We Live in Time この時を生きてのレビュー・感想・評価
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君が残してくれた宝。
事故きっかけで出会い、後に結婚をしエラという娘を授かる女シェフ・アムルートとトビアスの話。
2人の出会いの過去から今現在を行き来しながら見せ、病気を患ったアムルートは病気になったからといってネガティブにはならず前向きに生き、娘エラに何かを残せればと…。
出会った頃、子供は欲しいと思うトビアスと子供はいらないと思うアムルート、体調不良から診察で見つかったステージ3の卵巣ガンを機に片側だけでも残し子供をとなるけれど。
アムルートとトビアスの今までの経緯を見せられ授かった子供の出産シーンには泣かされる。病気だからといって下を向かず前向き何かをしよう、残そうとするアムルートの姿は素敵!トビアスの優しさ包容力、娘エラへの優しさ、一緒に卵を割るシーンに癒された。
時間軸をバラバラにした効果があったとは思えない
物語の時間軸がバラバラなのは、「癌との闘病」という重たくなりがちな話に、コミカルなアクセントを加えたかったからだろうか?
確かに、夫が、元妻との離婚届にサインしようとしてから、交通事故の被害者と加害者として現在の妻と出逢うまでの経緯とか、出産が迫った妻を病院に送り届けようとして、縦列駐車の前後の車に阻まれるシーンとかには、どこかトボけた味わいがあるし、渋滞で動かない車の中で産気づいた妻が、近くのガソリンスタンドのトイレの中で出産するくだりには、スリルと笑いが入り混じった面白さがある。
その一方で、妻が坊主頭になるまでは、「現在」と「過去」との区別が付きにくく、場面の繋がりの悪さに混乱するし、自分の頭の中で時系列を整理するのも大変で、果たして、このような構成にする必要はあったのだろうかという疑問も残る。
中でも、子供を欲しがっていなかった妻が、卵巣癌になって、初めて子供を設けるということを現実の問題として認識し、卵巣の1つを残す決断をしたということが、物語の中盤で明らかになるのだが、この決断が、後の出産や癌の再発という流れに繋がっているだけに、もう少し早く知っていれば、物語を観る目も違っていたかもと思えてならない。
さらに、冒頭で、妻が、憂鬱な治療を受けるか、明るく前向きな余命を送るかで悩んだのは、癌治療の辛い経験があったからだろうが、その割には、最初の治療の状況はほとんど描かれないし、結局、妻が、延命よりも「生活の質」を選び、医者に緩和処置を要望するような場面もなかったことには、闘病モノとして「舌足らず」な印象を受けざるを得ない。
その「生活の質」にしても、妻が選んだのは、料理コンテストに挑戦するということなのだが、確かに、娘に、「弱っていくだけの自分を覚えていてほしくない」という妻の気持ちも分からなくはないものの、むしろ、家族と一緒に過ごす時間をできる限り確保するという選択肢もあったのではないかと思えてならない。
ましてや、妻が、コンテストの練習のために、娘の保育園のお迎えをすっぽかしてしまうことなど、本末転倒も甚だしいと思えるし、自分が頑張る姿を見せたいはずなのに、コンテストに出場することを、家族に隠そうとした理由もよく分からない。
確かに、命が尽きるまで、シェフとしての道を極めようとした妻の姿は感動的ではあるものの、スケート選手だったとか、バイセクシャルだったとかの妻の過去の設定は、果たして必要だったのだろうかという疑問も残った。
美女とイケメンとグルメ
去り行く命と生まれてくる命が交差する世界で
この映画は難病をテーマにしているものの、主人公夫婦と作品自体が常にユーモアに満ちており、とても観やすかった。
物語は時間軸が複雑に交差する構成で、特に序盤は頭が混乱した。
新しい場面に切り替わるたび、それが結婚前なのか後なのか、子どもが生まれる前か後か、1回目の治療中か2回目の治療中かといったことを、画面の情報から推測しなければならず、理解に時間がかかった。
かなり早い段階で夫婦に娘がいることが明かされるが、結婚前の場面では妻となるアルムートが「子どもは欲しくない」と考えているため、「なぜ子どもを授かることになるのだろう?」というミステリーになっていた。
結婚前は子どもを望まない妻と子どもが欲しい夫で、二人の関係は破局寸前まで行くが、途中で考えを変えた夫の「先の未来より今が大事」という言葉に感動。
この場面があるから、映画序盤で夫婦が下す大きな決断も、この二人なら必然だと感じられた。
結果的にアルムートは子どもを作る選択をするが、その後の彼女の運命を知っている観客としては、その選択が大きな代償を伴うことに胸を締め付けられる。
そして、娘が二人にとってどれほど重要な存在であるかを思い知らされた。
最終的にアルムートが「娘のため」に行動する姿は、結婚前の彼女からは想像もできない変化だが、映画を通して彼女の変化を追うことで納得できるし、その変遷は非常に感動的だった。
中盤の出産シーンは、他の映画では見たことのないような壮絶な場面だった。
このシーンでは、画面に映る役者全員の演技に圧倒され、まるで舞台劇を観ているかのようだった。
扉の鍵が壊れてベテラン店員の女性が「私に任せときな」という雰囲気で取った行動には思わず笑ってしまった。
全力で泣かせにくる場面にもできたはずなのに、こうした場面でもユーモアを忘れない点が好感を持てた。
