ブラックバード、ブラックベリー、私は私。のレビュー・感想・評価
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観て良かった。ジョージアの生活を垣間見た。
日本にもいそうな背景の女性。
きっかけがすごいが、恋愛をしはじめ、めきめきと生活が変わっていく。
主人公の女性の裸がすごくリアルで自然。
そんなところまで映していいのかと思うくらいだった。
しかも、お金があるようには見えないが、生活ができているのが不思議。
スイーツ好きな私は、ナポレオンという巨大なミルフィーユのようなケーキがすごく気になった。
よかった
全編微笑ましいんですよね。
微笑ましいって・・・なんだか偉そうな
言い方になっちゃいましたが、なんか
ホンワカしちゃうんですよね。
予告編を見たときは、さぞ陰鬱な
一人暮らし女性の物語なのかなぁ?
なんて思ったら・・・
自分ファーストな女性の生活を描く
作品でした。強く!とかたくましく!とか
そんなんじゃないんです。
かといって自然体とかしなやかにとか
そういうものでもない。
形容詞はいらんのです。
ただ、家に一人で住んでいるだけで
やりたいことを自分で決めて、自分で行動して
いるだけに過ぎないのです。
自分ファーストなだけなのに今の社会では
異質に見えちゃうのでしょうかね?
そんなエテロのいわば日常に発生した
イレギュラーを巧みに描いている作品です。
それは時には恐ろしく、時にはドキドキ、
時にはまさか!の展開。
出もエテロを見てるとなぜか微笑ましいのです。
人生ってそういうものですよね。
もしかしたらエテロが住む地域では
その存在はイレギュラーなのかもしれませんが、
彼女も社会の一員であり、けっして独りぼっちでは
無いのです。
ラストはまさかの贈り物が。
続編があれば観るなぁ、僕。
自分が自分らしく生きるための解放
2023年4月ぶりに観るジョージア映画。どこにでもいそうな市井の人をめぐる死と生を描いた作品だ。
ジョージアの小さな村に住む48歳のエテロは、自分を産んだ直後に母親を亡くしており、結婚もせずに父親と兄の世話をしてきたが、その二人もこの世を去って、現在は日用品を売る店を営みながら自由に一人暮らしをしていた。ある日、いつものように山にブラックベリー摘みに出かけたエテロは美しいツグミ(ブラックバード)が飛び立つのを見惚れているうちに足を滑らせて崖から落ちてしまう。幸い軽い怪我で済んだが、一瞬、自分が転落して死んでいる構図が頭をよぎる臨死体験をしたエテロは、更年期も始まりかけているこの時期に、(ツグミが自由に飛び回るように)狭い世界の中での生き方に縛られない自由な人生へと踏み出していこうと配達員のムルマンに迫っていき、人生で初めて男性を知る……。
若い頃には選択肢が無限に広がっているかも知れないが、人生の折り返し地点を回った後、人はどんな選択をするのか?全てを諦めて惰性で生きるのか、それとも全く新しい扉を開けてみるのか?
「いい歳をして何を今さら…」と考えるのは前者で、実は程度の差こそあれ、ほとんどの人がこちらを選ぶのではないだろうか?未踏の地に足を踏み入れるのは怖く、とてつもない勇気が必要だからだ。でも、そんな勇気を振り絞って一歩を踏み出したら、奇跡が起きるかも知れない。まぁ、「奇跡」が良いことなのか悪いことなのかという価値判断は別として……。
まだまだ不完全とはいえジェンダーを隔てる壁が崩れつつある近年、逆にクローズアップされているのが世代を隔てる壁なのではないだろうか?それは、SNSで年寄りが若者を批判し(これは昔からあるか…)若者は年長者を老害扱いをする対立と分断が、実際の選挙の結果に影響を及ぼすまでになっている様を見ても顕著だ。しかし、先ほどの「いい歳をして…」に象徴されるような捉え方こそ、まさに世代に対するステレオタイプであり、その偏見こそが分断を生み出す原因だろう。
その意味では、本作はまさに《いい歳をした》中高年の性についても真正面から扱っており、それが何も若い世代だけの特権ではないことを示している。
自分が自分らしく生きるためには性別にも、年齢にも、世間の目にも、社会慣習にも縛られる必要なんてないんじゃないか。邦題にだけ加えられた「私は私。」に込められているように、そんな《解放》のメッセージを投げかけてくれる作品だ。
なんかわかるなあ
ひとりが良いという人が世界的に増えてます。増えているというより、テクノロジーの発展でひとりで生きられるのが可能になったからですよね。特に女性は面倒な家事や雑用を押し付けられるから、エテロが結婚を断ったのもわかるなあ。恋愛するくらいがちょうどいいですね。ラストは不安と驚きと嬉しさが混ざった涙だったんでしょうね。死を考えていたのに生を考えなくてはいけなくなったのですから。
女性が主役
エテロと同世代のおひとりさまなので、
女子の何とも言えないこの感覚が解りすぎて、
ちょっとモゾモゾしました。
ただ、ラストは、リアルさが遠のいちゃったかな…。
病気でも懐妊でもない別の終わり方が良かったなぁ…。
結局は、子どもが強いのかぁ…って思ってしまって…。
また、このラストのエテロの感情が読めなくて、
でも、やっぱりハッピーエンドと捉えて良いのかな?
