満ち足りた家族のレビュー・感想・評価
全74件中、61~74件目を表示
映画を観た人だけが知る家族の秘密
利益優先の弁護士である兄と医者の弟。互いの子供たちが起こした事件をきっかけに、家族が崩壊していく様子を描く。
ジェワン(兄)とジェギュ(弟)の心情の変化が興味深く、社会的立場や道理、保身など様々な要素を絡めて守りたいものは本当は何なのか、を最後まで闇に包んだような作品。The韓国!ともいえる得意分野ですよね。
ジェワンの後妻であるジスはわりと冷静に見えたけど、もしヘウンが実の子だったら違った反応だったかもしれません。
全体通して気持ちの良い話ではないです…ところどころにパンチのある不愉快さが入っていて観ているこちらとしては感情を踊らされ飽きませんでした。
とても面白かったです。
無理が通れば道理がひっこむ
またすごいものを作ったなあ!!
韓国映画ってほんまにクオリティ高いなあ。感心してしまう。何がすごいって人間の醜悪な部分とか心の機微をとてもうまく描いている作品が多いと思う。確かにあるある!というのが韓国映画の魅力。
本作はとある家族たちが子どもの起こした出来事により崩壊していく様子をそれぞれの視点から描いている。
私たち観客は、家族の生々しいやりとりを観ながら行末を見守る。その人の立場によって誰目線でみるかわかれるかもしれない。
以下ネタバレ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
弟夫婦のほう。ジェギュは最初、親として自首させることこそが最善の道と言っていたが、息子が自分の言葉で改心してくれた!これでやり直せるって信じたかったんやよね。きっと。親として子どもを正しい方向に導くことができたという確信があの音声によって揺らいでしまったんやろうなあ。自分の言葉が全く響いていなかったというショックがあのラストの暴走につながったのかな。
妻は事件以降周りは全く見えておらずとにかくなんとか子どもを法律で裁かせずに守ることで必死。
一方の兄夫婦は最初は自分の不利益を考えた結果、最初は現状維持を貫いていたが自分が担当している案件の加害者と接し正しいことではないのではと自らの行動に疑念を持つ。妻は一番客観的。我々観客もこの妻の目線で物語を追っていく人が多いのかな?一番最初に本性を見抜いてたんやね。ちょっと距離が遠い人のほうが案外気がつくものなのかもしれない。
娘が全く反省していないのはわかりやすいけれど息子のほうは…親と子どもは別人格というが…。
ラストはああ…嫌な予感と思ったが当たってしまった。あの子どもたちはどうなるんやろうか。警察も事件の経緯を調べるやろうし、兄妻が証言するだろう。どちらにしても子どもたちも法で裁かれる運命なんやろうなあ。
救いがない。
脚本賞。
救いようのない恐ろしさ
恐ろしく救いがない。ネタバレしたくないのでぜひ劇場でどうぞ、と言いたいところではありますが、かなり後味が悪いことは否めません。韓国ならではというか、こういう映画は一般受けしないとは思うのですが、完成度の高さは著しく称賛したくなる作品。
一つ一つがセリフではなく人物が取る、選ぶ行動にその意味が広げられて、考えさせられていく。上手く出来ている構造であり、あまりに視聴者目線で考えられた映像枠にすごいとしか言いようがなくなりました。
たとえばジェギュ(チャンドンゴン)の後半の食事のシーンなどは…彼がいま何を思ったか?が、何も台詞がないのに手に取るようにわかってしまう。それがもう…この映画の残酷さを物語っていて悲しくなりますね。私はちょっと体調が悪い時に見ましたけどできれば良いときにおススメします(笑)
それとこの映画を観て「自分なら?」自分が親ならば、まずどう考えるか?(どう動くかは別として)を改めて考えさせられます。
罪悪感より勝るものって…
いやー、最後の最後は想像ついたが、あー、ダメダメと思うや否やバーンときて思わず飛び上がった。私の想像が完結するより速かった!
内容的にはありがちだが、さすが韓国映画、観せ方掴み方がうまい。引き込まれた…。人の心の変動は興味深い。
ヒューマンサスペンス
始まりはショッキングなのですが、その後は会話と心理戦みたいな。起伏があるかないかで言えば無い方なので、多少眠くもなりますが、ラストあたりからどどっとき始めたと思ったらドン、お!ここか!エントランスから出てきたところで予感はしたが…
運びは割と想定内ではあったものの、面白かったです。
弟が内野聖陽に見えて仕方がなかった。ブラックぺアン?
予告の期待よりは下でした。
兄弟の善悪が逆転にスリラーがありました。
人の善の裏には悪も持ち合わせてるというテーマなのか?
