邪悪なるもののレビュー・感想・評価
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新しい悪魔映画
小さな村で発見された異様な死体。それは“悪魔憑き”の拡大の前触れだった。腐敗した肉体とともに感染のように広がっていく恐怖。教会も祈りも効力を失った世界で、人々は古くから伝わる“7つのルール”を頼りに災厄を避けようとする。しかし恐怖と無知、そして人間の弱さが次々とルールを破らせ、惨劇は止まらない連鎖となって村を呑み込んでいく。
物語の骨格はゾンビ映画を思わせながらも、『28週間後』のようなパンデミック的要素あるスピード感で拡大する恐怖が際立つ。さらに、『オーメン』に登場する“悪魔は嘘をつく”というテーマを組み込み、疑念と不信が人々を追い詰めていく。その結果、感染の恐怖と悪魔的欺瞞が重なり合い、観客はどこにも逃げ場のない絶望に閉じ込められる。
印象的なのは、“7つのルール”を守るか否かで突き付けられる非情な代償だ。選択の結果は常に残酷で容赦がなく、救いの一片も与えられない。その無惨さこそが物語を突き動かし、観客を徹底的に打ちのめす。ここには「普通の等価交換」など存在せず、代償は常に理不尽で非条件的に訪れる。それこそが悪魔らしさであり、本作の恐怖を独自のものにしている。
視覚的には腐敗や惨劇を生々しく描き、倫理的タブーをためらいなく越えていく。そのグロテスクな映像はショックを与えるだけでなく、この世界における絶望をリアルに突きつけるものでもある。救いの欠片もないストーリーは観る者に重さを残すが、だからこそ強烈な余韻と「悪とは何か」という根源的な問いを生々しく終わりなき恐怖の感染を感じるだろう
地の果ての村
「悪魔憑き」が現れた!
しかし、これは私の知ってる「悪魔払い」ではないな〜と興味深かった。
だいたいエクソシストものは教会に認定された神父が聖書や聖水でハラハラドキドキと行うパターンしか知らない。
しかし、この村では教会がない!…だと…
どうする?非常に気になる。
導入からグロい映像の連発でずいっと引き込まれ、続けて起こるショッキングな事件…おぉう…てなる。
悪魔付きとなった男の造形にもビビったが(なんか汁出てる)何より大型犬に噛まれ軽々と連れ去られる子供のシーンは衝撃的だった。だって飼い犬だよ〜さっきまで撫でてたのに。
やたらと犬のシーン多い。真っ二つの死体を嗅いでるのか舐めてるのかわからないけど飼い主に2度追い払われるとか片足の無い犬とか出てきて犬好きとしては辛かった。
地の果てにあるような小さな村でのエクソシストなので、この悪魔付きや悪魔の対処法が正しいのかさっぱり想像できない。
その辺や人間関係も深掘りしないので、想像を膨らませて注意しながら視聴しないと取り残されてしまう。
「殺したらお前の妻のお腹の子供に乗り移ってお前に最初に会いに行くぞ」なんて恐ろしい煽り文句!!
祖母から語られる悪魔付きに対抗する7つのルール。銃で殺してはならない、灯りをつけてはならない、動物に近づいてはならない、悪魔の名前を呼んではいけないなどなどそんなルール知らないぞ。
悪魔の名前なんて調べて呼ばないといけないのがエクソシストの基本なのでは?ウォーレン夫妻も言ってたよ。
子供を連れて首都へ逃げようとするペドロとジミー。
しかし、悪魔の手から逃げられない。
かつて教会を営み詐欺を行い教会を潰し、実際に悪魔払いに出会いそれからは真面目に「悪魔処理」を始めるミルタ。
「払う」ではなく「処理」似ている様で別物だなぁ。
そして、まだ悪魔は産まれておらずそれを「堕胎」させに行く。うーん斬新。
エクソシストとは完全に別ルートと理解理解。
そもそも、十字架もないな。あぁ異次元の村の話ね。
悪魔と子供は引き合うって小学校にやってくるミルタとペドロ。あぁ!入り口に見覚えのある毛布がある!
確実に悪魔の影響をバリバリ受けてる子供達の囁きとミルタの指示に戸惑い焦り、がなり散らかし愚かにもミルタを犠牲にするペドロ。
この時、錯乱していたとはいえ幼い少女にビンタかますのはどうなの?嫌われて最悪な結末を迎えても決して同情されないフラグを立てた瞬間。それ以前にも愚かとしか言えない行動ばかりだったけど。
あの映写機みたいな謎道具を使ってどんな悪魔処理を行うか楽しみだったのに…ペドロめ…
大人なら落ち着いて識者の指示に従いましょうを守れない人間にイライラ。
最終的に血まみれの息子、悪魔となった子と付き従う少年少女たちは朝日に向かって歩き出す。
食い尽くした地の果ての村から都会へと。
そしてもう1人の息子は口から髪の毛を吐く。
それは悪魔付きの証。人間を食べた証。食べられたのはきっと祖母。
絶望と悲しみしかないペドロは空に向かって叫ぶ。いつまでも。
血の刻印の様につけられた額の手形はなんだろう?