エテロの処女喪失のための男性以外は、ほぼ女性しか出てこなくて、
女性監督が女性に向けて、強く熱いメッセージを込めた作品だと思いました。
ジワジワときています。
日常からの解放と希望
もがく人生に共感
ハードボイルドの向こう側の幸せ
タイトルなし(ネタバレ)
ジョージアの小村で雑貨店を営む四十路の女性エテロ(エカ・チャヴレイシュヴィリ)。
死んだ父と兄の面倒をみていたため、婚期を逃したままの独身。
そろそろ更年期の気配もみえてきた。
若くして結婚した周囲の女性たちは、婚期を逸した彼女のことをなんやかんやとおしゃべりの肴にしている。
そんなある日、例年どおりブラックベリー摘みに出かけたところ、崖から転落。
あわやのところで一命を取り留める。
自分の死の幻影、父と兄の幻影を視て、エテロの生活が変化する。
なじみの初老の納品業者と突発的に肉体関係を結んでしまう・・・
といった物語。
周囲の女性陣に気取られぬよう、かつ、相手の男性にも対等でいたいと考えてハードボイルドな生き方を貫くエテロ。
リアリズム溢れる描写、簡潔な表現などダルデンヌ兄弟監督作品を思い出したりもする。
が、最終的には、女性・母性に帰還。
(勘がいいので、途中で結果はわかっちゃった)
ここでぶった切るように終わるあたりもダルデンヌ兄弟監督作品を彷彿とさせるのだが、それまでのハードボイルドな生き方からどう変わるのか、この後の物語が観たいという思いの方が強く残る。
あまり評価出来ず。
それにしてもジョージアという国は雨が多いんだなぁ。
先にフィルメックスで観た『四月』や以前公開された『とうもろこしの島』でも豪雨が登場したからねぇ。
タイトルが唐草模様にしか見えない他言語の不思議
終わり良ければ全て良し
ラストへ向けての急展開。油断してた。素晴らしかった!エテロ、頑張れと応援してました。
診察中いきなり医者がいなくなるって、ドキドキするんですよねー。しかももっとベテランの先生連れてくるって余計…。
全編、色使いがカラフルで美しい。
土地の音楽もいい。女性監督だそう。今後も注目していきたい。
赤裸々過ぎてちょっと引くが
ある日、崖から滑落して死ぬかと思ってから突然性欲が出て、たまたま来た仕事相手の既婚者に発情し、関係を持つ48才の処女。今どき紙の箱に入った粉末洗剤を使っている人っているのか?こんな商売が成り立つっておとぎ話設定?と思ったがスマホは使っている。
端的に言うと、私は私の基準で幸せを感じているんだから他人の基準で判断したりましてや口出ししたりするな!って主旨。
その余計な口出しをしまくる周囲の女性たち、白、薄ピンク、赤、ブルーと髪の色がみんなカラフル。あと、出てくるケーキ類が素朴で美味しそう。こういう部分がポップと評される所以だろう。
ラスト、子宮ガンだと思って都会の病院で診察してもらったら妊娠と診断された後、雨に濡れて入ったカフェで普段食べないケーキを頬張りながら泣くが、その後の晴れやかな顔は前に向いたのだろうが、あれは何の涙だったのか。
分からないけど圧巻ということだけ分かる
オープニングから導入までがすごいんだよね。
オープニングは川の濁流だね。大雨の後の一粒一粒が生きてるような荒々しさで、主人公が濁流に巻き込まれるようなことが起こるんだろうなっていう。
画面が切り替わるとブラックベリーを採りながらブラックバードにみとれたと思うと谷底に落ちていく主人公。危ういところで踏みとどまるものの、帰り道では溺死体となった自分の幻影を見てしまう。
すると、どう見ても主人公のことが好きだろうという男が出てきて、主人公は誘惑し、48歳にして処女喪失。
ここまでがすごいね。
そこから色んなことが語られるんだけど。
語られてるなって分かるんだけど、何が語られているかは分からない。
ラストのシーケンスの裏切り感は良かったな。
「ここで放り投げるエンディングがくるんだな」と思ったらそうなって良かった。
あと画がすごいね。
ヨーロッパ近代絵画みたいな撮り方してる。フェルメールっぽいところもあって。
エテロっていう主人公の名前もなんか聖人っぽいし、そういう背景もなんかあるのかなと思いました。
なんだか分からない作品ってけっこうあるけど、分からないのに面白いか面白くないかは判別できて、だいたいみんな揃うね。
デビット・リンチが「みんな分からないっていうけど以外に分かってる」って書いてたけど、そうなのかなと思いました。
我が行く末……?
