「上映時間の長さを忘れさせるようなアクション活劇を堪能できる」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
上映時間の長さを忘れさせるようなアクション活劇を堪能できる
軍事システムへのコンピューター・ウィルスの侵入や、沈没した潜水艦の位置の特定などに関しては、突っ込みどころが満載なのだが、前作からの流れで「そういうもの」と割り切ったせいか、壮大なホラ話を存分に楽しむことができた。
これまでのシリーズのダイジェスト版みたいな映像だけでなく、1作目に登場した2人の人物との因縁や、3作目に出てきた「マクガフィン」の正体が明らかになるなど、ファンに対するサービスぶりも嬉しくなる。
今回は、単独で行動するイーサンと、ベンジーが率いるチームとが、別々に活躍する場面が多いのだが、作戦の段取りに関する説明の場面で、空母打撃群の司令官に対するイーサンの説明と、チームメンバーに対するベンジーの説明が同時並行で描かれるところなどは、小気味良いテンポを生み出していて面白い。
こうした同時並行の描写は、アクション・シーンにも活かされていて、潜水艦内でのイーサンの死闘とSOSUS基地でのチームの乱戦にしても、複葉機でのイーサンの活劇と「倉庫」内でのチームの奮闘にしても、畳み掛けるような手に汗握る展開を楽しめる。
その一方で、海底をゴロゴロと転がりながら深淵へと沈み行く潜水艦から、イーサンが「それ」のソース・コードを奪取するシークエンスでは、台詞のないアクションだけのシーンがじっくりと描かれていて、作劇上の「メリハリ」を感じることもできた。
前作では、手癖が悪くて、余り好感が持てなかったヒロインにしても、最後に、その特技を活かした見せ場が用意されていて、「そういうことか」と納得することができた。
今回は、1作目からチームを支えてきたルーサーとの別れも大きなポイントになっているのだが、これについては、意外とあっさりとしていて物足りないし、彼が残したメッセーも、人生訓のような小難しい文言が頭に入って来なかったので、もっとルーサーらしい気さくな内容にできなかったものかと、少し残念に思ってしまった。
一方、ラストでの、ある人物との握手のシーンでは、1作目で、テレビ・シリーズの主人公だったフェルプスを「黒幕」にしたことに大ブーイングが起きたことが思い出されて、思わず胸が熱くなってしまった。
ところで、イーサンたちは、「それ」を抹殺するために苦労していたはずなのに、いつの間にか、「それ」を封印することが目的になっていたのは、どういうことだろう?
もし、これが、次回作に向けた伏線になるのだとしたら、それは、それで、楽しみではあるのだが・・・
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