「愛戦士」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
愛戦士
お約束感が強くなっていたシリーズの最後で、それを退ける撲殺。ポップなアクションには移らず、スパイ映画らしく外交的駆け引きや政治的な緊張感を伝えてくる。今回は政治とも軍とも協調する。こきおろされる対象ではなくリスペクトされる。各所で確認される女性や多様性の存在。非常に丁寧で製作意欲を感じる。
過去作に捧げる逸話やセルフオマージュ。記憶を呼び起こされ、この作品と同時代に共に生きた自身まで映り込むようである。この人だれ?その地味なキャラクターをここで埋め込む。すばらしいプレゼント。語るセリフの美しさ。全ての陰に生きる人への賞賛。
そしてシリーズお得意のアクションへと加速していく。口あんぐりの連続。胎盤のような氷板に浮かびあがる胎児のようなハント。美しい絵作り。飛行機上での格闘戦。やぶれかぶれ。殴ってるけど、それってあなたは大丈夫。公正さを強く説くラスト。映像も美しいが台詞もすばらしい。知らぬ人も愛せよ。長いシリーズを締めるにふさわしい。
ただし、AIが暴走して社会を混乱させるといった論は正直好みではない。現状見ていても、AIは人間の写し鏡でしかない。憂慮するのであれば、増幅される人間自身の醜さの方かと思う。
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