パフィンの小さな島のレビュー・感想・評価
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温もりと可愛らしさあふれる島のおはなし
2015年から続くアニメシリーズの長編映画版。アイルランドはキルケニーを本拠地に独創的なアニメを創り続けるカートゥーン・サルーンと、北アイルランドのドッグイヤーズが組んでいるだけあって、キャラ造形、絵のタッチや背景、鮮やかな色調、物語のテーマ性にこの国ならではの持ち味を強く感じる。パフィンたちがこの島で様々な動物たちと寄り添い、明るく穏やかに集いあう様はまるで方舟のよう。そんな中、海の向こうから越してきた一羽の鳥が周囲に馴染めず、良かれと思ってやったことが全て裏目に出てしまう。いわゆる「新天地の憂鬱」的な展開ではあるものの、本作が欧州産である背景を考えるに、このストーリーの背後には自然災害、環境問題、移民、難民などの現代世界をめぐる外的要因が仄かに織り込んであるのかもな、とふと思った。ともあれ可愛らしいパフィンや動物たちの奮闘と、美しい島の調和の物語。お子さん方と一緒に親子で触れてみては。
Funny
カートゥーンサルーン作品は「ウルフウォーカー」で初めましてでそのまま過去作を振り返ったりしていましたが、久々の新作はなかなかポップそうで楽しみにしていました。
吹き替えで公開されていたのも雰囲気に合っていてナイス〜と思いました。
全体的に優しい作りになっていましたが、それ故に前作までの厳しい世界で生きるという絵柄とはまた違うハードさが楽しみだっただけに物足りなさが目立ってしまいました。
展開的には行動の一つ二つが連鎖しまくって悪い方向にいくのが辛さに拍車をかけているようには見えるんですが、やはりポップさがそれ以上に強く出てしまったせいかインパクトには欠けたかなと思いました。
子供心ながら最初に抱える罪悪感を描いており、幼稚園から小学校、小学校から中学校に上がった時のようなモヤモヤ感が動物たちで表現されていたのは興味深かったです。
展開的にはそれ一辺倒で大きなどんでん返しはそこまで無かったので、そこを求めすぎてしまったかなとは思いました。
アニメーションはやはり素晴らしく、絵本がそのまま飛び出してきたかのような豊かさがとても良いですし、動物たちの可愛さがこれでもかってくらい表現されていて良きでした。
テイストもガラッと変えたりと今までのカートゥーンサルーンから進化していっていて次回作がより楽しみになりました。
チョーさんのナレーションがこれまた心地よく、動物たち以上にリアクションをとってくれるのもこれまた面白かったです。
ちょっとターゲット層から今作はズレていたかなと思いました。
これが小学校の時の授業とかで流れたらめっちゃ嬉しかったと思います。
大人になっちまったのか…。
TVシリーズの方はとりあえず確認しておこうと思います。
次回作はまたハードな世界観でお待ちしております。
鑑賞日 6/12
鑑賞時間 18:55〜20:20
カワウソかわいい
このスタジオの作品は4作目。
前の3作品は全部字幕版だったけど、今回はキャラクターデザインもあってか吹き替えも子供向けに寄せてる。
アザラシは再登場。
引っ越したばかりで不安なのは分かるけど、せっかく遊びに誘われてるのに断ったり、フェニックス以外と交流しないイザベルにちょっとイラッときた。
その上まったく悪くないマーヴィンに濡れ衣着せようとしたり、どうも好かん。カワウソ贔屓だから余計に。
みんなあっさり許すのもなんだかなって感じ。
『野生の島のロズ』にもあった、みんなで洞窟に移動するところはノアの方舟のような、宗教観のようなものなのかもしれないけれど、神秘的で良かった。
悪くはないけど、個人的には『ブレンダンとケルズの秘密』は超えなかったかな。
かわいいし、癒やされた!
やっと今年はじめのアニメ。海外のアニメだが、ストーリーは見事!重いし、時間も長いし、ハラハラドキドキの後に癒やされる作品が観たいと思ったが、ドンピシャ。アニメでも色々環境問題や人生で大切なことをこのアニメから色々考えさせられた。動物たちが可愛い。海鳥はもちろんのこと。特に、ババは可愛い!
未就学児向けEテレ番組のノリ
カートゥーン・サルーンの新作は、ケルト三部作より寓話性・児童向きの傾向が強まり、日本で言えばEテレの未就学児向け番組のノリ。
観終わったあと調べてみたら、幼い子供たち向けの人気TVシリーズの劇場版でした。
動物たちの住む小島は、アイルランドそのものの喩(たと)えで、多民族多宗教(=いろんな種族の動物)ながらもそれぞれが共存している状態。
「嵐で故郷を失ったエトピリカ」とは、戦争や災害で住む場所を失った難民もしくは移民の子で、親にはぐれて迷い込んできたように見えました。
その子が寂しさや不安で他人に頼れず、文化や宗教の違いで「よかれと思って」やったことが、その地に以前から住む者たちから見れば批判の対象になり、責められる羽目になる、というのは実際に欧州の人間社会で多く見られるトラブルそのもの。
でも、とてもいい子なパフィンの姉弟が手を差し伸べ、襲いくる大災害(他国からの侵略や急激な気候変動による自然災害)の前には、わだかまりを捨てて許し、皆で手を取り合い助け合って生きようよ、と諭(さと)す……
深さよりは浅くてもわかりやすさに特化したつくりで、とても丁寧な作品で好印象でした。
吹替版だとチョーさんの優しいナレーションがやや眠気を誘発する向きはありますが、ほっこり心の温かくなる良作です。
期待し過ぎたな
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