次の悪魔処理係になるのかな。
想像は尽きない。
わりかし斜め上のショッキングシーンが多発でこれは良き良き。ストーリーとしてよりネタ的に楽しめたかな。
悪魔系映画としてそこそこ新感覚で新鮮
予告からヤバさ全開で「これは観なければ!!」となり惜しくも劇場では観られなかったがリリースされやっと鑑賞。
多くを語らない、どうやればいいかも分からない、という雰囲気は悪魔祓いという精神力バトルモノになってしまいがちな悪魔系映画に正直マンネリ化を感じてしまっている自分としては新鮮で良かった。ゴア描写もありつつそこまでしつこく見せびらかすような演出では無かったため良いエッセンスとなり良い味をだしている。
他の方のレビューにもあるように主人公が(弟やその他大人もだが)バカすぎて共感できずツッコミどころは多分にある。でも多くを語らないぶん、文字通り「教会が終わった」という世界ではなにが当たり前か分からないし、どれくらい悪魔が身近なのかもよく分からないのでパニックになって…というのもどうにか飲み込めた。
いわゆるバッドエンドなのだが一般人にこんな悪魔軍団が目をつけられたらバッドエンドにもなるわな、ということで変なモヤモヤもなく良い。
多少のゴアに耐性があり、悪魔系映画をいくつか観た方であればいい味変になる佳作でした。
人の話を聞かず、大切な事も伝えられない愚者の話
始まりの異様さに目を奪われつつ、“悪魔憑き”の知識を持ち合わせない観客をあちらの世界に引き込み不安感を煽られる。
これはひょっとして、中々の作品か?とハラハラさせられて期待した。
だが、そこまでであった。
主人公ペドロとジミーの兄弟が本当に頼りなさすぎる。
村では村八分、警察には嫌われ、悪魔憑きの出現を信じさせる事も出来ない。
始まって30分はまだ、パニックに対応してないから、後半に兄弟の活躍を期待した。
会話から悪魔憑きの存在が理解されている世界である様子だから、周りもすぐに真剣になるのか?と思いきや、実際は身近な脅威でないのか(頻度が少ないのか?)悪魔憑きの恐ろしさの理解が全く進んでいない。「こんな田舎で、悪魔憑き?」と誰も警戒してない「まさか?」と心配する奴が少ない。過去にとてつもない惨劇が起こって来ただろうから、歌にすら解決のルールが残っているのに…である。
そして極めつけに主人公ペドロは呆れるほどに何も出来ないのだ。他の登場人物と合流しても他人の意見は聞かず、ただだた混乱だけが積み重なっていく。
ラストも想像しているより憐れ。
ただし、それがお気に召すかは観た人次第なので…。
後、ゴア描写はそれなりで冒頭の下半身や村の悪魔憑きの汁気など、作品全体を通して怖いと言うより気持ち悪い。
そしてあまりにも不甲斐ない主人公に対するうっぷんが溜まっていく事にイライラしました。
悪魔に一発くらい何か出来たら…と思ってたのに、最初から最後まであんなアホとは…。
主人公以外は満点
世界観とか悪魔の悪辣さはすげーよかった。
悪魔と言いながらそこまで超常的な力は使わず、ルールに則って絶望を与えてくるのは面白い。
あくまで事態を悪化させるのは人間の恐怖や利己的な行動に起因している。
語られる情報はそこまで多くないけど、それでも絶望的な世界観を上手く表現できてた。
けど主人公の行動がアホ過ぎて腹が立つ。
何が起こってるのか「後で説明する!」と何も説明せずにただただ事態を悪化させるのみ。
特に終盤、明らかに悪魔の罠だし、専門家が警告してるのにも関わらずそこらのガキの言葉に耳を貸してしまって罠にハマる。
主人公はアホな方がストーリーは展開しやすいのはわかるけど、そこを逆手に取って悪魔的な手段で手玉に取れよ。
せっかくの上質な世界観が台無しだよ!!
