We Live in Time この時を生きてのレビュー・感想・評価
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時折、時間軸を戻り過去の幸福なシーンが挟まれることで強調される構成の巧みさ、フローレンス・ピューの魅力
病に直面した夫婦と娘が、限りある残りの人生を、前向きに力強く生きていく姿を描く。
遺された時間を生きる現在の時間軸に、二人の幸福な過去の出来事を、時間軸を錯綜しながら挿入していく構成が巧みで、これまでの時間の大切さが際立ってくる。
二人が出会う前、男が離婚届にサインをしようとすると、何度もペンが壊れてサインが出来ずに、ついには落としたペンを拾うために事故に遭ってしまうのが悲惨なのに可笑しい。
これも二人が出会うための運命だったように。
「ブラック・ウィドウ」「サンダーボルツ*」「デューン 砂の惑星 PART2」等とはまた異なるフローレンス・ピューの魅力が強く印象に残る。
現在のお話しと関連する過去のエピソードがマトリックスで進行
現在のお話しと関連する過去のエピソードが、交互にマトリックスで進行するという込み入った展開。
過去と現在の違いは、画面上で明確にはされていないのだけれど、物語の流れでキッチリと分かるようになっているのが凄いと思いました。
癌で余命宣告された妻の死まで、夫婦の生活と愛情を描く物語で、それなりに面白かったです。
自分自身の死生観を見つめ直す機会に
フローレンス・ピュー(アルムート)とアンドリュー・ガーフィールド(トビアス)が
共演するということと、予告をたくさん観て、自分の観る意思は決まっていたし、
すごく期待を膨らませて鑑賞した。
アルムートが亡くなるであろうことは、予告などからわかってはいたけれど、
残された時間をどう生きるか、その思いの強さに圧倒されたし、
自分の死生観を見つめ直す機会にもなった。
ただのママで終わりたくない、自分の生き様を娘に刻みたいアルムート、
一方で癌の治療に専念してほしいトビアス、
その思いのぶつかり合う×言い合う自宅でのシーンは圧巻だった。
ここが最大の見せ場だし、この映画の伝えたかったことだろう。
トビアスが欲しかった子ども、その期待に応えたアルムート、
アルムートの生き様を貫きたかった、それを理解しようとするトビアス、
この関係性が実に心に沁みるし、お互いの出会いがふたりの運命だったのだろうと思う。
出産シーンは猛烈に感動した。トビアスの助産が胸を打った。
このふたりの出会い(アルムートがトビアスを車で轢く)が強烈だけれど、
コミカルに描いていて、重すぎないところは好感が持てるし、
何より愛情の紡ぎあげる描写も素晴らしかった。
なによりアルムート演じるフローレンス・ピューの演技、
特に表情の演技がすごい。すごすぎた。
アンドリュー・ガーフィールドの優しさ溢れる慈愛に満ちた演技も秀逸。
アルムートが亡くなった後の、トビアスと娘エラwith犬の日常シーンにもグッときた。
この父娘の心にはいつもアルムートがいる。そういうラストにまた感動を覚えた。
フローレンス・ピューが素敵
わたしはこの映画で初めて知った女優さんでした。
この方の魅力に尽きる作品だなあと思いました。
とっても印象的だったので、あとでお名前を調べました!
お子を望まない、からの妊活、の過程をもう少し丁寧に描いて欲しかったです。
女性にとってどちらも重い決断だと思うのですが。
私に出産や子育て経験が無いからなのか、そこまで感情移入出来ず終わってしまいましたが、暖かい良い映画でした。
妊婦姿があまりにリアルでホントに妊娠して撮影したのかしら(んなわけない)と思っちゃったほどでした。驚きました!