シェフであるアルムートと部下の女性の関係も素敵だった。
料理への純粋な気持ちと相手を思いやる心から、二人がバディになっていく過程は観ていて気持ちよかった。
最後の料理シーンは、師匠から弟子への一子相伝のようにも感じられた。
この映画は「過去にこういう行動をとった人だから今こういう行動を取るのは当然」というように、登場人物たちの行動原理が一貫していて、脚本が巧みに感じた。
ただ、それとは別に、個人的にもやもやする気持ちも残った。
アルムートと自分は別の人間なので考え方が違うのは当然だが、もし自分だったら「一度乗り越えられたのだから次も余裕で乗り越えられるはず」と考えると思う。
娘もそっちの方が嬉しいはず。
個人的に9ヶ月間の地獄のような抗がん剤治療の経験があるが、友達も恋人もいない自分がもしアルムートと同じ状況になったとしたらそうするだろうし、大切な人がいて強い意思を持つアルムートであればなおさらそうするのでは?と映画を観ながらずっと考えていた。
生き切った
ちょっとトリッキーなマスターピース
美しい撮影で、人生において何が大切なのかを問いかける人生賛歌。
あらすじだけ聞くとここんとこ日本に溢れてる可哀想だけを求めてるような余命ものに思えるがさにあらず。「量よりも質」を人生に求めるってどういうことか、を例示してくれる。
ちょっとトリッキーなのは時系列が弄られていることだけど、いろいろな局面におけるピークが映画の終盤にまとめられてて図らずも涙腺決壊…
笑って、泣いて、幸せになって、あと映画になに求めるんだっけ?ってなる。
兎に角、主演2人の芝居が最高なんだけど、泣きのアンドリュー・ガーフィールド、愛のフローレンス・ピュー、って感じで言うことなし。
特に出産絡みのシーンはいずれも幸せな雰囲気に満ちてて何度でも観たい。
これ、新しいマスターピースなので絶対に観ておくべき。
限られた時間の過ごし方とは
凄腕のシェフ・アルムートは突然車道へ飛び出してきた離婚協議中のトビアスを車でひいてしまった。病院で目を覚ましたトビアスは看病してくれてたアルムートから事情を聴き、恋に落ちた。アルムートとトビアスはやがて一緒に暮らしはじめ、妊娠し、娘が生まれた。そんなある日、自分がガンで余命がわずかであると知ったアルムートは、娘のために何か残そうとし、料理の大会に出る決意をした。そんな話。
時が遡ったりする意味を考えながら鑑賞してた。
全てが余命数ヶ月とわかってから、これまでの人生を悔いがないか、なかったか、なぞっているような構成だった。
これが良かったのかどうかは比較出来ないのでわからないが、効果はあったような気がする。
イギリス人が料理の大会、っていうのは笑ってしまったが。フランス料理っぽかったが、モダンヨーロッパ料理?だっけ?
うろ覚えです。
アルムートを演じたフローレンス・ピューは今回も体当たりの素晴らしい演技だった。助手をしたシェフ役のリー・ブライスウェイトも魅力的だった。
思い出の数々を見ているよう
採点4.3
ジョン・クローリー監督による、限りある愛の時間を描いた作品。
まず、二人の過ごしてきた時間を前後に散らせた構成がすごいうまい。
「あんな事もあった、こんな事もあった」と振り返る、主人公トビアスの思い出の数々を見ているよう。
そしてフローレンス・ピューの情熱的な、アンドリュー・ガーフィールドの穏やかな、その二人の交錯した芝居がとても素晴らしかったです。
本当に見入るようでした。
衝撃の出会い、訪れた恋、結婚、妊娠、壮絶な出産、再びの闘病、自身の証としての挑戦、家族と共にもう一度挑戦。そして、バイバイ。
その余白を残したラストはとても優しく、エンドロールが始まった途端涙で溢れていましたよ。
しばらく余韻が残る程、とても素敵な愛の物語でした。
一般指定で見るのはやや厳しいか
今年139本目(合計1,680本目/今月(2025年6月度)2本目)。
イギリス・フランス合作ということですが、シェフシーン以外等を除けば英語です。ただし、フランスが絡んでいるので、あの謎の旋律のCANAL+は出てきます(ただし、フランス映画ではない)。
この映画の最大のポイントとして、時間内直視するのが難しい描写が多いというところもあります。「行為」を想定できるシーンや出産シーン、さらに吐しゃシーンとそこそこ多いので(ただし、一般指定なので配慮されている)、ちょっと厳しいと感じる人はいらっしゃるのでは、と思います。ただ、映画の述べる趣旨は理解しやすいし、日本でもストーリーの趣旨はある程度妥当するようなところはあるので、「直視が難しい」という点をどう取るか、というところになります(光の点滅等のシーンは存在しない)。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.2/やや直視が難しいシーンがある)
もっとも、出産や吐しゃシーン等は理由があるのであり、一般指定でもあるので配慮もあるところ、連続して出てくるようなところもあり、何らか配慮は欲しかったです(120分ちょっとという長さですが、ポップコーンだの何だの持って入ると多分吐きそう)。
(減点0.2/英文法的な話/分詞構文上の意味上の主語)
トビアスの発言に以下のような部分があります。
> Technically speaking, we still are but we’re also divorced.
