ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディションのレビュー・感想・評価
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期待度◎観賞後の満足度⭐ かくて中つ国は平和になった。でもメデタシメデタシではない。いつ災いが再び起こるか分からない。その時必要なのは先ず勇気そして友情、強さと優しさ、団結。これはそういう物語。
果てしない物語
「エルフの隣で討ち死にとは...」
「友達の隣でなら?」
「いいね、それならいい」
エルム峡谷の戦いではローハン軍が辛くも勝利。アラゴルン、レゴラス、ギムリ、白のガンダルフはローハン王セオデンと共にゴンドールを目指す。
メリーとピピンは森の民エントの力を借りて魔法使いサルマンの拠点アイゼンガルドを攻略、アラゴルン一行と合流する。
モルドールに入ったフロドとサムだが、道案内のゴラムに裏切られ窮地に陥る。
その頃冥王サウロンはゴンドールの王都ミナス・ティリス目がけて全軍を結集しつつあった。
一つの指輪を巡る大冒険の完結編。
スペシャル・エクステンデッドで上映時間4時間半、三部作合わせると約半日コースとなり、その間座席に揺られ続けるとなるとさすがに疲れた。製作側もかなりギリギリだったようで、"滅びの山"火口を目指すフロドとサムのくだりはやや飛び飛び感が否めなかったが、上映時間的にはこれが目一杯だったと思う。これ以上やると却ってグダる。
アカデミー賞最多タイ11部門受賞にふさわしく、ミナス・ティリスの戦い、そしてモルドール"黒門"の戦いはヘルム峡谷の戦いを更に上回ってきた。というかモルドールの援軍の象さんがとても強い。
情けないのがゴンドール執政デレスソール(ボロミア、ファラミア兄弟の父)で、コイツだけが終始無能ムーブメントをかましていた。この点、将器を確固たるものとしつつあるアラゴルンとは対照的である。
原作者J.R.R.トールキンが追補編を出版するほどに設定を作り込んでいるのが「指輪物語」の魅力なのだが、本作で個人的に推したい点は「ジジイになればなるほど皆武闘派になる」ことである。前作では途中までボケ老人だったセオデン王は本作ではほぼ馬上で剣を振り回しているし、魔法使いガンダルフは杖とチャンバラの二刀流で結局物理でモルドール軍と戦っている。こういう点が非常に活力を生み出しているように思えた。加えてセオデン王の姪エオウィンがまさかの大活躍。なるほど、だから彼女が必要だったのか!
上映時間4時間半の本作だが、エンドロールでは劇場内の誰一人として立たずに最後まで見守っていたのが印象的だった。愛されているんだな。
中つ国第三紀という混沌の時代に"小さな人"ホビットとその仲間たちが成し遂げた大冒険。その陰の中心人物であるフロド・バギンズがどのような後半生を送ったのかはハッキリしない。だが物語の締めくくりはできればこうであってほしい。"その後フロド・バギンズはこの世を去るまで幸せに暮らした。"
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