優しい映画、絶対に見て欲しい1本
絶対に見て欲しい今年の映画の1本です。夫婦の出会いから、互いの感情がぶつかり溶け合い最後までを人生の節目をしっかりと描いた秀作です。出産シーン、ヒロインの最後までやりきる姿には涙が止まりません。淡々と描かれる中に二人を包み込むような優しさを感じる映画でした。是非劇場で観て下さい。
時の中でピューを愛でる映画
6月26日(木)
公開3週間で朝か夜の1回のみ上映の映画館が多いなか、15時からの回があるTOHOシネマズ錦糸町オリナスで「リライト」に続いてハシゴで「We Live in Time」を。
トビアス(アンドリュー・ガーフィールド)は離婚が成立し離婚届の書類が送られてくる。すぐにサインしょうとするが、ホテルの部屋のボールペンはインク切れでサインが出来ない。バスローブ姿で近くのコンビニにボールペンを買いに行くが車道に落としてしまい、拾おうとした時に通りかかった車にはねられてしまう。
病院で目覚めると向いの椅子に座って寝ている女。彼を跳ねたシェフのアルムート(フローレンス・ピュー)だった。
こうして二人の出会いは始まる。
彼は彼女の店を訪ねて交際が始まり一緒に暮し始めるが、彼女に卵巣ガンが見つかる。片方の卵巣を摘出し、子を持つ事の意見の相違を乗り越え努力してやっと妊娠する。産気づいて車で向かうも大渋滞。ガソリンスタンドのトイレで店員に助けられながら女の子を出産する。
いつも思うのだがこういうシーンの赤ちゃんをどうやって準備するのだろう?
このシーンを観て娘が生まれた時を想い出した。
家内を産婦人科に連れて行ったら「まだ生まれないから家に帰って下さい」と言われたが、翌朝産気づいてタクシーで産婦人科へ。タクシーの中で「生まれそう」それは勘弁してくれ。やっと到着して分娩室へ。
陣痛が続くが中々生まれない。分娩室の前で待つ私。やっと生まれた。ドアが開く。
「お父さん、中へ」赤ん坊を見せてくれるのか。「手を洗って下さい」言われるままに手を洗ったらハサミを渡され「こことここの間を切って下さい」チョキン。
ヘソの緒を切らされた、いや、切らせてもらった。聞いてないよ!一生に一度の体験をした。
映画に出産シーンやヘソの緒を切るシーンがあるとこの日を思い出す。
閑話休題。
エラを出産してシェフを続けているアルムートは、3年後に世界最高の料理コンクール、ボキューズ・ドールへの挑戦を打診される。ガンが完治していないアルムートはトビアスに内緒で予選に臨み、通る。
本選は6月5、6日。それはトビアスと計画していた結婚披露宴の日だった。
隠しきれなくなったアルムートは本選に挑む事を告げる。「何故だ?」「娘に生きていた母の姿を見せたいからよ」
トビアスは、アルムートの決意に理解を示すが、用意していた招待状を涙ながらにゴミ箱に捨てる。
ガンが進行しているアルムートは鼻血を出しながら、体調不良と戦いながら、体力を付けるために走り込みをして本選に臨み、制限時間内に料理を完成させる。エラとトビアスは、会場でその姿を見届けるのだった。
フローレンス・ピューが頑張っている。
シェフを演じ、バリカンで頭を丸め、スケート、ランニングをし、妊婦姿からトイレでの出産シーンまである。ちょっと脱ぎっぷりが良すぎたか(嬉しいけど)。
そして、どんな時でも彼女の眼差しは魅力的なのだ。
最初のうちは説明なしに時間軸がシャッフルされ、二人の出会いや暮しが前後して描かれる。シャッフルが過ぎる(と私は思った)ので、あまり効果的ではなかったと思う。
私の大好きな映画に「ある日どこかで」がある。原題は、Somewhere in Time.
本作は「We Live in Time この時を生きて」副題が付いたが原題を残してくれて良かった。
公開初日に行けば良かったか。6月6日だったのだから。
ヘソの緒を切った娘も30を過ぎた。週末に一緒に「フロントライン」を観に行く約束をした。
輝きは永遠に……(パクりです)
人生の最期はどうするのか?
なかなかのテーマにブチ当たり、ちょっと羨ましかったり自分だったらパートナーだったらとか色々考えました。
やはり育つ環境の差が外国人と田舎の島国人にあるのかな?
