死に損なった男のレビュー・感想・評価
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シュールとコメディの融合
お笑い構成作家の身に起こった数奇な出来事
好きな作品のひとつになった。設定がほんと面白かった。行き詰まって線路に身投げしようとしてた主人公の関谷一平は、ひとつ前の駅で起きた人身事故により自身は死ななかったのだがその人身事故で死んでしまったおじさんの幽霊に取り憑かれることになる。
関谷一平は空気階段の水川かたまり、おじさんは正名僕蔵。このキャスティングが絶妙だった…!!
関谷一平は、お笑いのプロダクションに所属するお笑い担当の構成作家。ファンも居たり、作家としてはそこそこ一目置かれている立場。
元空気階段ファンとして言わせてもらうと、かたまりに当て書きして書いたんじゃないかと思う脚本過ぎて…。(監督も当て書きなのかと複数の人に聞かれたらしいけど納得)。もはやこれは関谷一平の話でもあるけど、かたまりが、空気階段にはならずにお笑い芸人にはならずに、お笑いの構成作家として生きて行った場合のパラレルワールドの水川かたまりの人生を映画化した作品にもみえた笑。構成作家として生きるかたまりの身に、元国語教師のおじさんの霊が憑いたら、その娘さんを救わなきゃいけなくなったら、そのおじさんとコントの設定を共作することになったら…こういう言葉を言ってこういう展開が待ってるんだろうなっていうリアリティのありすぎる内容。かたまりの実績や人となりを知ってる人からしてみれば、面白くて仕方ない内容だったと思う。
最近マルセイユも劇場でよく見るから、ピラティスを演じたマルセイユのふたりの演技も好演で、感情移入しちゃった。他にも現役芸人の人がたくさん出ていて、自分の好きな業界の話だったので終始良かった。
一番の見所である、ピラティスの次へのステージがかかったコンテストの見せ場のシーン。めちゃくちゃ面白くてめちゃくちゃ泣けた…。色んな人たちの想いが重なって、爆笑しながら号泣して忙しかったよ…。(バンドとかお笑いの映画って、成果物というか、色々試行錯誤して出来た音楽やネタが、端折られたりするとモヤっとするのに、作品によっちゃライブのシーンだとかネタをやるシーンが省略されたり省かれたりするから、この映画がそういう映画になってなくて本当良かった。エンドロール見たらコント監修が板倉だった。ちゃんとしてて良かった)
ラストの方や終わり方もすっごく良かったなぁ。
こういう、ドラえもんで言うドラえもんだったりヒカルの碁で言う藤原佐為的な主人公の人生を良い方向にしてくれる幻的な人って、いつの間にか消えちゃうとかやたらと切ない泣けるシーンでこちらの感情を揺さぶってきたりするけど、この映画はそこを主軸とはしてないし、色々気になるところはあれどこの作品の持つ淡々とした雰囲気のままいくのでめちゃくちゃ良かった。あと個人的好きなシーンとして、ラーメン屋のシーンでラーメン頼む時にやたら声デカくなってラーメン屋の店員みたいなラーメンの注文してるかたまりが可愛すぎた笑。かたまりらしさで言えば、おじさんの娘の危ないところを助けるところとか、体痛めて横になりながらペットボトルのお茶を飲むところとか、自分の意思じゃない事をなんとなく流れでやらされてくところとか、らしさが際立つ見所がいっぱいあって…思い出すだけで笑っちゃうポイント盛り沢山だったな笑。私は行ってないけど舞台挨拶でもぐらが出て来て、もぐらもこの映画ちゃんと観てたの嬉しかった。絶対空気階段はこの映画好きだもん。
田中征爾監督の前作の「メランコリック」観てた時も、かたまりみたいな主人公だなぁと思ったけど、パンフにもよくそれを言われたと書いてあった。監督は、何かを主人公が課せられた時、その課題に1番沿わないキャラにそれをやらせるのが好きらしい。それが好きとのことだけど、その展開を映像化するの多分めちゃ上手いこの監督笑。
監督・脚本・キャスト、そしてmoshimossの音楽ね…ぴったり過ぎ。超かっこ良い。エンドロールまで世界観に堪能出来る音楽を流してくれる映画が私は好きです。
観れて良かった、好きな作品です。
あれっ、これ意外に面白い
予告が一番面白い
お笑いしっかり、メリハリしっかり。
他に見たい映画もたくさんあったが、ポスターとかたまりになんとなく惹かれて鑑賞した。
そこそこは期待していたものの、とてもよかった!!
