満ち足りた家族のレビュー・感想・評価
全107件中、41~60件目を表示
限られた空間の狂気
典型的な韓国映画です
久しぶりのチャン・ドンゴン。相変わらず、カッコ良い。
この兄弟、面白いくらいに意見が合わない。仕事面でも、対立。よく出来たストーリーだと思った。どんどん見入っちゃった。冒頭の事件のシーンは、ドキドキした。
子供たちの二面性、怖いわ。でも、最近の子は、こういう子が多いのかもね。昔は、見るからにヤンキーみたいな、目で見て分かる悪い子ばかりだったのに、見た目では分からない子が多い。関わりたくないと思っちゃう。
それにしても…ラスト、まさか、こんな形で終わるなんて…。まあ!いかにも韓国映画って感じだよね。でも、面白かった。
ラストに近づけば近づくほど胸糞展開になって面白かったですね 血縁だ...
じんわりどっぷりな…
退屈はしないが物足りない映画
「八月のクリスマス」「危険な関係」などで知られる韓国の名匠ホ・ジノ...
「八月のクリスマス」「危険な関係」などで知られる韓国の名匠ホ・ジノ監督が、1つの事件をきっかけに、ある兄弟とその家族が崩壊していく様を描いたサスペンス。
弁護士の兄ジェワンと小児科医の弟ジェギュ。ジュワンは道徳よりも物質的な利益を優先し、年下の2人目の妻ジス、10代の娘らと豪華なマンションに暮らしている。一方、常に道徳的で良心的が信条の弟のジェギュは年長の妻ユンギョンと10代の息子と暮らし、痴呆気味になった母の介護にも献身的だ。兄弟でありながら正反対な信念を持つ2人は、それぞれの妻とともに4人で月に一回高級レストランの個室でディナーをともにしている。あるディナーの夜、事件が発生した。この事件により、4人は家族に関するある秘密に直面することとなる。
兄ジェワンを「オアシス」のソル・ギョング、弟ジェギュを約5年ぶりの映画出演となるチャン・ドンゴンがそれぞれ演じ、ドラマ「夫婦の世界」のキム・ヒエ、「アベンジャーズ エイジオブウルトロン」のクローディア・キムらが顔をそろえる。
満ち足りた家族
2024/韓国
配給:日活、KDDI
今回は珍しくネタバレ無しね?韓国本国ではタイトルが 普通の家族 日本版タイトルは 満ち足りた家族。
このタイトルさ?皮肉が効きすぎて怖ぇーよ?日本語タイトルをつけた人、センスあるけど、性格悪い人だと思います。
満ち足りた家族というタイトルってさー、ソル・ギョングとチャン・ドンゴンがおめかしして、食事しているポスターを見て、普通の家族の映画と思うじゃん?
ところが、ぎっちょん。そうは問屋が卸さない。
↑ 死語の嵐
映画冒頭、街中でカーチェイスが始まる。後ろを煽られていた入れ墨入れて、何故かトランクに金属バットを常備していた男が、後ろに止まった高級スポーツカーをバットでフルボッコにする。
すると、後ろのスポーツカーが急バックをする。そのまま、いなくなると思っていたら、何と、そのまま爆走して、金属バットの男を跳ね殺すのだ。
金属バットの男は、実はプロ野球選手だったという事が分かる。刺青も一人娘が生まれた記念に、娘の足型の刺青だったのだ。
この刺青は金属バットの奥さんも胸に入れている。金属バットの男は車に撥ねられて即死してしまう。助手席にいた女の子が車に挟まれて身動きがとれない。
女の子が病院に搬送されるも、瀕死の重傷でいつ死ぬかも分からない。この女の子の主治医がチャン・ドンゴン。
日本の誰かさんとは違い、ちゃんと医者に見える。これが、邦画だったら、何を演じても「 ピー 」の役者になってしまうからな?
チャン・ドンゴンは潰瘍の妻と共に、認知症の母親を自宅で介護している。また、絵に描いたような、認知症の症状で気の毒としかいいようがない。
子どもは成績が悪くて大学に合格する事が出来ないプレッシャーに押しつぶされいる。
ソル・ギョングは、悪徳弁護士で、前述のひき逃げ犯に雇われている。どんな悪党でも、金持ちなら弁護するので、港が見えるタワマン暮らし。
ヨガとか、ピラティスとか、自分磨きにしか興味が無い、若いだけが取り柄の若い女と再婚をして、故人となった前の嫁との間に待望の赤ちゃんが生まれている。娘は前の奥さんとの子で成績は優秀。
ソル・ギョングの長女は成績優秀なので、チャン・ドンゴンの息子の家庭教師をしているが、未成年のくせに、タバコを吸ったり、留学生の彼氏とパーリーでテキーラブンブンしたりして、どんどん悪の道に息子を陥れていく。
何や、かんやあって、ソル・ギョングは野球選手を跳ね殺した金持ちの弁護をして、チャン・ドンゴンはその殺された野球選手の瀕死の女の子の主治医だということが分かる。
さぁ、それからだ。
この映画は何の予備知識も無く見て欲しいので、解説はここで終わる!教えませーん!