病気に対する告知もやっと浸透した日本ではあるけど“死”に対する向き合い方が違い過ぎるのかもね。
やはり映画は素敵やね。うん。
お互いをリスペクトして二人で……違うな三人で出した答えには尊敬すら覚えるね。
残された者たちの事を考えたら……なんもしないわな。置き物のようにチューブに繋がれて死を迎えるのか。
私達を思って1日でも長生きしたい為だけにしたい事を辞めたのは嬉しくない。
最期まで好きなことを、したかったことをやって欲しかったと考えるのか。
立ち位置で違い過ぎるから。やはり普段から色んな事を話し合うのは大事やね。
エンディングは泣けるかと思えたらちょっと嬉しく微笑ましく安心して「大丈夫。そうこれから先も大丈夫。」ってなりました。
フローレンス・ピューの演技はいいね。それに魅力も十分備えてる。うん。
気持ちが通じ合うカップルが素敵
ハッピーなカップルのハッピーな結婚を描いた、ただただ楽しい映画を見たい気分になり探してみましたが、以外とないことに気付き、びっくり!(コメディタッチのものならあるかなと思って、ChatGPTにもあれこれ尋ねてみたんですが、、、笑)
この話は、病のため、限りある命の中で本当に大切にしたいものを見出したカップルの話、ということで、お気楽には見られない部分があることは覚悟のうえ、近くの映画館で上映していたので観に行きました。
主人公は、才能溢れるシェフであり、妻のアルムート(フローレンス・ピューさん演じる)とその夫のトビアス(アンドリュー・ガーフィールドさん演じる)。
病を克服して一人娘に恵まれ、シェフの仕事も順風満帆とみえた2人に、アルムートの病の再発が襲いかかり、、、というストーリー。
観た感想は、、、主人公のカップルが、考えが異なってもすれ違いで終わらずに、どこまでもお互いを理解し合う関係性で素敵でした。
気持ちが通じ合うというのは素晴らしいなと思いました。
そんな2人でも、付き合いはじめはお互いの考え方や感性のずれが気になっていたのが、一緒に暮らし始めて家族になってゆくに連れて(その過程で、道路脇のガソリンスタンドのトイレで出産してしまうのはなかなか壮絶でしたが笑。主人公2人は迫真の演技です)、ますますお互いの気持ちを理解し合うようになってゆくように感じました。
主人公2人の関係性がとにかく素敵でしたが、考えてみるとこの2人のようにいつも自然体でいられて、相手の良いところをお互いに心から大切にしていて、そんな相手と気持ちが通じ合って、、、そんな関係性というのは、すごく得難いように感じます。2人を見ていると何となく、この2人ってたとえ一緒にいない時でもお互いに心の中で「いつもありがとう」と言い合っているような感じなのかも知れないなあ〜、、、そう感じるくらい、根っこの部分でつながっているように思えました。
アルムートが、一緒に料理コンクールに挑戦する同僚シェフに暖かい気持ちを向けているシーンが色々とありましたが、アルムートの後ろにはトビアスとの絶対的な信頼関係があるから、他の人にも優しくすることができるのかも、とすら思いました。それだけパートナーと心が結ばれている安心感は人生の全てに影響するように感じます。
この作品のストーリーでは、2人で辛い病と向き合う苦しみが描かれているので、観ている側もつらい気持ちになりますが、もし自分が人生で、この2人のように自然体の相手を尊敬できて、理解し合える相手と出会えたら、、、
それだけで人生、万々歳かもしれません笑!