最初は少し怖い映画なのかもという雰囲気がよぎるが、さわりだけでちゃんと人間ドラマしてました。
どうなるかわからないワクワク感からのお笑いと、ハラハラと、とてもメリハリが良くて、夢中になりました。
かたまりを主演にしているだけあって、お笑い要素もしっかり、笑わせながら、泣かせてくる展開はグッときました。
笑いと感動の感情というのは近いんだなあ、と。
脚本がしっかりしてるだけでなく、俳優陣もとってもいい。
唐田えりか好きなのはあり言うことないし、正名僕蔵もぴったり過ぎ笑
掘出しものの映画でした
江戸落語 台本幽霊
自殺し損ねたコントの構成作家に幽霊が憑りつき殺人を依頼されるジェントル(?)ゴーストストーリー。
私なりの見どころを二点。キャストが良かった。特に主演の水川かたまりはお笑い芸人の方らしいが、見た目も声も共演のプロと張り合える好演だ。冒頭は、ちょっと馴染まなかったが、途中から役にハマり始め安心して観ていられた。更に磨けばイケメン俳優として活躍されるかも。
もう一点は、各所で少しハズしてくるのが楽しめる。主人公は優しい青年で時折見せる不器用さが可愛らしい。主人公に憑りつく幽霊もこれも不器用な幽霊だ。競馬帰りのオッサンのような身なりだし、うるさいし、二人の掛け合いはそれだけでコントが成立っている。
予告編でストーリを想定できると思いきや、最後まで微妙にハズしてくるのが面白い。この愛らしい間抜け具合が、まるで落語のように楽しめる作品です
生かされた男達
踊り場リスナー
良かったよ、殺さずにそして死ななくて
面白かったです。
でも万人受けするとは言えないかもしれませんのでオススメはしません。
カメラの使い方が印象的で「へぇ〜なるほど」と楽しみました。
・どことなく盗み撮りしているようなアングル
・電車から降りた時の脚下、靴だけのシーン
・関谷一平と森口友宏がブレストしてるシーンで画面は2人だけど鏡に映るのは関谷一平だけ
・家に帰ってコーンフレークに牛乳を注ぐシーンのアップ
・動く馬のおもちゃ、オブジェ
・町中華で2人で話しているけど周りの人が不思議そうに見るシーン
等が気に入りました。
構成作家残酷物語の一方でDV被害がもう一つの軸になっているけどそのシーンは描かれて無いのも良い手法だと思いました。
「夢が叶った先には何も無かった」というのは難しいテーマを描いたものです。
子供達ばかりでなく大人でも夢を持て、夢を与えよ等と当たり前の様に言われる世ですからね。
ところでその後森口綾さんはどうしたの?
基本しんどい空気は流れている
2025年劇場鑑賞58本目。
エンドロール後映像無し。
中盤まで出てくる人出てくる人役名ある人からエキストラクラスまで、とにかく全員イライラしていて、殺すぞ!死ね!とか舌打ちとかもうとにかく弱った心にはしんどいなぁと思って観ていました。監督がもう病んでんのか?と思いましたよ。
まぁなんやかんやあっで、起承転結の結では「やさしいせかい」になっていてこのメリハリのためかとは思ったんですが、ちょっと極端過ぎかな。
お笑いコンビでボケがキャラ強くて一見そっちの方がイカれてそうだけど、実はツッコミの方が狂気をはらんでいる、というパターンが好きで、レインボーの池田とか、この空気階段のかたまりもそうなんですが、やっぱり一番はキングオブコメディの高橋健一ですね。大ファンだったんですが本当のヤバい人で逮捕されちゃいました。制服も安くないので盗まれた被害者の方には金銭的にも精神的にもご苦労あったと思いますが、やっぱりこれくらい狂った人のお笑いというのは一線超えて面白かったんだなと思いました。
話はずれましたがかたまりさんの個性が強すぎてちょっと邪魔になるかな、と思っていたのですが実際この脚本でこの行動に無理がなくなっていていいキャスティングだと思いました。後正名僕蔵がこんなにメインで見ることないので、それも貴重だなと思いました。
うるさい
⭐︎3.6 / 5.0
正名僕蔵がこんなにフューチャーされた映画をシネコンで観れる喜び!
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