「大作アクション映画としてはいつもどおり、だが」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)
大作アクション映画としてはいつもどおり、だが
「ファイナル」とあるが、本当にファイナルになるのか疑問。
吹き替えで視聴した。特に違和感なく見れたのでオススメ。
シリーズ通して見ているが、アクション映画という性質上記憶に残らないのでYoutubeのまとめ動画などで復習していくのがいいだろう。
・冒頭ビデオテープによるアメリカ大統領からの指令は、最高。
・トム・クルーズのアクションはさすが、CG加工の可能性を疑うほどに肉体が凄まじい。今回もトム走りは健在だ
・CIAの磁気テープを使った古い電子機器や地図を使った指揮所は前作同様とてもいい。前作の「デジタル機器が使えなくなったので、古い電子機器でスパイ活動」という展開が面白かったので、本作に大いに期待していたところだったので、このシーンは良かった。
・空母と離陸する戦闘機、軍服姿は『トップガン』
・”いつもの”馬鹿げた作戦
・「あれ!?第一作のあの人じゃん!!」
・移動、情報待ちの間の場繋ぎ的アクションは展開としてあまり良くない。飽きさせないためのサービスではあるのだが・・・
・沈んだ潜水艦は、もう少しロマンチックな感じに出来なかっただろうか・・・前作のロマンあふれる展開から想像もつかない程に地味、あと入るときに注水してしまってバランス崩してしまうのも、なんだかなぁ、仕方ないと思う反面、馬鹿やっているように見えてしまう。
・ナイフで服を切り始めた瞬間は「そうそう、そうだよな、こうなるよなMIシリーズだと」といった感じ。そこで酸素ボンベをいきなりなくすのではなく、アクシデントでなくして、待望かつ”お約束”の息とめシーン登場。今回は作品シリーズ集大成として北極海の深海からの息とめアクションだ。
・プロペラ機の上でのアクションは、まさにアクション映画していて大変に良い。
・悪役の退場はシリーズらしい、地味な退場
・自動的に消滅する。
・銃より握手。
・知らない誰かのために
アクション大作としてみた場合、傑出した部分もあり十分満足できる作品(5.0)
しかし流石に許容できない欠点で-1.0
以下、本作の微妙なところ--------------
・致命的な点では、別にイーサン・ハント率いるIMFが”エンティティ”をノアの方舟に運び込まなくても、信奉者が運び込んでも良かったのではないだろうか?
ノアの方舟の警備が厳重で誰も入れないから、世界最高のスパイであるイーサン・ハントが忍び込んで”エンティティ”を入れる、という理由なら意味がわかるのだが・・・
本作では電子機器は無力化されているので、そもそも”エンティティ”と関わるのが冒頭のたった一回だけになってしまっていて、そこになんの駆け引きもないのも良くない。
・せっかくアナログなスパイ活動を舞台にできるのに、まったくスパイ活動していない。
昔ながらの職人芸的なスパイ道具を使って相手を欺くとか、色々やりようがあったはずだが、せっかくの設定が全くいかせていない。
・”エンティティ”の停止までの手順が意味がわからない。
一回の視聴では理解できなかった。理解力によるものだろうか
本作の"エンティティ"は、電子機器ならどこにでも潜り込んでサイバー空間を支配するという設定のため、科学考証的にかなり怪しい描写が連発される。
『三体』の”ソフォン”のような超科学の産物をイメージして作られた設定なのか、前作の時点でかなり微妙ではあったこれが、本作では設定の曖昧さや、科学的なありえなさで混乱をもたらすものになっている。
・サイバー空間に”エンティティ”が存在できないように毒を撒く
・”エンティティ”を封じ込めるために大容量メモリに誘い込む
もし、停止させるための方法が、このどちらか、ならまだわかるのだが、劇中では、このどちらもやる必要があり、理解ができないものになっている。
おそらく本作での”エンティティ”の扱いはサイバー空間上にただ一つだけ存在する”ジーニー”で、そのジーニーを捉えるために魔法のランプを用意するのだが、それならそれでジーニーを捕まえれば終わりなので、ミサイル発射命令が出る前に魔法のランプを切り離すだけで”エンティティ”は終了できるはず。
しかし、命がけで取り戻したデバイスで毒(”エンティティ”のソースコードをベースに作った”エンティティ”特効の別なAI的ななにかだと思うが・・・)を撒いているので、サイバー空間の”エンティティ”を止めることもやっている。これは、どういうことなんだ
そもそも、ただのデカいHDDに入り込んだデータに一体何ができるというのか、このAIはCPUのないHDDからコマンドを送信できるのか?そんな魔法のようなことができるくせに、デカいHDDとサーバーの違いもわからないポンコツAIとはなんなのだ、こんなのがラスボスでいいのか?
個人的に科学考証はそこまで厳密ではなくてよいと考えるが、こういう独自の設定上に成り立つSF的存在なら、せめて作中でどういう性質をもった存在で、勝利するためには何をすればよいのかくらいは表現してほしいところだ。かなりモヤッとする。
おそらくはアンチAIだけが先行して設定されていたものに、あとから他のキャラクターが活躍できるように適当に設定を追加した結果、あそこの警備も無くなって、謎の魔法のランプの登場、結果破綻が起きたのではないかと思われるが、これはどうなのか、いつの日か再視聴時に改めて確認してみよう
また、作品そのものとは違う話となるが、せっかくだから遠出してScreenXで視聴したのだが、これが残念、アクションシーンで視野が広がるだけ、それも視聴部分を拡大しているだけじゃないか・・・これでは体験として満足できない。今後ScreenXは使わないだろう。メディテーションか、アイドルのライブ中継で活用するといいのではないかな。
ミッション・インポッシブルであの程度の表現しかできないなら、はっきり言って利用する価値が無いですね、映画好きほどがっかりするはずです。
集客力あるはずなので、もっと力を入れて欲しいです。
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