邪悪なるもののレビュー・感想・評価
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人の話を聞かず、大切な事も伝えられない愚者の話
始まりの異様さに目を奪われつつ、“悪魔憑き”の知識を持ち合わせない観客をあちらの世界に引き込み不安感を煽られる。
これはひょっとして、中々の作品か?とハラハラさせられて期待した。
だが、そこまでであった。
主人公ペドロとジミーの兄弟が本当に頼りなさすぎる。
村では村八分、警察には嫌われ、悪魔憑きの出現を信じさせる事も出来ない。
始まって30分はまだ、パニックに対応してないから、後半に兄弟の活躍を期待した。
会話から悪魔憑きの存在が理解されている世界である様子だから、周りもすぐに真剣になるのか?と思いきや、実際は身近な脅威でないのか(頻度が少ないのか?)悪魔憑きの恐ろしさの理解が全く進んでいない。「こんな田舎で、悪魔憑き?」と誰も警戒してない「まさか?」と心配する奴が少ない。過去にとてつもない惨劇が起こって来ただろうから、歌にすら解決のルールが残っているのに…である。
そして極めつけに主人公ペドロは呆れるほどに何も出来ないのだ。他の登場人物と合流しても他人の意見は聞かず、ただだた混乱だけが積み重なっていく。
ラストも想像しているより憐れ。
ただし、それがお気に召すかは観た人次第なので…。
後、ゴア描写はそれなりで冒頭の下半身や村の悪魔憑きの汁気など、作品全体を通して怖いと言うより気持ち悪い。
そしてあまりにも不甲斐ない主人公に対するうっぷんが溜まっていく事にイライラしました。
悪魔に一発くらい何か出来たら…と思ってたのに、最初から最後まであんなアホとは…。
主人公以外は満点
世界観とか悪魔の悪辣さはすげーよかった。
悪魔と言いながらそこまで超常的な力は使わず、ルールに則って絶望を与えてくるのは面白い。
あくまで事態を悪化させるのは人間の恐怖や利己的な行動に起因している。
語られる情報はそこまで多くないけど、それでも絶望的な世界観を上手く表現できてた。
けど主人公の行動がアホ過ぎて腹が立つ。
何が起こってるのか「後で説明する!」と何も説明せずにただただ事態を悪化させるのみ。
特に終盤、明らかに悪魔の罠だし、専門家が警告してるのにも関わらずそこらのガキの言葉に耳を貸してしまって罠にハマる。
主人公はアホな方がストーリーは展開しやすいのはわかるけど、そこを逆手に取って悪魔的な手段で手玉に取れよ。
せっかくの上質な世界観が台無しだよ!!
悪魔のパシリ
半端ないグロテスク
導入の長回しワンカットで行われる銃声に関する会話だけで外ではただならぬ事態が勃発していると伝えてしまう手際の良さ。
一気に物語の中へと入り込んでしまいました。
そして翌朝のグロ・シーン。
半分になった身体からはみ出すスパゲッティ描写が映し出され免疫のない人を全力で篩にかけてきます。
以降、汚らしくも痛々しい特殊メイクが頻繁に画面を汚していきます。
更に子供だろうと容赦ないグロ描写までも盛り込んできます。
米国のホラー映画では二の足を踏むような残酷描写に隣に座っている方は笑い声をあげて喜んでいらっしゃいました。
以前に監督が手がけた「テリファイド」よりも更にグレード・アップしておりました。
また、「テリファイド」の時にあった「物語の狂言回しがシチュエーションによって変わる」という事もないので、キャラに感情移入したい人には鑑賞しやすい中身になっていたと思います。
とはいえ、主役の男たちを含めて登場人物の全てがポンコツすぎて呆れてしまう事が頻繁に起こってしまうかもしれません。
特に女性の扱いが酷かったかな。
喚いたり、怯えたり、物語の弊害として扱われているので、見ていて「痛々しい」感情しかわいてきませんでした。
それでも、そうしたポンコツ野郎たちが気にならないほど「汚く」て「気持ち悪い」展開が観る者を麻痺させてきます。
「米国の手緩いグロは飽き飽きだ」という人や、「グロならばご飯三杯はいける」という人ならばきっと満足できる事と思います。
最近個人的に新作ホラー不発だな〜っと思っていたので、とってもテンシ...