もし出会えたら、毎日一緒にいられるだけでも奇跡的なのだから、あれもこれも手に入れようと欲張ったり、自分の幸せばかり考えたりしない方が良いんじゃないかなぁ、なんて思いますね笑
パートナーと奇跡的に出会えたら、足りないところは「それはまた来世で経験できればいっか!」くらいにゆったりした気持ちでいれば、ちょうどバランスが取れるし、ハッピーなんじゃないかな、、、そのくらい、大切な人との出会いは得難くて、素晴らしいことのように感じた映画でした!素敵なカップルの、素敵な映画でした(でも、病気は悲しいよ〜)。
追伸:
自分は、アルムートのように人前に立って活躍するよりもパートナーをサポートするのが楽しいタイプなので、アルムートのシェフとしての活躍ぶりは眩しすぎる感じでしたが笑、女性がバンバン活躍する今の時代らしい設定で、この配役にはピッタリだなと思いました。
トビアスがコンクールに挑戦する妻を見守ることにしたのは、妻が妻らしさをのびのびと発揮している姿を見るのが嬉しいからだと思いますが、その気持ちは良く分かるな〜、と思いました。
しっかり生き抜くということ
時間軸がいったりきたりするのが、自分には辛かった。せめて○○○○年などの字幕をつけてもらいたい。そうしてもらえると時間軸がバラバラでも頭の中でしっかり整理できたのに😭。その点が残念。アルムート(フローレンス・ピュー)とトビアス(アンドリュー・ガーフィールド)の演技が素晴らしかった。特にアルムートの病気になりながらも自分の信念?を貫く演技は素敵だった。出産シーンやスケート場のシーンは胸が熱くなりました😭。この作品のアンドリュー・ガーフィールドを観たら、スパイダーマン役の彼はスパイダーマンに似合わないと思ってしまった。
ファンは必見。 『ふろぷ〜』節全開。
『ケイト・ウインスレット』の後継者『ふろぷ〜』。
「女子プロ」の映画からだと思うが毎回、『眉間にシワを寄せて強がる割にベソかき』という世界流行のアニメキャラクターで、オファー連発。
『サンダーボルツ』でもベソかいた。(『ミッド〜』はベソのみ。)
なんだかんだ言って”強気な顔からのベソ顔がたまらん。”とか”萌え〜。”とか言ってるヤツらからすると、「アダルトビデオドラマ」並みの流れは泣いて喜ぶだろう。
ゲロ吐きや妊婦姿やクライマックスの「クソかと思ったら産まれる」との台詞のトイレ(何故かこの監督、”便所”にこだわる)出産シーンなど『”綺麗事抜きのリアルな描写”』なんてことを書くやつが出そうだが、その”リアル”は本当に”リアル”なのか?
なんか画面が綺麗すぎて”おんなに気を寄せている”だけにしか思えない。他の映画と区別させようとする『あざとさ』と結局、映画の”まとめ”の詰めの甘さが観ているほうに毎回毎回不満が残すところがこの”男性監督”の特徴。例によってあまり進歩していない。
進歩してないのに何故か映画を作らせてもらえる。不思議である。
時系列を無視した『コラージュ』は少し凝っているが、結局のところ今時全世界どこの国でも描いている『”余命何日イチャラブ”強いヒロイン映画』にしか過ぎなし、
”く〜るジャパン”とか言ってる日本のアニメや小中学生向け小説の得意中の得意な題材。
とはいえ、冒頭から涙目の『ふろぷ〜』。
『ウインターボトム』の映画で見せた「そこまでやるか。」という”ド直球”な出産シーン(『タイタニック』前です。)程の『ウインスレット』の女優魂には及ばないがそれなりに根性はあるイギリス映画界の旬な女優『ふろぷ〜』の”チャーミング”さを観たい人にはおすすめ。
久しぶりの洋画
フローレンス・ピューさんが気になりまくり鑑賞😎
登場人物も少なくてわかりやすかった。
時間軸が時折とんではいたが、まあ分かる範囲。
愛する人と生きていく
病気になっても諦めずに夢を叶える
人として大事なことが詰まってたかなと思う。
闘病に専念せずにコンテストに向けて頑張ってたシーンは、自分勝手やなとも思ったけど
残り少ない人生を精一杯生きたい
そこは自分勝手でもええのかなと
輝いてる姿を娘に見せたいというのもわかるしね
人それぞれこだわりや想いがあるからね
フローレンス・ピューさんは良かったね😎
出てる映画探してみてみたいと思った😀
旦那役も、娘役も良かった😎
たまには、洋画も観るもんやね。
また、たまに洋画も観よう😛
家族のためと言いつつ、それは自分のためだよね
アルムートは、わがまますぎるな。そこが鼻についてしまい、感情移入できず。
家族のため、というが、その内容は「弱って死んでいったママ」という記憶でいてもらいたくない、というもの。それって自分目線では?
そんなことよりも、雨の中迎えにきてくれなかった、結婚式を御破算にされたっことの方が、受けた側にとっては記憶に残っちゃうよ?
