「迷ったら行く」犬と戦争 ウクライナで私が見たこと ひろ702さんの映画レビュー(感想・評価)
迷ったら行く
プロデューサー兼監督の山田あかねさんの熱意と行動力、そして視点のユニークさで制作された唯一無二のドキュメンタリー映画。このレビューのタイトルにさせていただいた「迷ったら行く」は彼女の師匠格に当たる人物(女性)からもらった言葉だそうだ。本人とウクライナに詳しい方によるトークショー、更に文庫本スタイルのパンフレットも読んだ。
日本とは距離が遠くて価値観も隔たりが大きい国(多分)ウクライナ。(ロシアの隣国という共通点はある)ウクライナ侵攻の直後の2022年から23.24年と3回取材に現地に入ったとのこと。
驚くのはウクライナの人達の動物に対する愛情の深さと行動力である。砲弾が飛び交う中、各地では公設私設の動物シェルターが設けられ、取り残された動物を収容するために最前線まで行き、そこに彼女やスタッフも同行し撮影する。何分にも命の危険な場所であるので行きたくないスタッフもいるが、喧嘩別れにならず、その後も良好な関係を保っているのはちょっとびっくりし、功名心やカネではない彼女の人柄だと思った。
実は激戦地の公設のシェルターには大きな惨事が起こっている。冒頭のシーンにあるので映画を観て確かめて欲しい。
このドキュメンタリー、テレビ局に企画を持ちかけるものの程よく断られ、それでも自腹で撮影を続けていく姿に執念を感じた。
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