「自由に生きること」ブラックバード、ブラックベリー、私は私。 由由さんの映画レビュー(感想・評価)
自由に生きること
とても印象的な映画だった。
主人公に対して共感が持てるわけではないけれど、社会における差別が鮮明に描かれていると思った。
一人で暮らす48才の太った独身女性である主人公に対して、狭いコミュニティの住民たちは、軽んじて侮辱し、暴言を吐く。ひどい言葉の数々で、主人公を傷つける。
けれど、主人公が近隣住民に何かしたわけでもないのに、なぜそんな悪口を言うのか。
ある女性は、子どもを産んで国に貢献したという。だけどそれは、暴言を吐くことを正当化する理由にはならない。その発言をした女性の外見は美しいけれど、内面は醜悪で、そんなふうにはなりたくないと思った。
主人公は、強い言葉で言い返すけれど、現実には言い返すことができない人の方が多いだろう。するとそれは、いじめに発展するかもしれない。
なぜ優劣をつけ、差別をするのか。国への貢献をしなければならないわけではないし、主人公は働いて貢献しているとも言える。
子どもを産んだと言っても、その子どもが国に有害な行いをするかもしれない。
差別をする人の考え方は、ゆがんでいて、一面的な見方しかできていないのだと思う。もちろん、私自身にも当てはまることだろうけれど。
主人公は、自分を大切にして、懸命に生きている。自由な生き方を選択することは、非難されることではないと思う。
主人公のような人も、幸せに暮らすことができるような、寛容で優しい社会を目指したい。
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