。
ケースの誘拐シーンは冒頭に入れても分かりづらいだけで、導入のテンポを悪くしている。
途中で回想という形じゃダメなんですかね。
ジョン・リーとモーリーン、そしてアーサーの関係についても描写があまりに唐突。
そのくせ捜査パートは画面が暗く、ただ暴力が続くだけで平坦。
終盤の殺された老婆と(恐らく)幼少のサイラスのカットは、分かりづらい上に血縁だから何だという。
敵は「カルト教団」とのことだが、教義も理念も感じないし、ただのギャングでは。
取ってつけたように“儀式”の跡とか出してくるけど、そもそも誘拐の目的やターゲットの根拠は何?
腹の傷なんか無かったかのように動き回り、火炎放射もバットでの殴打もものともしないボブ。
ケースの丈夫さも大概で、顔の傷もすぐ消える。
立ち位置のよく分からないフェリーマンが何故か毒蛇の血清まで持ってたり、ツッコミが追いつかない。
最後のサイラスの吹っ飛び方もギャグだし、親子ほどのボブとケースに無駄に恋愛フラグを立たせる。
それに取られて、せっかく救出されたギャビは長いエピローグに登場すらせず。
ボブやケースは何の罪にも問われないの?
雰囲気は悪くないし、リアリティは別としてもショットガンで身体が吹っ飛ぶ描写も迫力がある。
序盤はモロに“事務方”だったボブの、タフなアウトローへの変化も素晴らしい。
いくつか良さげな花は付いているが、それを隠すほどに雑多な葉が生い茂っているような作品だった。
過激ノワールもの!!
めっけもののノワールアクション
鑑賞動機:原作の評判10割
原作はもう20年以上前なのに、今映画になるんだねえ。読んではいなかったはず。
ド直球ノワール一直線みたいな話と勝手に思っていたが、結構込み入った事情がある事件だったのね。ただそれでもやっぱり説明不足に思えるのに、上映時間はかなり長い。もうちょっと上手く整理して欲しかった。
とはいえ、ボブの話と見せつつ、最終的にはケースの話に収束していくのは、彼女が過去を乗り越えていくために必要だったのだろう。
顔面パンチ、ホチキス、下顎あたりはキツかった。
せっかくなので『その犬の歩むところ』映画化希望。
全40件中、1~20件目を表示