最近個人的に新作ホラー不発だな〜っと思っていたので、とってもテンションが上がった!
こうゆうの観たかった!ちゃんと怖い。ちゃんと不穏!グロい!(終わり方は…まぁ。とゆう感じだったが)
きちんと見た目も怖いし、どばーんと急に出てくる怖さもある。基本的に自分は悪魔怖くないけど、この作品のおもしろいとこは「神」がもういないらしいところで、
基本、悪魔ものは聖vs悪魔の構図だけど、神不在のこの世界はすがるものもなく祈る対象もない。
キリスト教圏でない人間でも、その状態なんか怖いかもと思えてしまう事と。
一応、悪魔憑きに対するルールがあるらしい事。(けっこう雑に主人公たち無視してるし、それぞれのルールが何故ダメなのかも謎)
この2つの要素で悪魔=恐怖心とゆう普遍的な恐怖感になっててよかった気がする。
光が影を生み、その影が恐怖を生むみたいなのも普通に怖い!あと、子供が悪魔と引き合うのも面白かったな。
あとは兄弟の顔が良い(ハンサムとかゆう意味でなく)
生命力ありそうなので、なんかこいつら戦えそう!って思える。特に弟の顔が良い。
兄は、若い時のメル・ギブソンみたいな感じもあってなんかちょっと狂ってるけど一生懸命なのは分かるとこが似てる。
スペイン語なのも良い。
やはりインディーホラーは良いな!と思えて大変楽しかった!
「テリファイド」のグロさを期待すると拍子抜けするかも
見つけたわよ、このクソッタレ
アルゼンチンの田舎にある村にて、悪魔が人に取り憑いてしまい…7つのルールを守らないとどんどん伝染してしまう…といった物語。
序盤から謎の死体が見つかり、警察やら地主やらに相談しに行く兄弟だが、まぁ登場人物皆怒鳴るわ怒鳴るわ…(笑)普通に会話してた部分の方が少ないのではと思うくらいに。
そこからはショッキングなグロ描写が続いたりスリリングだったりするが、せっかくの7つのルールってのもそこまで存在感がないし、何が何やらな展開が続く感じ。
最終ステージにまで来たら流石にアガってきたし、思い出した頃に出てきたアイツとか中々だったけど、全体を通し結局色々とっ散らかっているイメージで、う〜ん…といった印象だった。
安直なビックリホラーでない分、コアなホラーファンとかにはウケるのかもだけど、もう少し分かりやすいほうが個人的には良かったかも。
スタートから分からん
小さな小さな村に何故か悪魔に取り憑かれた男が居るかと思えば「腐敗者が我等の土地を汚した」と根拠無く地主は暴走して腐敗者を路上遺棄して、やがて自身と妻も良く分からん終わり方を迎える。
主人公のアルゼンチン版マリオブラザーズみたいな兄弟も事の起源や解決策を探すのでは無くただ暴走するだけ。
序盤の村から結構離れているはずなのに道中、血まみれでフラフラしていても誰とも会わない不思議な世界。
悪魔なのか、感染ゾンビなのか
一本通るスタイルがないホラー。
●村を出ない方が絶対、気味悪く怖いと思う。
●悪魔感がないし、パニック感もない。どういう恐怖の種類なのか中途半端でノレない。
序盤の雰囲気や、突発的な殺しは見せ方が良かった。
最後は失速
なかなか悪くない。
アルゼンチン・ホラー
観るべきホラー
7つも禁忌があると何にも出来ないね。
これ好き!
