劇場公開日 2025年6月6日

「時間軸を越えてあふれ出す人生の輝き」We Live in Time この時を生きて 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5時間軸を越えてあふれ出す人生の輝き

2025年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

思いがけない感動作で、思いがこみ上げてきた。『500日のサマー』『アバウト・タイム』を思い起こさせる趣きある本作が伝えるのは、人生や物語は線形ではないという真理。物語がシャッフルされ、時間軸を行ったり来たりしながら主人公二人のラブストーリーを点描する。最初にいきなりこれを食らうと「?」と一瞬だけ混乱するが、理解が追いつくとこの語りの構造そのものがタイトルを象徴していることに深く納得がいく。私たちは生から死まで長いトンネルを歩いているのではなく、ある意味で「瞬間の連続」を生きている。それも悲しみや苦しみに蓋をするわけではなく、あくまで一つの生き方として、喜びに包まれた思い出や記憶の一瞬一瞬を噛みしめることで、生が尊く瞬きだす。そんなメッセージが胸を熱く震わせる。もちろんこれはピュー&ガーフィールドの魅力あってこそ。彼らが奏でる驚きと笑いと率直さに満ちた化学反応が、輝きを永遠のものとしている。

コメントする
牛津厚信
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。