劇場公開日 2025年1月17日

「人生を諦めない」アーサーズ・ウイスキー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人生を諦めない

2025年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

幸せ

予告でちょっと興味をもち、観たい作品の前に時間があったので鑑賞してきました。すごく感動したわけではありませんが、ほっこりする作品で悪くなかったです。

ストーリーは、発明好きの夫・アーサーが亡くなり、妻・ジョーンと友人のリンダとスーザンが、アーサーのラボを整理している時にウィスキーを見つけ、楽しく飲んで寝たが、一夜明けると70代の3人は20代に若返っており、突然もたらされた奇跡に戸惑いつつも、再び手に入れた若さで諦めかけていた人生を取り戻していくというもの。

老いに抗いながらも、どこかで諦めていた女性たちが、若返りをもたらす不思議なウィスキーを手に入れてはしゃぐ姿が微笑ましいです。若返りは、老いれば誰しも望むことでありながら、決して叶わないことであり、中高年以上の方なら3人の姿に大いに共感するはずです。

これでやりたいことが何でもできると喜ぶ3人ですが、若返り効果の持続時間は短く、ウィスキーもどんどんなくなっていきます。そんな中で3人がやることといえば、思い出巡り、後悔の解消など、今の人生に起因することばかりです。結局、人生を振り返り、見つめ直すことになり、これまでの人生も悪くなかったと気づいていきます。そして、そんな今の自分をありのままに受け入れて、自分らしく生きることが輝き続けることにつながるのだと教えてくれます。

そりゃそうですよね、自分で決断を重ねて歩んできた人生だもの。成功も失敗も満足も後悔も喜びも悲しみも、全て今につながっているのです。こうして70歳を超えた今でも固い友情で結ばれ親友が隣にいることが、なによりそれを物語っています。人生から輝きを奪っていたのは、老いや衰えではなく、自分の諦めの気持ちなのでしょう。「年をとったら何もかも諦めなくちゃいけないなんて誰が決めたの?」と、彼女たちの笑顔が語りかけてくるようです。彼女たちの姿から、”何一つ手放さないし諦めない”と前向きなメッセージを受け取った気がします。

キャストは、ダイアン・キートン、パトリシア・ホッジ、ルル、ジェネビーブ・ゴーント、ハンナ・ホーランド、エスメ・ロンズデール、ボーイ・ジョージら。久しぶりのボーイジョージと「Karma Chameleon」が懐かしすぎます。

おじゃる