普通の映画だったら、この野球選手を跳ねた男に焦点を当ててストーリーは進行していくのだが、この跳ねた男は添え物で、本丸の悪い奴等の正体が分かった瞬間の見守りカメラの映像のおぞましい事といったら、もう!
脚本家はよく、こんなにおぞましい役を思いつくもんだ!
まぁ、大抵、悪い奴が改心して終わりとかさ?大抵、予想がつくラストになるわけじゃん?
いやー、言うのは勿体無い!ミステリーのあらすじを説明するなんて野暮の極みだ。
ぼやかして言うが、「 サイコパス」 って、どんなに恵まれた環境でも、出来ちゃうんだよなー?
子どものうちに格闘技を習わせるって大事だと思う。殴られたら、どれだけ痛いのかが分かって、人に暴力を振るおうとは思わなくなる筈。
あと、ライトノベル以外の読書。言っては、いけない事。どうやって、苦境を乗り越えたのかの経験談。犯罪を犯すと、どんな罪になるかの予備知識が身につく。
ライブ鑑賞、売れている歌手と、売れていない歌手との違い。調べれば、いくらでも無料で鑑賞する手段はある筈。
映画鑑賞、俺みたいにはなるな!寂しい人生をおくる羽目になるから、どんなにプリキュア好きでも公言するな!怖ぇーよ?お前!人に好かれたかったら、
366日、ちょー感動!マジ泣ける!って、言っとけ!それが人生の処世術だ!俺はそんな奴、嫌いだけどな!?
深夜放送、色んな悩みを抱えている人の体験談、兄貴と慕われるDJの慰め方や、アドバイスのテクニック。
マニアックな洋楽、邦楽、コミックソング。普通に生活していたら、体験できない事を追体験させてくれる。
やっちゃいけない事。
YouTuberのチェンネル鑑賞。すぐに回線をストップさせるべき。
配信者がクソつまんないゲームを実況している奴なんて愚の極み。うるせぇだけじゃん?面白くとも何ともない。
iPadはネット禁止にして、kindleか青空文庫で読書をさせるべき。読書しないから、あんな、YouTuber中毒になるんだよ?
文学って、2000年前にもあったんだぜ?ここ最近のポット出の娯楽とは比べ物にならないからさー?
本読めなかったら、マニュアルも社内報も読めなくなるかんな?
閑話休題、映画を見た人にしか分からない事。あの、家族の集合写真をとる時の、ほのぼの会話。古い映画で覚えている人いないだろうけど、韓国映画デイジーのラストの集合シーンとED曲の歌詞くらい切ない。
この写真だけ、理想の「 満ち足りた家族」 なんだよなー?やっぱ、この作品に「 満ち足りた家族」 って、日本語タイトルをつけた人って...、怖い...。あの二人と( あっ!) 同等に怖い...。
同病哀憐れむだな?おてての手と手を合わせて幸せ!なーむー!!
あらすじにある兄弟の前提に違和感
あらすじ解説にはこうある。
「ジュワンは道徳よりも物質的な利益を優先し」「一方、常に道徳的で良心的が信条の弟のジェギュは(略)痴呆気味になった母の介護にも献身的だ」
でも映画見たら違うとすぐ感じた。兄は物質的な利益を優先しているわけではなくて弁護士として合理的に行動しているだけ。弟は道徳的で介護にも献身的というわけではなくて世間体を気にしているだけで、子どもや母親のやっかいごとは妻に押し付けているだけ。
この構図がすぐ明らかになるので、終盤に向けての展開も読めてくる。そういう意味では予定調和に感じてしまった。でも全体としては面白い展開に仕上げているし子どものろくでなし感も良かった。見て損はないとは思います。
あ、あとチャンドンゴン親子が似てなさすぎ。
正義と畏怖
実に、後味が悪い
起こりうる不幸
器を満たすものは喜ばしいものだけでもないようだ。
色んなストレスが撒きちらかされていて、韓国ならではのものもあれば、そうでないものまで。多かれ少なかれ僕らはそんなストレスと共に生きている。
まるで降り積もる雪のようだった。
徐々にゆっくりと蓄積されていく結晶たち。そんなものが日常から降り積もる。
まだ耐えれる。
まだ逃がせる。
まだ流せる。
…そんな呟きを日々、呪文のように唱えてる。
でも限界はくる。いや、きっかけかもしれない。
それが子供の問題ならば尚更捨ておけない。
浮浪者を子供たちが2人がかりで暴行する。
そんな問題が降り掛かってきた日にゃ、それまでどうにかしてやり過ごしてきたストレスは、一気に満たされ溢れ出す。とめどなく土石流の如く。
