邪悪なるもののレビュー・感想・評価
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「テリファイド」のグロさを期待すると拍子抜けするかも
「テリファイド」を手掛けた監督の作品ということで、グロさやスプラッタ要素を期待しましたが、最初の「悪魔憑き」の男の造形は見事だったものの、中盤は家族の絆が軸になるのあり、控えめな印象。
ペドロとジミーの兄弟が解決に向けて奮闘しようとしている意志は伝わってくるのですが、実際に起こす行動が悪い結果にしかならず、ホラーを観ているはずなのに、後半は怖さとか関係なく二人を応援しながら観ていました。
見つけたわよ、このクソッタレ
アルゼンチンの田舎にある村にて、悪魔が人に取り憑いてしまい…7つのルールを守らないとどんどん伝染してしまう…といった物語。
序盤から謎の死体が見つかり、警察やら地主やらに相談しに行く兄弟だが、まぁ登場人物皆怒鳴るわ怒鳴るわ…(笑)普通に会話してた部分の方が少ないのではと思うくらいに。
そこからはショッキングなグロ描写が続いたりスリリングだったりするが、せっかくの7つのルールってのもそこまで存在感がないし、何が何やらな展開が続く感じ。
最終ステージにまで来たら流石にアガってきたし、思い出した頃に出てきたアイツとか中々だったけど、全体を通し結局色々とっ散らかっているイメージで、う〜ん…といった印象だった。
安直なビックリホラーでない分、コアなホラーファンとかにはウケるのかもだけど、もう少し分かりやすいほうが個人的には良かったかも。
スタートから分からん
小さな小さな村に何故か悪魔に取り憑かれた男が居るかと思えば「腐敗者が我等の土地を汚した」と根拠無く地主は暴走して腐敗者を路上遺棄して、やがて自身と妻も良く分からん終わり方を迎える。
主人公のアルゼンチン版マリオブラザーズみたいな兄弟も事の起源や解決策を探すのでは無くただ暴走するだけ。
序盤の村から結構離れているはずなのに道中、血まみれでフラフラしていても誰とも会わない不思議な世界。
悪魔なのか、感染ゾンビなのか
一本通るスタイルがないホラー。
●村を出ない方が絶対、気味悪く怖いと思う。
●悪魔感がないし、パニック感もない。どういう恐怖の種類なのか中途半端でノレない。
序盤の雰囲気や、突発的な殺しは見せ方が良かった。
最後は失速
なかなか悪くない。
アルゼンチン・ホラー
観るべきホラー
7つも禁忌があると何にも出来ないね。
これ好き!
ドッカンびびらせるタイプのホラーではなく人間の弱い所を突いて自己崩壊させる邪悪な物が村に広まって行く惨劇。赤いポスターをボッと見ててたけど、なるほどそのシーンか、、、エグっ。
しっかり腐った人間とか食人とか、、さすが朝起きると毎日街に死体が転がっているという南米ならではのエグさはしっかり楽しめます。かなりエグい絵をドカンと見せないけど、確かに隣にある感じが怖かった。悪魔とは?腐れとは?とかあんまり深く考えてはいけません。人間ごときにわかる物ならとっくに科学が解決しています。
情けないショーンペンに似た兄さん、弟頑張ってるのに結果自分に負け人間の弱さを露呈してものの哀れ全開。
前作「テリファイド」も機会があれば見たいなぁ。
ザ・傾聴の姿勢
悪魔憑き+パンデミックという、盛りだくさんのホラーでした。
全体的に怖がらせ方はアルゼンチン流で、ハリウッド系ホラーのジャンプスケアや、Jホラーの『お分かりいただけただろうか』とは、全く違いました。
ジャンプスケアの代わりにコンマ五秒で暴力に切り替わるし、お分かりも何も、大抵のことは目の前で起きていた感じです。
特に、マスチフ犬とヴィッキーの場面では、私と隣のおじさんは座席から数ミリ浮いたと思います。
現実と地続きのようで、教会が役目を終えたという設定があり、悪魔憑き=感染症のような扱いです。それほど頻度が高くないのか、警察も『悪魔に憑かれた』という通報から一年ぐらい放置したり、積極的に触れようとしません。
