「アーマチュアー」ストップモーション なつさんの映画レビュー(感想・評価)
アーマチュアー
ストップモーションアニメ界で名のある母親を持ち、常に羨まれていたエラ。母親は手が動かなくなりエラは母親の指示通りに撮影をする日々を過ごす。
「母は脳で私は手」
「エラは映画を撮らないの?」「何も浮かばないのよ」
まさに、そういう事。彼女は操り人形。
そんな中、母親が脳卒中で倒れてしまう。
母の遺作を作ろうとしても「脳」がないのでエラは作れない。
スタジオにしていたアパートで不気味な少女と出会い、その作品はつまんないとあっさり否定され彼女のアイデアに魅入られる。エラは新しい「脳」を手に入れたのだ。
そして母親の作品はを捨て、「自分」の作品を作り始める。
死化粧用の蝋で女の子をつくり、生肉で成長した姿を作り、キツネの死骸で灰男を作る。
全ては少女のアイデア。
その先に何が起こるのかを執拗に少女に問い、少女はもったい振りながら先を指示する。
そもそも肉で人形作れの段階で頭おかしいし、ストーリーも単純。この辺から少女の姿をしたナニモノかに操られてきている。おいおい、生肉ヤベェぞって私でもわかる。彼氏もドン引くわ〜
完全に洗脳されてしまったエラは恋人の心配も他所にますます奇行に走る。
自分は少女に操られている事を自覚し、物語の2日目の夜を自分で作り少女と対決し始める。
セットの下から大きな灰人形が出てきてエラを襲う。彼女は小さな人形となり逃げる。それは誰も出会いたくない灰人形。
喉に青い玉を飲まされる。呪霊かよ。
もう作品から、少女から逃げられない。
1人でアパートに帰り作品よりも先に少女を手にかけるも、少女は復活。やっぱりとした顔で笑うエラは知っているのだ。全身全霊をかけてこの作品を完成させないといけないと。
ためらいも無く自分の傷跡に指を入れる。そこに彼氏とその姉がやってきた。早速キルし2人を新たな人形として作り上げる。
彼女は死んだ人形に命を吹き込む。
しかし、灰男は少女の思惑と違いエラを襲う。
ゆっくりと蝋の自分の顔を食べさせる。
それはエラの作った物語。
少女の感想は「最高ね」
使われなくなった操り人形は箱に仕舞われる。
エラはゆっくりと箱に入る。
この不気味な少女に人生を操られるという作品を作り出し役目は終わったのだ。
満足そうな表情。
あの箱の中の装飾が集合体恐怖症の私には何よりもキツイシーンだった…
母親やエラが作ってたアニメ作品ってホラー設定でいいんだよね?そうでないと人形がキモ過ぎてしんどい不気味だよ〜
ステーキと生肉の出現率No.1老女は朝からステーキを食す模様。反してシリアルを食べるエラ。
偉大な芸術家として不気味な少女に認められたエラ。
バッドエンドなのに良かったねって思える。
雰囲気もセットも狂気に走るエラの加速も全てが不気味で素敵。