ドッカンびびらせるタイプのホラーではなく人間の弱い所を突いて自己崩壊させる邪悪な物が村に広まって行く惨劇。赤いポスターをボッと見ててたけど、なるほどそのシーンか、、、エグっ。
しっかり腐った人間とか食人とか、、さすが朝起きると毎日街に死体が転がっているという南米ならではのエグさはしっかり楽しめます。エグい絵をドカンと見せないけど、それが確かに隣にある感じが怖かった。悪魔とは?腐れとは?とかあんまり深く考えてはいけません。人間ごときにわかる物ならとっくに科学が解決しています。
情けないショーンペンに似た兄さん、弟頑張ってるのに結果自分に負け人間の弱さを露呈してものの哀れ全開。
前作「テリファイド」も機会があれば見たいなぁ。
ザ・傾聴の姿勢
悪魔憑き+パンデミックという、盛りだくさんのホラーでした。
全体的に怖がらせ方はアルゼンチン流で、ハリウッド系ホラーのジャンプスケアや、Jホラーの『お分かりいただけただろうか』とは、全く違いました。
ジャンプスケアの代わりにコンマ五秒で暴力に切り替わるし、お分かりも何も、大抵のことは目の前で起きていた感じです。
特に、マスチフ犬とヴィッキーの場面では、私と隣のおじさんは座席から数ミリ浮いたと思います。
現実と地続きのようで、教会が役目を終えたという設定があり、悪魔憑き=感染症のような扱いです。それほど頻度が高くないのか、警察も『悪魔に憑かれた』という通報から一年ぐらい放置したり、積極的に触れようとしません。
放っておいたら朽ちて終わるんじゃね? みたいな扱いです。
興味深かったのは、主人公の母親が『都市の病気でしょ?』と言っていた辺りでした。
どことなく他人事で、実際本編で起きることのほとんどは、悪魔という存在を抜きにしても動物や人間の行動でそれとなく説明がつく辺りが、巧みでした。
・森の中で起きた猟奇殺人
・斧で刻まれた農場主とその妻
・子供を連れ去りに来る厄介者の元夫
・手懐けていたはずのマスチフ犬に顔を食いちぎられる子供
・元夫から子供を連れ戻したら、元夫の弟に車で轢かれる元夫の嫁
どれも、ニュースで一度は記事になったことがあるような出来事です。悪魔と思うから怖いのであって、現実にみんな共存しています。
加えて、悪魔に憑かれた人間に近づいてはならない、着ていた服に触ったりしてもいけないなど、こういった設定の塩梅は、どことなくコロナ禍の初期を彷彿とさせます。何より、この映画の悪魔には対処法があり、ルールもあります。
とは言え、接触してはいけないと分かっていても声をかけてしまうし、自分だけはルールから逸れたことをやってしまう。親しい相手だったり、自分がど真ん中に放り込まれたりすると、やっちゃいけないことをやってしまうものです。
でも、ペドロ。
あんたはもうちょい 人の 話を 聞け(笑)
どのコミュニティでも「厄介な人」扱いを受けている辺りが、リアルでした。悪気はないけど、突っ走りすぎて周りが酷い目に遭う。私の周りにも、こんな人はたくさんいます。
個人的には、ウリエルと戦うときに、首の後ろに刺せと言われていたダガーナイフ?を探すのではなく、手近な別の部品で頭をタコ殴りにする場面が好きです。
関西弁ではこういうとき「ちゃうて」と突っ込みますが、半年分の在庫を一本の映画で使い切りました。
結局悪魔の子供が誕生してしまい、「サンキュな」みたいな感じで頭に手を置かれたり、結果は散々。フルパワー往復ビンタを食わせたばかりの子供が「斧はあっちよ」って、言うわけないでしょうが。
それに、車で眠るジャイルから出てくる絵は、赤色に塗られた人型が朝日に照らされているという構図で、あれこそまさに悪魔の子供が誕生する瞬間の予言なのに、「ほーん」みたいな感じで眠ったり。もうちょい、周りを見ろと。
設定は凝っていますが、完成するのに五分かかるラーメンなのに、ペドロが三分で食べ始めた感じでした。
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