「◇制作費4億$の豪華な大サーカス」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング 私の右手は左利きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0◇制作費4億$の豪華な大サーカス

2025年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

 アクロバットという言葉は、ギリシャ語の akros(高い)と bat(歩行)を語源として、初めは綱渡りに対して用いられていたようです。

 人がスリルを求める要因は、高まる鼓動や興奮物質の分泌の中にあるのでしょうか。命の危険と隣り合わせの緊張。このシリーズに引き寄せられるように見入ってしまうのも身体的本能に根ざすもののように感じてしまいます。

 映画におけるアクロバット演技の起源は1920年代のバスター・キートンとされています。トム・クルーズは身体を張ることによって、嘗ての映画が持っていた「興奮を呼び覚ます」役割や人々の娯楽の中心的存在、その復興を目指しているに違いないです。

 途中、暴走するAIが世界を混乱に陥れ、核ミサイルが各国で起動を始めたりする場面は、現代社会批判めいた側面も見せます。しかし、あくまで社会性は娯楽の大義でしかありません。

 今回のアクション1は沈没した潜水艦に入り込む舞台。海底の奥深さ、潜ることの息苦しさ、脱出時には生身になって海上へもがき昇る身体的苦行がありました。

 アクション 2は空が舞台。レトロなプロペラ複葉機のアクロバットです。飛行機から飛行機へと空中で乗り移る場面は、分かっていてもハラハラしてしまいます。

 "ファイナル"レコニング のタイトル通り、シリーズ最終作となるのでしょうか。総集編のように過去作の場面場面が高速で挿入されて感慨深いです。とはいえ、トム・クルーズが全力疾走出来る限り、「やはり続編を作りたい」という気持ちが起こるでしょう。

 スリルを求める本能を世界中の誰よりも強く持っているのがトム・クルーズです。そして、そのスリルを映像体験したい我々の本能が、きっと続編を呼び寄せるでしょう。

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