なんともまぁわずか110分の中に様々な感情を織り交ぜてくれたことね🌀
ジョージアの小さな村で気ままに一人暮らしするキリっと眉毛の勇ましいぜーんぜん笑顔のない48歳独身処女姉さん。
予告で観ていた(あらすじにも記載のある)ひょんなことから処女を失い……の件がまさかの冒頭開始5分程度で起きてしまいこっちは心の準備もなんにも出来てなくてwww
とにかく複雑な気分になる映画だったゎ。
●え?え?そんな「ひょん」??(驚愕)
●いいの?その人で?本当に?(確認)
●火遊び?興味?リアルラブ?(困惑)
●やめとけってーいい大人なんだし。小さな村だし。(助言)
●あ!笑顔見え始めた(恋の力)
●トルコ?は?(絶望)
●黒いの見ます?(←普通にヤメレ)
●母も病を……(死を覚悟)
●違いますねー(生を見る)
途中までは自分の行く末を見ているだったけど、ラストで予定外の切り返し!
驚きと喜びと、最後まで期待を裏切らない作品でした💜
(注意)
割と静かな感じで続く(苦手なタイプ)けど、この作品は好き🩷
女性監督作か~😱と驚いたような、納得するような?
周りに振り回されずに自立して生きる独身女性の話かと思って見に行ったら、アレアレ、え~っ❕とストーリーが転がりだして驚いた。
死に損なって人生にアグレッシブになってみた、までは想像できたが、相手が意外なことに恋に落ちて、主人公のエテロも恋に落ち、ホホ~ッどうなるの?とあきれていたら、とんでもない方に話が急カーブ❗驚きの展開でまたまた驚いた。
初体験の描き方とかマスターベーションの描き方とか男の監督に違いないと思っていたら女性監督!?
いくら48歳と言っても最初からあんなに性欲が旺盛ではないと思うけど。女の性には開発の過程が必要だと思うけど、個人差かな?
でもエテロの日常の動きとか反応とか女性の視点を感じて心地よかった。
太った肉体も潔くてきれい。変に世間一般の美の基準を持ち込まないところも良い。堂々とした女は美しいと思った。
女の人生には妊娠という活火山の噴火?みたいな突発的事件が起こりうる。
で、監督は、女の人生ままならんのよ❕と提示したのか、人生面白いね~❕と提示したのか?どうなんだろう?
ジョージアの画家ピロスマニが大好きでジョージアへ行ったことがある。この映画の画面がきれいで、静謐さを感じさせるところはピロスマニに通じるかもしれない。
ジョージアの映画が来た時にはチャンスがあれば見るが、なかなかシュールな映画があって、東ヨーロッパの田舎なのに素晴らしいなと思う。
たぶんきちんと楽しめるのは女性だけかも。
少しオフビート感のあるジョージアの田舎の未婚女性の生き様。かなりガッツリと一人で生きる覚悟があるんだけどまあいろんな事がおきまして、思い通りにならない感じ、、、ネタばれになるからあんまり書けないけどあの嗚咽が喜びなのか悲しみなのか私にはわからなかった。両方だったのかも知れない。
ほとんど女性ばかりの出演者かなりキャスティングが良い、主役も存在感強し。監督も当然女性、色設計が素敵で絵も素晴らしい。内容的に男性は置いてきぼり感が有るがまあ良い映画で有ることは間違いないし、政治的にまたロシア化の揺り返しがきて不安定なジョージアの若手監督をなんとか応援したい。
割と象徴的に出てくるブラックベリーとブラックバードの意味は何なんだろ?ジョージア辺りでは意味が通じる古事があるんだろうか?あ、パンフ買い忘れた。
命が危機になって、はじめて気づく。。。
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