幸せの列車に乗せられた少年のレビュー・感想・評価
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ヴァイオリンが引き金になったのか
イタリアが、日独伊同盟を組んでいたのはもちろん歴史の教科書で学びましたが、1943年に連合国に降伏した後、ドイツに宣戦布告していたことは知らなかったし、この映画で描かれている「子供列車」についても、恥ずかしながら、聞いたことはありませんでした。
イタリアの南部と北部でこんなに貧富の差があったことは驚きでした。わたしのイメージは、北部が工業地帯で南部が農業地帯なんですけどね。
いかにもカトリックの国らしく、北部イタリアの人々の温かさが伝わってきて、ヴァイオリンの演奏も効果的で、いかにもイタリア映画という感じでした。
家出してモデーナに行こうと乗った車内で、お母さんはと聞かれて、「死んだ」と答えたのはアメリーゴの覚悟の表れと感じました。その覚悟を決める引き金になったのは、ヴァイオリンを質入れされたことであり、だからこそ、母親は、質屋から買い戻したのだと思いました。
気持ちが休まる場所がほしい
日本語吹替版があったらなぁ
ずっと前に原作を読んだことがあり、映像化したのを知って視聴しました。
親から離されて疎開させられる子ども、疎開してきた子どもを受け入れる家族、そして大事な子どもを送り出す親、それぞれの心境がリアルで史実でも実際似たような形、また知られていないこと含めてたくさんの問題や悲しみがあったんだろうなぁと考えてしまう。
物語としては子どもの成長物語だけれど、周りの大人たちの変化や女性目線の戦争と政治、そんな中での生活なども描かれていました。
特に主人公のお母さんの立場に心動かされました。悔しかっただろうなぁ……。涙じんわり。
イタリア語の日本語字幕だと感情のニュアンスが分かりづらいこともあり日本語吹替版があったらよかったなぁ。
貧乏は嫌だ…
幸せの列車と言うのが実際にあったことは知らなかった。唯一の息子を送り出した母親の苦渋の決断を思うと苦しい。けれど、貧困では何も与えられない。これで良かったんだ。ベッドの下に質屋から戻したバイオリンが未だにあったのはぐっとくるものがあった。一度も母親を訪ねなかったのだろうか。恐らくそうであろうが、そうであったのなら、尚更悲しい。
プロダクションデザインは良い
第二次世界大戦下のイタリアを舞台に、
荒廃した南部都市と緑豊かな北部の対比、
登場人物たちの衣装や楽器に至るまでの細やかなプロダクションデザインは、素晴らしい。
しかし、この素晴らしい映像美とは裏腹に、
その演出には大きなギャップを感た。
シナリオ的には劇的なシークエンスが序盤から繰り返し登場するものの、
その演出が観る者の心に響いてこない。
母親との別れ、
バイオリンをプレゼントされた時の気持ち、
そして北部での少年の葛藤、
友だちとの再会など、
シナリオには感情を揺さぶる要素が満載されている。
しかし、これらの場面が単になぞられているだけで、
観客の心に刻み込まれるような感情的な共鳴が生まれていない。
例えば、母親からの手紙のシーンは、
少年の心の変化を描き出す重要な場面、
その心情が十分に表現されていない。
また、デルナたちの怒りや、
南部の故郷への郷愁なども、
もう少し丁寧に撮ってほしかった。
ケネス・ブラナーの「ベルファスト」でも指摘した。
感情を繋げる【間】の状況作りとカット割りの不足、
シナリオに書かれていることを単に映像化しているだけで、
登場人物たちの心の動きを観客に伝えるための工夫が足りない。
特に、トンマジーノやマリウッチャとの再会の場面は、
まるで毎日会っていたかのような唐突な展開だった。
ただし、
ラストシーンは、登場人物たちの気持ちがしっかりと伝わってきた。
そして、EDロールで映し出される当時の子供たちだろう、
屈託のない笑顔が、
陰影で縁取りされて、
観客の心を温かく包み込んでくれる
戦後間もないイタリア
第二次世界大戦後のイタリアは貧しく、特に南部が大変で、子どもを養えないので北部に預ける親が多かったらしい。
ナポリに住む主人公は一人息子だったが、母親は北部に預けることにする。
北部では独身の女性が預かり、ぎこちないが優しく育ててくれる。
麦の収穫が終わり、いよいよ帰ることになるが・・・。
イタリア映画はどういうわけか、しっくり来る。
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