ブラックバード、ブラックベリー、私は私。のレビュー・感想・評価
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2025初映画でじんわり幸せ
感想ぶちまけるので、これからの方は読まないで!
ヨガ帰りのいい時間にネットで最後の一席ゲット。
人気ぶりは席の埋まり具合で一目瞭然。期待値マックスでポップコーン片手に着席。
とにかく前半は、既婚者にのめり込んで、またその甘い言葉を鵜呑みにして免疫のないエテラが傷つく展開になるのではないかとハラハラしていた。超凡人の想像力で、やめろやめろと心の中で叫び、ガンかも知れないと病院に向かう所、女友達にハグされ力になるからと励まされ、いやー、それみたことか、やっぱこの救われない展開ねーと、この映画を選んだことを後悔し始めていたのだが…
最後のまさかの展開にグッと来てしまった(涙)。
思ってみれば単純かもしれない結末ではあるが、演者達の何とも言えない暗い演技と、田舎町の封鎖的な雰囲気が、あの結末を想像させてくれなかったのである。
いやー、いいサプライズ。
ナポレオンパイのサイズもサプライズ。
人生の縮図
2025年の1本目。今回もIMDb、RottenTomatoesの評価の高さだけを信じ、トレーラーやあらすじに触れることなく本作をチョイス。元日の朝にオンラインで前売りを買うためサイトへアクセスすると、すでに席がチラホラ埋まっています。金曜ですが多くの方がまだお正月休み中、結構混むことは覚悟の上でしたが、ヒューマントラストシネマ有楽町12時10分からの回はフルハウス。作品への期待が高まります。
作品は48歳エテロの約2か月間に見る「人生の縮図」。不意を突く滑稽なシーンや、ポロっと出る台詞に思わず笑ってしまうようなことはありますが、けして面白かったりほっこりしたりするような作品ではありません。ただ観始めればもうエテロから目が離せない。冒頭こそ穏やかな雰囲気で始まりますがそれも数分のこと。いきなり起こるハプニング以降は終始、エテロが自身の死生観とがっつり向き合いながらの日々。小さな村でプライバシーを守ることすら難しかったり、ヒリヒリするシーンやストレートに辛辣な会話など、けして生きやすいとは言えない環境ですが、強い意志で自分の「生きる」に立ち向かいます。
作品性から言ってもシネコンで掛かるようなタイプの映画ではありません。評価が高いとはいえ万人向けではなく中高年以上、特に女性には深く刺さるところがあるであろう本作。終わり方も余韻に浸るにはこの上なく、正月から観れば自ずと「人生」について考えてしまうような作品。感慨深い一本です。
ナポレオンパイが食べたくなります(笑)
新年早々に抜群に面白い映画に出会いました!
ジョージアの田舎の村に住む、天涯孤独のアラフィフ独身女性、エテロが主人公。
独身を貫いたことで、影に日向に口さがない村人がかなりどぎつい噂話を、いや度々本人に直接あからさまな嫌味を投げかけますが、筋金入の独身女性は心の底では少し傷つきながら、そんな素振りは露ほども見せずに小気味良い反撃を繰り広げます。
細やかな雑貨店を営みなから、このまま村で老いて、やがて静かな老後を過ごすはずだったのに…
ちょっとした、けれど本人にとっては大問題の小さな事故をきっかけに、何十年も止まっていた時計の歯車に油を指したかのように、代わり映えしないエテロの人生が軋みながら動き始めます。
あまり馴染みがないジョージアの風景、風俗、村人たちの振る舞いが物珍しく、派手な見せ場は皆無であるにも関わらす、ラストまで観客を飽きさせない巧みなストーリー展開を存分に堪能しました。
鑑賞後、多分ナポレオンパイが食べたくなります(笑)
劇場の近くの店をリサーチしてからお出掛けになることをおすすめします。
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