ブラックバード、ブラックベリー、私は私。のレビュー・感想・評価
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ヒロインの日常に差し込み始めた新たな光を独自のタッチで紡ぐ
ジョージアの小さな村で一人暮らしを続ける女性エテロの話である。48歳。私と同世代。年代的に感じ入るところは多い。しかしそれ以上に彼女の表情、目力、日常に自分なりの聖域を見つけ出す姿がユニークで、その動線に不思議と見入ってしまう自分がいた。冒頭、印象的に映し出されるのは、流れ落ちる水、野生のブラックベリー、ブラックバードのさえずり。実に長閑だ。このテンポで日々が描かれゆくのだろうかと感じた矢先、意表をつくショットが我々の心臓をギュッと掴む。その刹那、彼女の中の何かが変わる。生き方が少し大胆になる。他人の目を気にせず、自分に正直に行動し始める。そして忘れられないのはエテロが、物心つく前に亡くなった母の墓に寄り添うシーン。風変わりな本作がどのように帰結するのかは明かせないが、生と死という要素をナチュラルに織り交ぜながら彼女の生き様を見つめる視座が印象的だ。小さくとも個性的で忘れがたい一作である。
独特の空気感、主演のエカ・チャヴレイシュヴィリの演技が素晴らしい
ジョージアの女性作家 タムタ・メラシュヴィリ原作の大ヒット小説をもとに、東欧ジョージアの村に暮らす独身の中年女性を描いたドラマ。
両親と兄を亡くし、日用品店を営みながら、独身の生活を愛しつつ暮らす中年女性エテロ、初めての男性との関係をきっかけに、人生において、起き得る意図せぬ展開をじんわりと描く。
映画としての造りは抜群で、主人公エテロを演じる、エカ・チャヴレイシュヴィリの存在感ある素晴らしい演技に圧倒される。
独身中年女性の生き方を、皮肉も込めて程よいテンポで描いており、東欧のジョージアという見知らぬ国を舞台にしている点でも、独特の空気感を感じる。
劇場は年齢高めの女性を中心に、平日ながらも結構な入り。生々しい性的描写もあり、万人向けとはけして言えないが、女性に止まらず、人生について訴えかけてくる作品だった。
65点ぐらい。ラブストーリー
結婚やペニスが幸せを運ぶなら、
どうしましょう・・
上映が終わって、
ロビーに出て、当映画館の女社長の顔を見たときに「どうしましょうー😱💦」しか声が出ませんでした(笑)
本日の塩尻・東座は20名の入りでした。で、そのほとんどが6〜70代の女性たちでしたけど、
館内が明るくなったあとに、皆さん席を立たずに座ったままで ザワつくことザワつくこと!
映画は、出演は48歳のエテロと、
同年代の村の女友だち。
赤シャツの看護師や町のスーパーの女性カップル。
お金持ちの家の今どきのミニスカートの娘と、反抗期真っ盛りのパンクな女の子。
そして首都トビリシの病院の検査技師や看護師たち。
みんなみんな女たちだった。
どの女たちも、それぞれに、人生の時どきに、進退の決心をしながら今日までやってきた女たちなのだ。
早い遅いはあっても みんながいろんな選択をしながら自分の生き方を辿ってきている。
そしてそこにエテロの物語も同時並列に始まったわけで。
噂話や悪口や足の引っ張り合いなんて、年齢は関係ないでしょ?