死期が迫って、治療よりも自分のやりたいことをやるのは良いと思う。それは、彼女が選択すべき。でも、それなら、ちゃんとそのことをトビアスに伝えて、協力して欲しいと頼むべきでは。それを断るようなトビアスではないよ。
トビアスは優しすぎて、泣いて招待状を捨てるところなんて見てられない。これが本当にアルマードの言う「家族のため」だなんて思えない。
初めのうち、過去に戻っているのが分からず、治療方針が合わなくて、トビアスとアルムートが離婚するのかと思ってしまい、病院の場面ではトビアスが記憶喪失になったのかと思ったわ。アルムートの眉が若い頃はうんと太眉メイクなところくらいしか変わらず、もう少し分かりやすく過去のビジュアル変えて欲しかった。
主演ふたりの演技が素晴らしい
とにかくフローレンスピューが素晴らしい。
表情の可愛さに釘付けになってしまう。
赤ちゃんのシーンは泣いてしまったが、
いやいや、陣痛あんなもんじゃないし、
あんなオドオドした夫、実際だったら出産中キレちらかしてるよ。
ちょっと綺麗にしすぎ。
子供がいる人のほうが、より響くかな。
ただ、赤ちゃんには泣きました。
時系列バラバラにした意図は
多分その瞬間瞬間をわたしたちは生きてますよ、
瞬間のつながりが今に繋がってますよと
そういうことを言いたかったのかな
去り行く時に残るのは、映像ではなく、体温なのかもしれません
2025.6.12 字幕 MOVIX京都
2025年のフランス&アメリカ合作の映画(108分、G)
余命宣告をされた料理人の生き様を描いたヒューマンドラマ
監督はジョン・クロウリー
脚本はニック・ペイン
原題の『We Live in Time』は
直訳すると「私たちは時の中で生きている」と言う意味
物語の舞台は、イギリスのロンドン郊外
バイエルン料理のシェフ・アルムート(フローレンス・ピュー)は、ある日のこと、路上に飛び出してきたガウン姿の男を車で轢いてしまった
彼はシリアルの大手企業ウィータービックスの営業マン・トビアス(アンドリュー・ガーフィールド)で、彼は離婚間近で届出に使うペンを購入するためにホテルを飛び出していた
その後、二人は親密になって交際がスタートするものの、トビアスは交際初期の段階の会話「前のパートナーの話」から飛躍して、結婚したら子どもが欲しいかどうかと言う価値観の話をしてしまう
アルムートはトビアスの仮定の話には答えられないものの、彼は何も言えずに彼女の元を去ってしまった
映画は、この二人の10年間を追いかけると言うもので、前半7年が恋人関係、後半3年が結婚生活と言う感じになっている
それを時系列シャッフルする構成になっていて、冒頭とラストは対比になっていた
家庭菜園や森で食材を採るシーンがあり、ラストではトビアスと娘エラ(グレース・デラニー)が冒頭のアルムートと同じように卵を取ったり、それを料理したりしていく
シーンごとに妊婦だったり、闘病生活だったり、恋人時代だったりと目まぐるしくはなっているものの、トビアスが娘に対して母のことを語っていく順番のようにも感じられる
卵巣がんが発覚し、アルムートの人生観が変わって、子どもを持とうと考えるのだが、元々はシェフとして行けるところまで行きたいと言う欲求があった
再発後にも仕事は続けていて、そこで元同僚のサイモン(アダム・ジェームズ)からイギリス代表予選の話を聞き、彼女はある決意をする
それが夫婦間で共有されていないために拗れるのだが、トビアスは決して彼女の夢や人生を阻もうとは思っていない
でも、彼が言う「家族が目撃者でなければ意味がない」と言うのは大切なことで、ただ大会だけを見るよりは、日々の研鑽をも含めてエラに見せた方が良いと思う
アルムートは「弱っていく自分」をエラに残すことを拒むものの、「弱っていく中でも強く生きること」を見せるのはとても大事なことのように感じる
エラの年齢ではそこまで理解できないし、大会の凄さもわからないと思うのだが、そう言ったことは残された写真や映像などから知るので問題はないだろう
だが、その場にいたと言う空気感は残されたものを鮮明にさせる力があるので、エラがスケート場のことを思い出すとしたら、うまく滑る母ではなく、3人一緒に並んで滑った時に感じた両親の手のひらの温度なのかな、と思った