放っておいたら朽ちて終わるんじゃね? みたいな扱いです。
興味深かったのは、主人公の母親が『都市の病気でしょ?』と言っていた辺りでした。
どことなく他人事で、実際本編で起きることのほとんどは、悪魔という存在を抜きにしても動物や人間の行動でそれとなく説明がつく辺りが、巧みでした。
・森の中で起きた猟奇殺人
・斧で刻まれた農場主とその妻
・子供を連れ去りに来る厄介者の元夫
・手懐けていたはずのマスチフ犬に顔を食いちぎられる子供
・元夫から子供を連れ戻したら、元夫の弟に車で轢かれる元夫の嫁
どれも、ニュースで一度は記事になったことがあるような出来事です。悪魔と思うから怖いのであって、現実にみんな共存しています。
加えて、悪魔に憑かれた人間に近づいてはならない、着ていた服に触ったりしてもいけないなど、こういった設定の塩梅は、どことなくコロナ禍の初期を彷彿とさせます。何より、この映画の悪魔には対処法があり、ルールもあります。
とは言え、接触してはいけないと分かっていても声をかけてしまうし、自分だけはルールから逸れたことをやってしまう。親しい相手だったり、自分がど真ん中に放り込まれたりすると、やっちゃいけないことをやってしまうものです。
でも、ペドロ。
あんたはもうちょい 人の 話を 聞け(笑)
どのコミュニティでも「厄介な人」扱いを受けている辺りが、リアルでした。悪気はないけど、突っ走りすぎて周りが酷い目に遭う。私の周りにも、こんな人はたくさんいます。
個人的には、ウリエルと戦うときに、首の後ろに刺せと言われていたダガーナイフ?を探すのではなく、手近な別の部品で頭をタコ殴りにする場面が好きです。
関西弁ではこういうとき「ちゃうて」と突っ込みますが、半年分の在庫を一本の映画で使い切りました。
結局悪魔の子供が誕生してしまい、「サンキュな」みたいな感じで頭に手を置かれたり、結果は散々。フルパワー往復ビンタを食わせたばかりの子供が「斧はあっちよ」って、言うわけないでしょうが。
それに、車で眠るジャイルから出てくる絵は、赤色に塗られた人型が朝日に照らされているという構図で、あれこそまさに悪魔の子供が誕生する瞬間の予言なのに、「ほーん」みたいな感じで眠ったり。もうちょい、周りを見ろと。
設定は凝っていますが、完成するのに五分かかるラーメンなのに、ペドロが三分で食べ始めた感じでした。
悪魔って手が付けられない割に変な制約を科してるよね
大変雰囲気があって面白かった!
主要人物が40絡みのおっさん二人なので画面が地味で良い。
悪魔憑き、腐敗、処理人(デビルバスター)、世界の終わりという中二病臭の強い要素と、悪魔の影響で起こる悲惨で衝撃的なシーンの数々が楽しめた。
子供が悲惨な目に遭うシーンには目を背けたくもなるが、その後しれっと戻ってきたりするあたりは一層(悪魔が)憎たらしくて良い。
キリスト教文化圏の外からの目線で他人事として楽しむにはもってこいだ。
アルゼンチンの一地方でおよそ21世紀とは思えない暮らしをしている人が「こんなこの世の果てみたいなところに」という事を言っていたのが心に残った。中心部から外れたところで苦しい暮らしをしているとそんな認識になるよね。洋の東西を問わない感覚なのだ。
一度目の結婚で失敗をしていると思しき兄、恋多いがだいぶ年上好きっぽいのが難儀そうな弟に、と多くは語られないが主要人物の背景もちゃんと見えるようになっている。ちゃんとしている。
終始落ち着きが無い主人公
