死に損なった男のレビュー・感想・評価
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浅い人間の付き合いかた
なかなかセンスのよい撮り方で、地味だけどスルメのように味わい深い、名作の臭いがする映画でした。
水川かたまりさんのチック症のような瞬きが少し気になりましたが、クセみたいなもんですかね。
人間の付き合いかたは、狭く深く関わると綾の元夫のようにストーカーのような存在になってしまうため、一平のように広く浅く付き合う関係の方が上手くいくのだなあと思いました。
最後の方で、一平が希(堀未央奈)に声をかけて、電車の中での和やかな雰囲気の会話が印象的でした。
死に損なって、人生を再出発できる可能性を一平や綾の元夫が示してくれたと思います。
唐田えりかさんの白い歯(ホワイトニングなんだろうけど)の笑顔を見て、また彼女の出演映画を観たいと思いました。
運命。
仕事に疲れ、電車に身投げしようとしたが隣の駅で起こった人身事故のアナウンスが駅ホームに流れ死に損なった構成作家・関谷一平の話。
死に損ない踏みとどまらせてくれた人物が気になり調べれば森口友宏と分かり、その見知らぬ森口友宏の葬儀へ出たことで森口から取り憑かれる関谷だったが、森口から頼まれたことは娘・綾にしつこく付きまとう元夫を殺してくれと言われ…。
唸り声を上げ、切羽詰まった様にも見えた駅ホームのイスに座る森口、ストーリーが進めば身投げではなく、履いてた靴の紐につまづき線路に落ちたと分かっていくけれど。
「関谷一平よ~」と呼ばれるデフォな関谷と森口の関係性が何か面白く、娘の元夫を殺す為へと関口の書く脚本に森口のアイデアと、…後に分かる森口自身の妻との葬儀、思い出を絡めながら見せた“ピラティス”の葬儀コント、…はホントに面白く、作品を観てるのではなく、ネタ番組を観てるんではないかと声を出して笑いそうになったし錯覚した。
エンドロールを見ればコント監修インパルス板倉って名前を見て納得したし、元夫に突き飛ばされ腰を痛め森口家で休む関口、…からのお茶の“ペットボトル開けて下さい”の間にも流石芸人さんの間って感じでそこにもお笑いを感じたね。
正直期待せずに観た作品だったけれど退屈な時間もなく楽しめた。
(オンライン試写会は内容に関係せずネタバレ扱い)正規の公開日にはおすすめ枠に入りそう
今年35本目(合計1,577本目/今月(2025年1月度)35本目)。
オンライン試写会に招いていただいた fansvoice さま、ありがとうございました。
さて、こちらの作品です。
いろいろ自信が持てず、ある駅から飛び降りようとしたその瞬間、別の駅で事件があり、その「別の人」がお化けになって主人公と色々交流しながら成長するお話です。
もともと、この作品自体が、お笑いコンビの水川かたまりさんが出演されているなど、全般的にコメディ色が強いのは確かですが、「駅から飛び降りる」「命とは何か」といったやや重い話題を扱うため、明確に「ここで笑って」というようなシーンはなく、また配慮が必要であろう点についても配慮されていた点が良かったです。
「やや」問題提起の点を含む映画ではありますが、全般的にコメディ色もありつつ、そうした重い話題を扱うがゆえに明確なコメディ枠でもなく、色々と考えさせられることが多いです。
この映画に関して特筆すべきなのは、その主人公を演じる水川かたまりさんをはじめ、比較的経験が浅い方を重点的に起用しているのか、一般的に映画でよくエンディングロールほかでお見掛けする方があまり出てこない点があります。ただ、いわゆるインディーズ映画かというとそのようなところも感じられず(実際、正規の公開日は大手のなんばパークスシネマでの放映扱いになっている)、いわゆる「重役勢ぞろいの豪華キャストで成功が約束されている」映画と異なり色々チャレンジングがある中で作品としては無難に揃っているといったところです。
主人公とその「幽霊となって出てくる人」との交流と結末は…といった映画ですが、ここに関してはネタバレになりましょうから回避します(一応、いくつか「これは書かないで」というものが2、3個ありますので、それらは意図的に回避しています)。
採点は以下まで考慮はしたものの、4.7以上あるため5.0に切り上げています。
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(減点0.2/心裡留保と第三者保護要件)
(身分行為ではない)心裡留保は、善意の第三者に対抗できません(相手方には善意無過失まで要求する)。
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