劇場公開日 2025年1月3日

「どうしましょう・・」ブラックバード、ブラックベリー、私は私。 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5どうしましょう・・

2025年2月14日
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鑑賞方法:映画館

上映が終わって、
ロビーに出て、当映画館の女社長の顔を見たときに「どうしましょうー😱💦」しか声が出ませんでした(笑)

本日の塩尻・東座は20名の入りでした。で、そのほとんどが6〜70代の女性たちでしたけど、
館内が明るくなったあとに、皆さん席を立たずに座ったままで ザワつくことザワつくこと!

映画は、出演は48歳のエテロと、
同年代の村の女友だち。
赤シャツの看護師や町のスーパーの女性カップル。
お金持ちの家の今どきのミニスカートの娘と、反抗期真っ盛りのパンクな女の子。
そして首都トビリシの病院の検査技師や看護師たち。
みんなみんな女たちだった。

どの女たちも、それぞれに、人生の時どきに、進退の決心をしながら今日までやってきた女たちなのだ。
早い遅いはあっても みんながいろんな選択をしながら自分の生き方を辿ってきている。
そしてそこにエテロの物語も同時並列に始まったわけで。
噂話や悪口や足の引っ張り合いなんて、年齢は関係ないでしょ?
そして支え合いも仲間作りも年齢は関係なし。

ジョージアではこの原作が大ヒットだったらしいが、きっとほとんどが女たちによる講読だったのだろうと想像できるよね。
地味だけどジョージアの“セックス・アンド・ザ・シティ”なのだと思った。

エテロがこの先どうするかは分からない。
でも我々も人生の折り返し点を通過した頃、
「死ぬ気になって」
「取り返しのつかない冒険」で
「生活設計がめちゃくちゃになる」のも
そんなに悪くない。むしろこんなのもいいのではないかなーと思わせる。
なんでもかんでも失敗が怖くて安全な道を つい選んでしまう僕たち現代人だもの。
ブラックベリーが実り、きれいな黒ツグミがそこには待っている。
「崖」に接近して下を覗いてみるのも悪くない。
どうせ死ぬんだし、
どうせ今は生きてるんですから。

・ ・

同じ東欧の独身女のドラマとしては「ペトルーニャに祝福を」が記憶に新しいくて、プロットもよく似ている。
男たちの世界はあんまり変化の起こっていないこの20〜21世紀だけれど、かたや女たちが主人公になる映画は、地殻変動が目覚ましい。
ジョージアでも旧ユーゴスラビア (現北マケドニア) でも、東欧の女性たちに漸く春のきざし ということなんだろうな。

実はこの映画、年上の独身の親友が薦めてくれたものでして、僕は今からその感想を彼女にメールで書き送らなければならないんですが、
さて、どうしましょうかね!!

きりん