「ストーリーと歌の質を除けば及第点のアニメ」ドラゴン・ハート 霊界探訪記 えがにょんZさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーと歌の質を除けば及第点のアニメ
幸福の科学の信者が幼馴染に居るので、映画が出ると1度は見に行きます。
なお、あの全席買い占めるだけで見ない(座席ガラガラ)は大嫌いなので、ちゃんとお金は払って見ています。
★5評価(最低が★1)で言うと、
放映時間 :★★☆☆☆ 無駄に長い。2部作でいいレベル。
ストーリー:★☆☆☆☆ 素人が考えたのかと思える程、レベルが低い。
映像 :★★★★☆ かなりキレイ。徳島の風景を楽しめる。
音楽 :★★★★★ 歌を除けばかなりいい。映像にマッチしている。
挿入歌 :★☆☆☆☆ 全部同じ曲展開、同じノリ、同じ雰囲気、
同じような歌詞。
しかも会話に被せてくるので耳障りが非常に悪い。
という感じです。
・主人公の生い立ちや生活、家庭事情などがほとんど描かれないため、
話の展開でどうにでも設定変更追加ができる状態なのがダメすぎる。
・映画のタイトルである「ドラゴンハート」が結局何だったのか分からない。
ドラゴンは単なる乗り物で、存在理由も存在意義も不明。
(信者はドラゴンが出てくればそれだけで感動するらしい)
・危険なときは祈りなさい、必ず助けに行く!みたいな人も出てくるが、
祈らなくてもピンチになると誰か(何か)が必ず助けに来るから、
祈りの設定に深みが感じられない。
・主人公以外の人物の存在価値が薄すぎる。
サブキャラのほとんどに名前が無く、単に出てきてワチャワチャして
消える、のショートストーリーの繰り返しのため、何が言いたかったのか
分からない状態が1時間以上続く。(後半で少し説明が入るが、説明までに
飽きるぐらいの無意味なショートストーリーが連発する)
・水先案内人が居ないので、何が起きていて何であるかが終盤までさっぱり
分からない。(信者には分かるらしい)
・伏線回収がほとんどない。 (信者は知識があるので無くても良いらしい)
・挿入歌がストーリー紹介なうえ、どの歌も同じフレーズや言い回しを
繰り返すうえ、展開(特にサビ)が全曲ほぼ同じで昭和の歌謡曲
みたいなものが多くて雰囲気をぶち壊す。
(信者はあの曲調で泣けるらしい)
・主人公たちが重要そうな会話をしているところに歌を被せるとか
編集のセンスが最悪に等しい。
・無駄に長い。展開に抑揚がないため、そろそろ終わりかなと思ったら
まだ続くのか!というタイミングが4回ほどあった。
・終盤の展開が手抜き。一度行ったら当分戻ってこれない、今まで修行に
行った者は多いが帰ってきた者がいない場所に行くのに、
ドラゴンに乗っていれば自動で到着するとか、1~2つの修行をしたら
帰ってこれるとか、設定が甘すぎて白けてしまう。
・終盤になって、畳み込むように幸福の科学の設定が詰め込まれている。
知識がない人には、何が起きているのかまったく分からないまま
エンドロールを迎える感じ。
以上です!
映像はキレイ。音楽も美しい。
ただ、それだけの映画ですね。何の学びもない。
※6/5追記
コメントで「クドイお説教的進行は今も変わらず」を書かれた方がいらっしゃいましたが、今回は終盤の畳み込み以外は「宗教観の押し付け」はほとんど無かったと言えます。終盤の畳み込み時も、「こう考えるべき」などの押し付けはありませんでした。「自然と宗教観に目覚めて一瞬で幸福の科学の信仰を理解する」というご都合展開ではありましたが、そういう世界観と考えれば不思議ではありませんし。(そもそもがファンタジーですし)
小生も少し前まで信者さんの近くに居たのでこちらの映画は定期的に観てました。本作は未見ですが、レビューを拝見すると以前私が感じたのと同じようなご指摘が多々あり‥。つまり絵は進歩しつつも、内輪ウケの物語ポイントや些かクドイお説教的進行は今も変わらずということですね。