そして支え合いも仲間作りも年齢は関係なし。
ジョージアではこの原作が大ヒットだったらしいが、きっとほとんどが女たちによる講読だったのだろうと想像できるよね。
地味だけどジョージアの“セックス・アンド・ザ・シティ”なのだと思った。
エテロがこの先どうするかは分からない。
でも我々も人生の折り返し点を通過した頃、
「死ぬ気になって」
「取り返しのつかない冒険」で
「生活設計がめちゃくちゃになる」のも
そんなに悪くない。むしろこんなのもいいのではないかなーと思わせる。
なんでもかんでも失敗が怖くて安全な道を つい選んでしまう僕たち現代人だもの。
ブラックベリーが実り、きれいな黒ツグミがそこには待っている。
「崖」に接近して下を覗いてみるのも悪くない。
どうせ死ぬんだし、
どうせ今は生きてるんですから。
・ ・
同じ東欧の独身女のドラマとしては「ペトルーニャに祝福を」が記憶に新しいくて、プロットもよく似ている。
男たちの世界はあんまり変化の起こっていないこの20〜21世紀だけれど、かたや女たちが主人公になる映画は、地殻変動が目覚ましい。
ジョージアでも旧ユーゴスラビア (現北マケドニア) でも、東欧の女性たちに漸く春のきざし ということなんだろうな。
実はこの映画、年上の独身の親友が薦めてくれたものでして、僕は今からその感想を彼女にメールで書き送らなければならないんですが、
さて、どうしましょうかね!!
🐦⬛🫐
開始即崖落ちイベントで「えっ!もう⁈」と驚いた。
男女イベントにも「えっ!もう⁈」おぱい丸出しと下の毛量が...💧不倫とわかった時点でスーンとなる。会いたいというよりヤリたいでは?ポケットに不倫がバレそうなノート入れておくなよ... 男はシャワー浴びたけどエテロは浴びないの? 2人とも裸体が見苦しい...申し訳ないが全く応援できない恋だった。
回想で 食卓に座っている父と兄に 1人だけ立って食事を切り分けてるエテロのシーンがしんどかった。ずっと世話係だったのだろう。そりゃあ残りの人生は自分のためだけに自由に生きていきたいよなぁと思った。
かといって不倫でできた子を産んでその村で育てていけるのか?その年で1人で育てる?周りの視線は?厳しさしかないのでは?とハッピーエンドとは感じられなかった。 野放尿にもだいぶ驚いた
予告でとても好印象を受けて公開を楽しみにしてたけどあまり好きでは無い要素の方が多くて。
曲は良かった。
元始、女性は太陽であった。
ジョージアの片田舎で暮らす48歳のエテロは、ブラックベリーを摘もうとして黒ツグミに見惚れ、川岸を転げ落ちる。その後、自分が川で溺れて引き上げられるところを幻影で見てショックを受け、生まれて初めて男性と交渉を持つことにより、人生の楽しみ、生きる喜びを覚えて、変わってゆく。
彼女は、男性社会で暮らす同年代の女性たちには、肥満した独身女性であることを、さんざん揶揄われる。しかし、少しも怯むところはなく、実際、お尻はとてつもなく大きいものの、肌にはすこしの緩みもない。特に、ムルマンという男性と知りあってからは、顔も身体も輝いていて、温かい太陽のようだった。一番思い出されたのは、フランスの女性監督たちの映画。そう言えば、最近、ジョージアのガールフッド映画「ゴンドラ」もあった。
母を早く喪っているエテロが一番大事にしていることは、季節になるとブラックベリーを摘んでジャムを作ること。父と兄から引き継いだアパートの一室に住み、村で日用品店を営みながら、堅実な暮らしを続けてきた。普段は、出入り業者であったムルマンの定期的な物品の補給を受けるだけだったが、2週間に一回は、街に買い出しに出掛けて、村の顧客の要望に応える。
ロケの時期にもよるのだろう、映画の前半は毎日が雨で、しかも雷を伴うこともあった。ただ、誰も傘をさしていない。ジョージアにも、こんな地方があるのだろう。私の目には、彼の地は、東西の文化の通り道に見えた。
宗教色は、ソ連からの離脱の影響もあるのか極めて希薄だ。あえて言えば、ギリシア正教か。立ち居振る舞いには、西域の影響が感じられる。その向こうには、モンゴルが見える。中年以降の年代には、フランスへの憧れがある。若い世代の興味の中心はやはり米国、ロックを聴いている。エテロも引退したら、英語を学びながら、悠々自適の生活を送りたいと言い、貯蓄はドルでしていた。
一番、印象的だったのは「ナポレオン」と呼ばれていたミルフィーユ。私の目には、素朴に焼き上げた柔らかいパイに見えた。エテロは街に出かけると、カフェで決まって頼み、ミルクコーヒーと共に美味しそうに食べていた。きっとこれは、帝政ロシアの宮廷に、フランス文化が取り入れられたことの名残だろう。
そう言えば、エテロとムルマンが、始めてのデートでドライブに出かけた時、車のなかで流れていたのはシャンソン。シャルル・アズナブールの声に聞こえたけど。この映画の撮り方には、私たちの好きなアキ・カウリスマキの影響がある。多分、ファスビンダー監督の香りも。
きっと、この映画に足を運ぶのは、若い人というよりは、酸いも甘いも噛み分けた中高年の人たちだろう。間違いなく、良い映画だ!
