ブラックバード、ブラックベリー、私は私。のレビュー・感想・評価
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女性が主役
エテロと同世代のおひとりさまなので、
女子の何とも言えないこの感覚が解りすぎて、
ちょっとモゾモゾしました。
ただ、ラストは、リアルさが遠のいちゃったかな…。
病気でも懐妊でもない別の終わり方が良かったなぁ…。
結局は、子どもが強いのかぁ…って思ってしまって…。
また、このラストのエテロの感情が読めなくて、
でも、やっぱりハッピーエンドと捉えて良いのかな?
エテロの処女喪失のための男性以外は、ほぼ女性しか出てこなくて、
女性監督が女性に向けて、強く熱いメッセージを込めた作品だと思いました。
ジワジワときています。
タイトルなし(ネタバレ)
ジョージアの小村で雑貨店を営む四十路の女性エテロ(エカ・チャヴレイシュヴィリ)。
死んだ父と兄の面倒をみていたため、婚期を逃したままの独身。
そろそろ更年期の気配もみえてきた。
若くして結婚した周囲の女性たちは、婚期を逸した彼女のことをなんやかんやとおしゃべりの肴にしている。
そんなある日、例年どおりブラックベリー摘みに出かけたところ、崖から転落。
あわやのところで一命を取り留める。
自分の死の幻影、父と兄の幻影を視て、エテロの生活が変化する。
なじみの初老の納品業者と突発的に肉体関係を結んでしまう・・・
といった物語。
周囲の女性陣に気取られぬよう、かつ、相手の男性にも対等でいたいと考えてハードボイルドな生き方を貫くエテロ。
リアリズム溢れる描写、簡潔な表現などダルデンヌ兄弟監督作品を思い出したりもする。
が、最終的には、女性・母性に帰還。
(勘がいいので、途中で結果はわかっちゃった)
ここでぶった切るように終わるあたりもダルデンヌ兄弟監督作品を彷彿とさせるのだが、それまでのハードボイルドな生き方からどう変わるのか、この後の物語が観たいという思いの方が強く残る。
あまり評価出来ず。
それにしてもジョージアという国は雨が多いんだなぁ。
先にフィルメックスで観た『四月』や以前公開された『とうもろこしの島』でも豪雨が登場したからねぇ。
赤裸々過ぎてちょっと引くが
ある日、崖から滑落して死ぬかと思ってから突然性欲が出て、たまたま来た仕事相手の既婚者に発情し、関係を持つ48才の処女。今どき紙の箱に入った粉末洗剤を使っている人っているのか?こんな商売が成り立つっておとぎ話設定?と思ったがスマホは使っている。
端的に言うと、私は私の基準で幸せを感じているんだから他人の基準で判断したりましてや口出ししたりするな!って主旨。
その余計な口出しをしまくる周囲の女性たち、白、薄ピンク、赤、ブルーと髪の色がみんなカラフル。あと、出てくるケーキ類が素朴で美味しそう。こういう部分がポップと評される所以だろう。
ラスト、子宮ガンだと思って都会の病院で診察してもらったら妊娠と診断された後、雨に濡れて入ったカフェで普段食べないケーキを頬張りながら泣くが、その後の晴れやかな顔は前に向いたのだろうが、あれは何の涙だったのか。
分からないけど圧巻ということだけ分かる
オープニングから導入までがすごいんだよね。
オープニングは川の濁流だね。大雨の後の一粒一粒が生きてるような荒々しさで、主人公が濁流に巻き込まれるようなことが起こるんだろうなっていう。
画面が切り替わるとブラックベリーを採りながらブラックバードにみとれたと思うと谷底に落ちていく主人公。危ういところで踏みとどまるものの、帰り道では溺死体となった自分の幻影を見てしまう。
すると、どう見ても主人公のことが好きだろうという男が出てきて、主人公は誘惑し、48歳にして処女喪失。
ここまでがすごいね。
そこから色んなことが語られるんだけど。
語られてるなって分かるんだけど、何が語られているかは分からない。
ラストのシーケンスの裏切り感は良かったな。
「ここで放り投げるエンディングがくるんだな」と思ったらそうなって良かった。
あと画がすごいね。
ヨーロッパ近代絵画みたいな撮り方してる。フェルメールっぽいところもあって。
エテロっていう主人公の名前もなんか聖人っぽいし、そういう背景もなんかあるのかなと思いました。
なんだか分からない作品ってけっこうあるけど、分からないのに面白いか面白くないかは判別できて、だいたいみんな揃うね。
デビット・リンチが「みんな分からないっていうけど以外に分かってる」って書いてたけど、そうなのかなと思いました。
2025初映画でじんわり幸せ
感想ぶちまけるので、これからの方は読まないで!
ヨガ帰りのいい時間にネットで最後の一席ゲット。
人気ぶりは席の埋まり具合で一目瞭然。期待値マックスでポップコーン片手に着席。
とにかく前半は、既婚者にのめり込んで、またその甘い言葉を鵜呑みにして免疫のないエテラが傷つく展開になるのではないかとハラハラしていた。超凡人の想像力で、やめろやめろと心の中で叫び、ガンかも知れないと病院に向かう所、女友達にハグされ力になるからと励まされ、いやー、それみたことか、やっぱこの救われない展開ねーと、この映画を選んだことを後悔し始めていたのだが…
最後のまさかの展開にグッと来てしまった(涙)。
思ってみれば単純かもしれない結末ではあるが、演者達の何とも言えない暗い演技と、田舎町の封鎖的な雰囲気が、あの結末を想像させてくれなかったのである。
いやー、いいサプライズ。
ナポレオンパイのサイズもサプライズ。
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