トドメは子供たちの本心なのだろう。
次世代モンスターが育ってる。
アレらが大人になった世界は救いがない。
自首させる決断をした兄は正解だと思う。
何がどうなってあんなモンスターが育つのか?その土壌にこそ問題があるのだと思われる。
で、弟は兄を轢き殺す。死人に口無し…とはいかない。問題を先送りにしただけだろう。嫁は一部始終を聞いている。そして、腕のいい弁護士を雇って過失致死を勝ち取るのであろう。
兄にとっては因果応報ではある。
とは言え…全く救いのないはなしである。
正直、趣味が悪い。
人と社会のダークサイドの話だ。
たまに出くわすその手の韓国作品…後味が悪い。
とは言え、おそらく万人に関わる話ではあって、些細なキッカケで同じような境遇には陥る。
ハッキリと他人事とは言えない話だ。
考えたくない問題が満載の作品だった。
すれ違う、入れ替わる
ドストエフスキー、キューブリック
カラマーゾフの兄弟の罪と罰と時計じかけのオレンジ。
英題は「A Nomal Family」
「こどもたちを〈守る〉親たち」
本作は母親、継母、兄、弟という異なる価値観を持つ4人の大人たちが、
それぞれの方法で子供たちを「守ろう」とする姿を描く。
母性の愛、自主性を重んじる継母、法の力、そして誠実さ、
これらの多様な価値観が衝突し、家族という枠組みを揺るがしていく。
本作の最大の特徴は、その高度なシナリオ構造にある。
いわゆるセカイ系とメタ構造を巧みに組み合わせることで、
観客は物語を俯瞰し、
登場人物たちの行動の裏側にある心理を読み解くことができる。
弁護士の兄の家で赤ちゃんのオムツ交換、
医者の弟の家で老婆のオムツのオムツ交換、
だれもが経験した、なおかつ、経験する、
記憶にない、なおかつ、認知できない、
象徴的な描写は、単なる比喩を超えて、
それぞれの家族が抱える問題の本質を暗示しながら、
それらを韓国映画特有の十字架が包み込む。
さらに、被害者と患者を共有するという設定は、
登場人物たちの関係性を複雑に絡み合わせ、
物語の展開を予測不可能にする。
チャン・ドンゴンとソル・ギョング、
過去の作品のイメージであれば、
論理的な弁護士の兄はチャン・ドンゴン、
感情的な医師はソル・ギョングだが、
(ソル・ギョングが両方できるは言うまでもない)
その役割を反対にしてきたのも興味深く、
後々その意味も腑に落ちるしかけになる、
その役割を二人ともしっかりと具現化した、
シナリオに負けない丁寧な芝居をしている。
彼らの対比は、物語のテーマでもある、
善悪、理性と感情といった対立を鮮やかに浮き彫りにする。
【蛇足】
近年、子どもが弱者を襲う事件が報道されることが増え、
社会に大きな衝撃を与えている。
映画史でいうと、
キューブリックの「時計じかけのオレンジ」がその象徴的な作品として有名だ。
キューブリックは、その世界観の構築を、
機能重視の衣装や美術、人工的なビジュアル、
そしてベートーヴェンの音楽を駆使して、
現実とは一線を画した虚構の空間をつくった、
いわばSFの括りの狙いもあったのだろう。
これにより、観客は登場人物たちの暴力や異常な行動を、
現実の延長ではなく、独自のフィクションとして体験していた。
しかし、本作は、あるいは昨今の作品は、
そのアプローチを大きく異にしている。
本作はチャンネル争いやファーストフードといった、
私たちが日常的に目にする場面や小道具を通して、
現実と密接に結びついた世界を描き出す。
「虚構」の中で何か異質なものを見出すのではなく、
私たちが実際に生きている社会に潜む不安や断絶を照らし出すことに焦点を当てている。
英題「A Normal Family」に込められた意味は、
まさにその「普通」や「満ち足りた」家族という前提に潜む不完全さ、
足りない何かを問いかけるものであろう。
「満ち足りた家族」において、
家族は一見して完璧に見えるが、何かが欠けている、
それは、物質的には満たされているが、
精神的な豊かさや他者への共感、
または社会全体の健全性において重要な何かが欠けていることを示唆している。
この点において、ドストエフスキーの作品やキューブリックの映画に通じるが、明らかに違うテーマが浮かび上がる。
時計じかけでもない、異常な愛情でもない、
〈満ち足りた普通〉だ。
天秤が
全107件中、41~60件目を表示