でも兄は仕事でドライだっただけで、最初から悪い人ではなかったし、1番人間味あった。我が子が人の死に面してあっけらかんとしていた事に強い恐怖を感じたに違いない。
最後のひき殺し、あーそういう意味かーって。そこに引用かーって、上手かった。
それなりに面白くはあったんだけど、今週の本命の割にはね、、、ちょっと期待外れでした。
前に鑑賞した『勇敢な市民』が想像以上に面白過ぎた。
「Normal」って何だろう
守るべき、子の『 』
『 』に何を置くのか、それが問題だ。
先行上映で鑑賞。年の瀬にこんな名作に出会えたことに感謝したい。ジノ監督も俳優たちも素晴らしい!
***
強かれ弱かれ、我が子が何らかの罪を犯したとするならば、何かの間違いであってほしいと願う気持ちは親なら誰しもが思うこと。
本作に登場する二家族の親たちも同様。そして何らかの形で、我が子の悪事がその本質であったと知ったとき、良心の呵責に苛まれるのは子ではなく親たちであり、その苦しみを重厚に四者四様にすれ違う姿を描いた濃厚なサスペンスドラマだった。
時間軸ごとに良心の呵責の起点が異なる家族たちの判断。それが最後まで交わらないことで、物語は考えうる最も悲劇的な結末に向かっていった。
***
ストーリーは映画的といえばとても映画的であるから、ああ面白かったと済ませたい気もするのだが、なぜか見た者の心にじわりと残滓がこびり付く。この気持ち悪さは、グロテスクなそれではなく単なる不快感というわけでもない。「普通の家族」というテーマがゆえか?
子への本当の愛とは?信じる、とは?
鑑賞する心の「普通の」感覚を逆撫でしつつ、ラストで切り裂く。バラバラに散らざるを得ない私の気持ちも劇中同様、冷たい雨に打たれるが、幾つかのかけらは仄かに体温を帯びていた。
悪徳弁護士の翻意
欧米で、すでに3回映画化されたベストセラー小説を韓国ならではの人物設定と翻案によって、より深く、重厚に描いた本作。
チャン・ドンゴンは『スーツ』で弁護士のイメージがあるが、今回は医師で、弁護士役はソル・ギョング。二人は兄弟の関係。そしてドラマに不穏な色を為すキム・ヒエがドンゴンの妻役。
兄(ギョング)の娘と弟(ドンゴン)の息子、この高校生二人が世間の注目を集めたホームレス殺害に関わってしまったことで、兄弟それぞれが親として我が子を自首させるか否かの究極の選択を迫られ、その葛藤を描くドラマ。
当初は、隠蔽対応がお得意の悪徳弁護士の兄が“黙って逃げ切る”選択をし、医師の弟は正義感から息子を警察に突き出すと言い張る。しかし、徐々に、その様相が変化してゆく。罪の意識が希薄な娘の姿に動揺するギョング(兄)。幾多の“疚しさ”を抱え込んできた弁護士がやっぱり娘を自首させようと翻意した過程を、丁寧に描いていたのが印象的。それは短い尺の中でも充分納得できるものだった。
一方、警察に突き出すと息巻いたドンゴン(弟)だったが、息子かわいさから、踏ん切りがつかず、今から改心すればいいと赦してしまい、ここで兄弟の立ち位置は逆転する。
“あなたならどうする?”を突きつけるこの後の展開は…………
モラルを問うなど、凡そ韓国ドラマらしくないが、このガキ共の憎たらしさはやっぱり韓国。
財閥のどら息子の罪を金でもみ消す弁護士の兄と相容れない正義感医師の弟、それぞれの美人妻、4人の豪華な食事シーンの冒頭では、よくありがちな韓国ドラマじゃないかと思わせておいて、ラストで彼等の人生すべてが一瞬にして破壊されてしまうという顛末は息を呑む。テンポよくスマートな脚本に好感度は高い。
今後も楽しみな監督である。
ソルギョング×チャンドンゴンの華麗なる兄弟ドラマ
ソルギョングとチャンドンゴンが
兄弟役という、
なんとも贅沢なキャスティング!
弁護士の兄と、医者の弟は、
それぞれ妻を伴って、
四人で定期的に食事会をしているのだけれど、
ある食事会の日、家にいるはずの
兄の娘と、弟の息子は、一緒に出かけていて…。
それぞれ両親の知らない、
秘密を共有することになります。
どんなことがあったとしても、
親は我が子を、
我が子の将来を守るべきなのか。
そんな疑問を突きつけられる物語!
子どもたちの秘密を知った親たちは、
その秘密を隠そうとしたり、
明かそうとしたりと、困惑します。
何が最善の道なのか、
それは誰にもわからないでしょう。
激しくぶつかる感情に、
切迫したスピード感も加えられ、
見ごたえある物語でした。
全74件中、61~74件目を表示