> (専門的に言えば、今も婚姻中だけど、実際には離婚(状態)しているんだ)
この文は分詞構文にあたります。「専門的に言えば」の意味上の主語は「私」(トビアス)ですが、「今も婚姻中~」の意味上の主語は示されている通り we (夫婦のこと)でズレが生じます。このような場合、厳密には主語を補う必要があります(このように自明な場合かつ「正しい意味」が理解可能な場合、省略しても英文法的には許容されるか、注意程度で減点されないことも多いが)。
ここは英文法的に厳密にはまずいかなといったところです。
フローレンス・ビューの体当たり演技が凄かった
フローレンス・ピューとアンドリュー・ガーフィールドが出演する夫婦愛ドラマ。予告編を見て面白そうなので鑑賞。
限りある命を後悔しない為に最後までエネルギッシュに生きる夫婦の姿を時間軸を織り交ぜながら爽やかに描いています。
やはりフローレンス・ピューの魅力満載で多くの名監督から指名されるのも理解できます。最初から最後まで様々なエピソードが時間系列が順不同で
最初は気になりましたが脚本と演出が上手で次第に気にならなくなりました。結果的には時系列順で普通に見るより飽きないで見れて正解だったと思います。
幼いころから人格と才能と肉体に恵まれ様々な経験を経ての一生を爽やかに演じる女優としてフローレンス・ピューが素晴らしかったです。
おススメ度は満点。
主役の二人の熱演はとても良い。
人生の選択と人生の流れが交差する
様々な時間が交差して描かれる人生の美しさ
「僕が見るべきなのは、目の前の君だった」
▼感想
THE RIVERに試写会に招待頂きました!ありがとうございました!
アンドリュー・ガーフィールドとフローレンス・ピュー、好きな俳優と好きな俳優のラブストーリーなので気になっていた作品!
ストーリーは様々な時間が交差して描かれる。二人が一生懸命生きた大切な「今」を目に焼き付けた。「残された時間を精一杯生きる」を描く映画かと思っていたけど、それだけではなく二人の人生の様々な瞬間に美しさや力強さを感じた。
フローレンス・ピューの演技は本当に心に響く。ピュー演じるアルムートがトビアスに自分の想いをぶつけるシーンは涙した。彼女とアンドリュー・ガーフィールドが様々な人生の瞬間を演じていて、この二人以外のキャスティングは考えられない作品だった。鑑賞後は二人のことがもっと好きになった!
終盤のシーンには涙したけど、この作品は「泣ける映画」ではなく「励ましの映画」。鑑賞後は自分の人生、家族との時間をもっと大切にしようと思えた。
▼お気に入りのシーン
アルムートがトビアスに自分の娘への想いを語るシーン!
編集と設定に魅せられる
試写会にて鑑賞
「夫と子供がいる主人公が癌」
しかも、キノフィルムズ。
あーー、はいはい と思い
期待せずに劇場へ
まず、面白かったのは
時系列がグッチャグチャ
ヒロインの髪型で 脳内で
時間軸を組み立てる
その設定も斬新
元フィギュア選手
バイセクシャルで
ボキューズ・ドールのメダルを狙う
レベルのオーナーシェフ
よくもこれだけの設定を詰め込んだ
~と 思わせる。
んが しかし、 これがちゃんと
映画になってるの。
しかも そのヒロイン、
不妊治療 にも勝利して
まさかのシチュエーションで
出産。
子供のお迎えを忘れて
自分の結婚式をキャンセルしつつ
料理のオリンピックに参戦
夫に問い詰められて
自分の人生・仕事・母として
終盤の子供に向けての
メッセージを語るシーンは
今に生きる 仕事を持つ母親には
共感を得られるであろう
名シーンだった。
人生いろいろ(島倉千代子風に)
そこをなんで隠したんだろ
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