監督の前作「テリファイド」は落ち着きを保ちながらじっとり来る嫌味なホラーで、そこが魅力だったが、本作はその世界観を踏襲しつつ、ややパニック的描写もある様に思えた。その要因の1つとして、主人公は大いに関係しているだろう。主人公は我が道を進み過ぎて人を巻き込んでしまうタイプの"ヤバイ人"である。劇中でも近隣住民や無能な警官らからも良くは思われていない様だ。突然の様に教会が終わった世界という設定であり、かなりの世紀末感があるが、それありきで生活する人々らは中々不気味である。特にナレーションで解説する事なくいきなり放り込まれる為、ある程度慣れていないと置いてきぼりになるかも知れないが、ウイルスの様に広まっていく"悪魔憑き"は明らかに関わってはいけない存在だし、憑かれない為の7つのルールたるものも存在している。それにもろ関わった主人公らの行動に巻き込まれて死んだ人間が何人いるのか。
それを突っ込み出したらキリが無いが、鑑賞後に訪れる何とも言えぬ気分を味わえばそれも吹き飛ぶだろう。
どうもグロ描写が全面に押し出された様なイメージが付いているが、実際はそこまでの残虐シーンは無い様に思える。これらのシーンについては自分の顔に斧を叩き付けるシーンが恐らくベストだと思う。それ以上は予告編を超えて来る事は無かった。観ているこちらが慣れているという事も考えられるが、グロ目的では観なくて良いだろう。
本作の1番の楽しみ方はやはりその世界観にどっぷり浸る事だ。劇場の大画面で鑑賞するか、スマホ等の小さい画面で観るかによって本作の楽しみ方が変わってきそうだ。
匂わせるのは上手いけど…
無知なるものと、善人だと思い込んでいるものが、悪魔に一番近いのかもしれません
2025.2.6 字幕 アップリンク京都
2023年のアルゼンチン&アメリカ合作の映画(100分、R15+)
ある田舎町の異変を描いた伝染系ホラー映画
監督&脚本はデミアン・ルグナ
原題は『Cuando acecha la maldad』、英題は『When Evil Lurks』で、ともに「悪魔が潜むとき」と言う意味
物語の舞台は、アルゼンチンのヘネラル・ピラン郊外の田舎町
そこに住むペドロ(エセキエル・ロドリゲス)とジミー(デミアン・サロモン)は、ある夜に奇妙な銃声を聞いてしまう
ペドロは猟銃ではなくリボルバー式の拳銃の音だと言い、夜が明けてから探索をすることになった
一帯は地主のルイス(Luis Ziembrowski)が仕切っていて、ペドロも隣人のマリア・エレナ(Isabel Quinteros)も借地人として農場を経営していた
森に入った二人は、そこでマリア・エレナの家へと向かったと思われる一体の惨殺死体を発見する
鋭利な刃物で体を真っ二つに切り裂かれていて、そばにはジミーが見覚えのある何かの部品が散乱していた
ともかくマリア・エレナの家に行けば何かわかると思って向かう
だが、そこには「腐敗者」となった彼女の息子のウリエル(Pablo Galarza&Gonzalo Galarza、声:Berta Muñiz)がいて、彼女らは「処理人」を待っていた
だが、その処理人はたどり着く前に何者かに殺されていて、ペドロがそれを伝えることになった
物語は、ペドロが地主のルイス(Luis Ziembrowski)に相談をして、ウリエルを村の郊外に捨てようと考えるところから動き出す
村から数百キロ離れた場所に向かうものの、通行人と事故りそうになってしまう
何とか目的地に辿り着いたものの、いつの間にかウリエルはどこかに消えていて、通行人を避けようと急ブレーキを踏んだ時に落ちたのではないかと思われた
ペドロは「探すべきだ」と主張するものの、ルイスは「村からかなり離れたから問題ない」と言って、探すこともなく村に戻ることになった
だが、この事態を重くみたペドロは、家族を連れて村を脱出しようと試みる
母サラ(Paula Rubinsztein)を連れて、元妻のサブリナ(Virginia Garófalo)のところに向かうものの、かつての事件で「接近禁止命令」が下っていて、彼女は拒否反応を示す
彼女の今の夫レオ(Federico Liss)もパブロがとち狂ったを考えるものの、パブロは強硬な姿勢を崩さない