悪魔のパシリ
半端ないグロテスク
導入の長回しワンカットで行われる銃声に関する会話だけで外ではただならぬ事態が勃発していると伝えてしまう手際の良さ。
一気に物語の中へと入り込んでしまいました。
そして翌朝のグロ・シーン。
半分になった身体からはみ出すスパゲッティ描写が映し出され免疫のない人を全力で篩にかけてきます。
以降、汚らしくも痛々しい特殊メイクが頻繁に画面を汚していきます。
更に子供だろうと容赦ないグロ描写までも盛り込んできます。
米国のホラー映画では二の足を踏むような残酷描写に隣に座っている方は笑い声をあげて喜んでいらっしゃいました。
以前に監督が手がけた「テリファイド」よりも更にグレード・アップしておりました。
また、「テリファイド」の時にあった「物語の狂言回しがシチュエーションによって変わる」という事もないので、キャラに感情移入したい人には鑑賞しやすい中身になっていたと思います。
とはいえ、主役の男たちを含めて登場人物の全てがポンコツすぎて呆れてしまう事が頻繁に起こってしまうかもしれません。
特に女性の扱いが酷かったかな。
喚いたり、怯えたり、物語の弊害として扱われているので、見ていて「痛々しい」感情しかわいてきませんでした。
それでも、そうしたポンコツ野郎たちが気にならないほど「汚く」て「気持ち悪い」展開が観る者を麻痺させてきます。
「米国の手緩いグロは飽き飽きだ」という人や、「グロならばご飯三杯はいける」という人ならばきっと満足できる事と思います。
最近個人的に新作ホラー不発だな〜っと思っていたので、とってもテンシ...
最近個人的に新作ホラー不発だな〜っと思っていたので、とってもテンションが上がった!
こうゆうの観たかった!ちゃんと怖い。ちゃんと不穏!グロい!(終わり方は…まぁ。とゆう感じだったが)
きちんと見た目も怖いし、どばーんと急に出てくる怖さもある。基本的に自分は悪魔怖くないけど、この作品のおもしろいとこは「神」がもういないらしいところで、
基本、悪魔ものは聖vs悪魔の構図だけど、神不在のこの世界はすがるものもなく祈る対象もない。
キリスト教圏でない人間でも、その状態なんか怖いかもと思えてしまう事と。
一応、悪魔憑きに対するルールがあるらしい事。(けっこう雑に主人公たち無視してるし、それぞれのルールが何故ダメなのかも謎)
この2つの要素で悪魔=恐怖心とゆう普遍的な恐怖感になっててよかった気がする。
光が影を生み、その影が恐怖を生むみたいなのも普通に怖い!あと、子供が悪魔と引き合うのも面白かったな。
あとは兄弟の顔が良い(ハンサムとかゆう意味でなく)
生命力ありそうなので、なんかこいつら戦えそう!って思える。特に弟の顔が良い。
兄は、若い時のメル・ギブソンみたいな感じもあってなんかちょっと狂ってるけど一生懸命なのは分かるとこが似てる。
スペイン語なのも良い。
やはりインディーホラーは良いな!と思えて大変楽しかった!
「テリファイド」のグロさを期待すると拍子抜けするかも
見つけたわよ、このクソッタレ
アルゼンチンの田舎にある村にて、悪魔が人に取り憑いてしまい…7つのルールを守らないとどんどん伝染してしまう…といった物語。
序盤から謎の死体が見つかり、警察やら地主やらに相談しに行く兄弟だが、まぁ登場人物皆怒鳴るわ怒鳴るわ…(笑)普通に会話してた部分の方が少ないのではと思うくらいに。
そこからはショッキングなグロ描写が続いたりスリリングだったりするが、せっかくの7つのルールってのもそこまで存在感がないし、何が何やらな展開が続く感じ。
最終ステージにまで来たら流石にアガってきたし、思い出した頃に出てきたアイツとか中々だったけど、全体を通し結局色々とっ散らかっているイメージで、う〜ん…といった印象だった。
安直なビックリホラーでない分、コアなホラーファンとかにはウケるのかもだけど、もう少し分かりやすいほうが個人的には良かったかも。
スタートから分からん
小さな小さな村に何故か悪魔に取り憑かれた男が居るかと思えば「腐敗者が我等の土地を汚した」と根拠無く地主は暴走して腐敗者を路上遺棄して、やがて自身と妻も良く分からん終わり方を迎える。
主人公のアルゼンチン版マリオブラザーズみたいな兄弟も事の起源や解決策を探すのでは無くただ暴走するだけ。
序盤の村から結構離れているはずなのに道中、血まみれでフラフラしていても誰とも会わない不思議な世界。
悪魔なのか、感染ゾンビなのか
一本通るスタイルがないホラー。
●村を出ない方が絶対、気味悪く怖いと思う。
●悪魔感がないし、パニック感もない。どういう恐怖の種類なのか中途半端でノレない。
序盤の雰囲気や、突発的な殺しは見せ方が良かった。
最後は失速
なかなか悪くない。
アルゼンチン・ホラー
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