いずれにせよ、物語としての起伏も凄く、時系列シャッフルも相まって飽きさせないつくりになっていた
それぞれに喪失があって、それを埋めることになるのだが、どうしても埋められないものは残ってしまう
そんな隙間に入るのは、何気ない日常と生きたきた証だと考えると、トビアスが感じていた「結果ではなく過程を見せる」と言う感覚はアルムートをより良い人生に向かわせたと思う
そう言った部分がサラッと描かれているのが本作の特徴であり、劇的なシーン以外にも多くの場面でさりげない心が描かれていた
個人的なお気に入りシーンは「救急車で運ばれた後のジェーン(Kerry Godliman)とサンジャヤ(Nikhil Parmar)のグータッチ」で、グーを先に出したのがサンジャヤだったことだろうか
また、コミとして大会に参加したジェイド(リー・ブライトウェスト)の心意気も凄くて、それでも大会前に吐いたりするところも人間味があった
このような細部にわたって人間がたくさん出ていた映画だったので、心地よく観られたのかなと感じた
万人におすすめできるロマンス。
病に冒された妻とそれを支える夫が限りある時間を後悔なく生き抜こうとする話。
フローレンス・ピュー演じるアルムートのエネルギーと、アンドリュー・ガーフィールド演じるトビアスの包み込む優しさがずっとマッチしてた。
よくあるお涙頂戴もののストーリーだと思っていたけど、これが一体全体良かった。
2人の困難に直面する度に取る選択と、その描写がすごく良かった。
それと作中に出てくる街や部屋のインテリアも魅力的なのが印象的だった。
妻の死後の世界が微笑ましく表現されているのが今までになく、余計に余韻をもたらした。
この先もこの映画から何か力を貰う気がする。
素晴らしい作品でした。
今しか生きられない
見終わってこの映画は夫目線の回想の時間軸で描かれていると思いました。夫は交通事故の後遺症で高次脳機能障害を患ったのではないかと思います。記憶障害で短期記憶が覚えられないためメモをこまめにとったり、ストップウォッチで時間を管理している、大切なこともメモを見てでしか思い出せなかったり。そして物語も過去現在が交錯しているのは、長期記憶がより印象に残っているからではと。妻もそれをわかってちゃんと自分の言葉で気持ちを伝えているのだと思った。だから、しみったれず、くどくなくストレートに2人の軌跡が観る側にも入ってくる。お互い疾患を抱えて苦悩しながらも恋人夫婦でいる時間や家族としている時間が丁寧に描かれている。お互いの気持ちの変化が説明なくとも伝わる。難病テーマの映画ですが、そこに潔さと清々しさを感じました。そして、今しか生きられない辛さもあるのだなと。過去と今が共存して、「今」につながっていく、記憶に残る良い映画だと思いました。
素敵なシーンがいっぱい。
フローレス・ピューのキュートさと素晴らしい演技力を堪能。
派手さはないが素敵なシーンがいっぱいで泣けて勇気のもらえる映画でした。
こういう映画を観るとダラダラ生きている自分に焦りを感じるなぁ〜。
〈お気に入りの名シーン〉
・ガソリンスタンドのトイレでの出産シーンのあとのふたりの店員のグータッチ。
・料理の世界大会の助手が真似して短髪にした時に言った気の利いたセリフ「これで空気抵抗をなくせる。」
・バスルームで妊娠中のアルムートのお腹の上にトビアスからもらったお菓子を置くラッコスタイル。
・病院の診察室でお腹が鳴り医師と3人でお菓子を食べるシーン。
・ラストの娘エラが料理をして卵を平らなところで割るシーン。
ピューちん
フローレンス•ピューをピューちんと呼ぶ運動の支部長をしています。嘘です。それはともかく、ピーターとエレーナが泣いてる姿を見ながら俺も泣いた。GSのトイレのシーンは細かいセリフのやりとり含めて感動的だ。
時系列バラバラに並べて繋ぐ構成は好き嫌いもあるだろうが、それぞれのシーンが概ね短いことで脳内モザイクまたはジグソーパズルとしてちゃんと成り立っているという感想でした。
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