「一人の不幸な女性を覗き見る」奇麗な、悪 まきさんの映画レビュー(感想・評価)
一人の不幸な女性を覗き見る
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他の作品に例えるのはアレですが、ジョーカーや、ドラマのMIUで、菅田将暉さんが演じた久住を思わず思い出しました。たぶんこの人改心することとかないんだろうなー、という、完全悪。
紐解かれることを嫌い、捕まったとしても情状酌量を求めないだろうに、ベラベラベラベラ自分のことをしゃべり続けるのは、まだだいけるというガッツなのか、相手をおちょくってるのか…
たぶんこの考察さえも、この女性からしたら余計なお世話なんでしょうね。
原作未読、heeも未履修の自分からすると、彼女の名前や生年月日、その洋館はなんて場所なのか、「先生」とは誰なのか、曖昧なまま話は進むけども。
観ていくうちに、「やってみたくてもできない」ような、踏み越えてはいけない一線を、彼女は悠々と踏み越え、その先の不幸も一身に背負ってくれてるのに気付き、たまに爽快な気分&彼女が哀れに思える瞬間がありました。
娘と天秤にかけて、どうなるかわかっているのに颯爽とアウトな方を選んて快楽に真っ逆さまなんて、なんかもう、違う生物見てるみたいでした。
この女性はこのあと、もっと狂うのか、改心するのか、警察に捕まりでもするのか、いくつかのパターンを想像するけど、どれも無視して、彼女は自分の正解の道を行く(階段のシーンは絞首台に登るように見えた)
何も変わらない。彼女の娘も救われないし、Tの性癖もきっとかわらないまま。
そうか、こんな女性もいるのか、と、心のなかで新しいフォルダを作って保存することにする。
文を書いてるうちに、「彼女の理解者はどこにもいない」のメタファーとして、一人芝居なのかとも思えてきました。だとしたらまるごとすげぇ…!
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