彼は自分の息子ジャイル(エミリオ・ボダノヴィッチ)を車に乗せ、レオの息子・サンティーノ(Marcelo Michimaux)と娘のビッキー(Lucrecia Nirón Talazac)も連れて行こうとする
だが、そこでレオの愛犬ロジャーがいきなりビッキーを襲ってどこかに消えてしまい、それを起点として、カオスな世界が訪れてしまうのである
映画では、悪魔に憑かれたものを「腐敗者」と呼び、それと遭遇した時には「7つのルール」というものがあった
サラはサンティーノに対して、「電気をつけてはダメ」「動物に近づいたらダメ」「悪魔憑きに近づいたものを身につけてはダメ」「彼らを傷つけてはダメ」「悪魔の名前を呼んではダメ」という6つのルールを伝える
サンティーノは一つ足りないというものの、サラはそれで全部だと思い込んでいた
そして、最後の一つは、ジミーの知り合いである元処理人のミルタ(シルヴィナ・サバテール)によって、「死を恐れては行けない」というものが判明する流れになっている
最後の一つを含め、そのルールは「処理人のルール」のようなもので、それを知る人々は災厄を避けることができるという感じに思えた
だが、無知なる者は禁忌を犯し、それによって悪魔は「伝染」してしまうのである
この悪魔は、コロナをモチーフにしている印象があって、それゆえに「伝染」という言い方をしているのだと思う
また、教会は滅んだというが、医療崩壊を起こしているようにも聞こえてくる
体が腐るものもいれば、精神を侵されるものもいて、腐敗の場合は進行速度も遅く治癒も難しい
だが、主に子供たちが感染して起こる瞬間的な精神支配の方は、免疫が作られれば元に戻るのかな、と思った
パンフレットなどが作られていないので、どのような意図で作られたのかはわからないのだが、腐敗者の体液を受けてはダメとか、さわってしまったら体を清める、服を燃やすなどの対応が、そのまま強度な感染症への対策のように思えた
いずれにせよ、ほとんどのキャラが喚き散らして理性的な行動を取れないところとか、善人だと思っている主人公が一番ヤバい行動をするなどの面白みがあって良かった
グロ描写はそこそこあるので耐性が必要だが、ウリエルがキモいのと、最後のシーンがちょっと気持ち悪さがあるかなと思った
田舎町で情報が伝聞しかないというところがリアルで、主人公がキリスト教の聖人の名前なのも色々と攻めているなあと思った
悪鬼のウイルス?
あえて今さら悪魔憑きものであることや、予告の雰囲気に惹かれて観たが…
とりあえず、登場人物がことごとく人の話を聞かないし終始喚き散らすしでストレスが溜まった。
また、悪魔憑きに法則性がなさ過ぎて意味不明。
他は凶暴化するのにウリエルは膨れて腐り、娘は即座に治癒したのにサブリナは怪我したまま。
というかサブリナは殺された側なのに何故悪魔に?
ウリエルの膿がアウトならマリアも憑かれるハズでは。
サブリナを轢いたジミーも、ウリエルを殺したペドロも何故か平気。
処理人がどう対応するかも結局不明で、7つのルールも特に活きてこない。
ってか、『傷付けるな』と『銃で撃つな』は同義だし、7つ目の『死を恐れるな』は無理ゲーです。
悪魔憑き自体はそれなりに認知されてるのに、対処法が周知されてないのも謎。
ペドロが警官から嫌悪され、元妻や子供に接近禁止令が出ている経緯も特に明かされない。
最後はミルタの家に母がいないことに疑問を抱かず、結局そのまま自宅に戻ってきてしまう。
悪魔の子(?)が生まれたところで終わってよかったのでは。
散々喚いてたのに、ミルタの断末魔やペドロの最後の叫びはなんであんなに下手なんだろ。
ラストカットで無駄に長回ししたせいで、手持無沙汰なジミーがウロウロしててかわいかった。
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