死と生の物語
よかった
全編微笑ましいんですよね。
微笑ましいって・・・なんだか偉そうな
言い方になっちゃいましたが、なんか
ホンワカしちゃうんですよね。
予告編を見たときは、さぞ陰鬱な
一人暮らし女性の物語なのかなぁ?
なんて思ったら・・・
自分ファーストな女性の生活を描く
作品でした。強く!とかたくましく!とか
そんなんじゃないんです。
かといって自然体とかしなやかにとか
そういうものでもない。
形容詞はいらんのです。
ただ、家に一人で住んでいるだけで
やりたいことを自分で決めて、自分で行動して
いるだけに過ぎないのです。
自分ファーストなだけなのに今の社会では
異質に見えちゃうのでしょうかね?
そんなエテロのいわば日常に発生した
イレギュラーを巧みに描いている作品です。
それは時には恐ろしく、時にはドキドキ、
時にはまさか!の展開。
出もエテロを見てるとなぜか微笑ましいのです。
人生ってそういうものですよね。
もしかしたらエテロが住む地域では
その存在はイレギュラーなのかもしれませんが、
彼女も社会の一員であり、けっして独りぼっちでは
無いのです。
ラストはまさかの贈り物が。
続編があれば観るなぁ、僕。
日常からの解放と希望
もがく人生に共感
ハードボイルドの向こう側の幸せ
タイトルが唐草模様にしか見えない他言語の不思議
終わり良ければ全て良し
ラストへ向けての急展開。油断してた。素晴らしかった!エテロ、頑張れと応援してました。
診察中いきなり医者がいなくなるって、ドキドキするんですよねー。しかももっとベテランの先生連れてくるって余計…。
全編、色使いがカラフルで美しい。
土地の音楽もいい。女性監督だそう。今後も注目していきたい。
我が行く末……?
なんともまぁわずか110分の中に様々な感情を織り交ぜてくれたことね🌀
ジョージアの小さな村で気ままに一人暮らしするキリっと眉毛の勇ましいぜーんぜん笑顔のない48歳独身処女姉さん。
予告で観ていた(あらすじにも記載のある)ひょんなことから処女を失い……の件がまさかの冒頭開始5分程度で起きてしまいこっちは心の準備もなんにも出来てなくてwww
とにかく複雑な気分になる映画だったゎ。
●え?え?そんな「ひょん」??(驚愕)
●いいの?その人で?本当に?(確認)
●火遊び?興味?リアルラブ?(困惑)
●やめとけってーいい大人なんだし。小さな村だし。(助言)
●あ!笑顔見え始めた(恋の力)
●トルコ?は?(絶望)
●黒いの見ます?(←普通にヤメレ)
●母も病を……(死を覚悟)
●違いますねー(生を見る)
途中までは自分の行く末を見ているだったけど、ラストで予定外の切り返し!
驚きと喜びと、最後まで期待を裏切らない作品でした💜
(注意)
割と静かな感じで続く(苦手なタイプ)けど、この作品は好き🩷
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