死に損なった男のレビュー・感想・評価
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インパルス2人のコントを、いつかまた観たい。
物語の中で出てくる漫才やコントって、たいていつまらなくて、でも物語の中では面白いというテイで進んでいくのがお遊戯みたいでいつも嫌だった。
この作品では、芸人の役には芸人を起用し、劇中コントもしっかり笑ってしまう面白さがあり、それがまたその後のエピソードで涙を誘うというストーリーへの調和もありとても良かった。監督の、お笑いという芸に対するリスペクトが伝わった。
エンドクレジットを見てみると、劇中のコントはインパルス板倉さんが監修しているという。
脳内で、ぽっちゃり女装の堤下さんと白髪混じりのヅラを被った板倉さんに置き換えて余裕で再生できた。緊張のスピーチで声を上ずらせたり慌てたりする板倉お父さん、ちっとも可愛くないのに変な可愛げムーブで小さなゴメンをする堤下さん。
あぁもう一度、インパルスお2人のコントを見たいなあ。
そんなことを考えながら帰路についた夜でした。
レーティング基準
★5 最高に気に入っていて、今後も繰り返し観るべき作品
★4 とても気に入っていて、また観返すであろう作品
★3 気に入っていて、機会があったら観るかもという作品
★2 いい映画だとは思うが、私はもう観ないであろう作品
★1 自分の好みでもなく、人にも勧められないと思う作品
★0 酷い、映画に対する侮辱、謝れ、観なければよかった
関谷一平よ!
空気階段の水川かたまりを始めとして脇を固める演者が芸人の方が多く、ストーリーにスっと入ってきました。悲哀も含めて。邦画の弱点のひとつ、ギャグがすべって、こっちがいたたまれなくこともなくかなり笑いました。
演出も、とてもよくて、ある場面で唐田えりかさんがファスナーをあげるところなど、それで緊張感がグッと増すなど気が効いてるなぁ、と。
そして全く知らなかった正名僕蔵さんが本当にいい。声もよく通るし、演技にメリハリが効いてて違和感がない。すぐに殺せ!ってエキセントリックすぎですが、あまりに言いすぎてそのうち可笑しくなるのもいい。途中のある法則も本編には関わらないのですが、解像度を増していておもしろかったです。
大人にとってのイマジナリーフレンドは、ほとんどの場合は地縛霊なんですよね
2025.2.25 MOVIX京都
2025年の日本映画(109分、G)
自殺願望があった構成作家と彼に取り憑く幽霊との騒動を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は田中征爾
物語の舞台は、都内某所
お笑い芸人などの構成作家をしている関谷一平(水川かたまり)は、多忙を極める中、ふと最寄駅にて飛び込み自殺を図ろうと考えてしまった
だが、彼を轢くはずだった電車は到着せず、一つ手間の駅にて人身事故を起こして止まっていた
気を取り直した一平は、そのまま日常に帰るものの、どうしてもその事故で死んだ人の事が気になってしまう
そこで、現地に行って駅員に聞いたり、ネットで調べていくうちに、その男が森口友宏(正名僕蔵)という60歳の男性であることがわかった
何を思ったのか、一平は関係があった人のふりをして葬式に突入し、その顔を拝見していく
喪主は娘の綾(唐田えりか)で、彼女にまとわりつく不審な男(のちに元夫・若松克敏と判明、演:喜矢武豊)を目撃してしまった
その後、何事もなかったかのように帰宅した一平だったが、突如彼の前に友宏が現れてしまう
友宏は「知らん顔が葬式に来たことが気になった」ようで、その素性を探るために追いかけてきた
一平の目的を知った友宏は気味が悪いと思うものの、友宏のことが見えて、さわることができるのは一平だけのようだった
そこで彼は、一平に元夫を殺すように脅しかけるのである
映画は、このシークエンスに来るまでに結構な尺を取っていて、主に一平の日常を切り取っていく
職業映画の様相を呈し、普段はあまり深くは立ち入らない構成作家の日常というものが描かれていた
一平は小説家を目指していた時期もあったが、今は構成作家としての夢を叶えていて、そこそこの生活ができていた
だが、夢を叶えた先にあったもののために、彼はそれ以上の人生を歩む意味を見失っていたのである
映画では、成功したけど空虚という理解し難いような理由で死のうと考えてしまう人間を描いている
同じタイミングで後輩作家の沢本(森岡龍)も死のうと考えていて、彼は後輩でありながらも一平よりも成功している作家だった
また、一平の同僚のマネージャーの希(堀未央奈)もふとしたきっかけで落ちる可能性があって、その危うさというものがメインで描かれていた
彼らは全員孤独で、仕事で頼れる人はいても、何気ない愚痴を交わしたりできる人がいなかった
そう言った癒しから遠く、真面目な人間ほど陥る何かがあって、それがふとしたきっかけで背中を押す、という内容になっていたのである
いずれにせよ、芸人主役で監修に芸人が入っている作品なので、もっとコメディ寄りなのかなと思って見ていた
だが、実際にはかなり社会的な内容の濃いヒューマンドラマになっていて、良い意味で裏切られた感じがする
都会は人がたくさんいるけれど、いればいるほどに増す孤独感というものがあって、それを解消するには何が必要かを描いていく
一平にとっての友宏は地縛霊だが、実際には大人にとって大切なイマジナリーフレンドのようなもので、彼が生き続けるために贈られた神様のギフトなのかなあと思った
もしもあなたが憑かれたら
駅のホームから飛び降りようとしていた『関谷一平(水川かたまり)』は
一つ前の駅で人身事故が起きたため一生を得た。
その時に亡くなった男に興味を持ち、
葬式に行ったのは良いが
彼の幽霊に取り憑かれてしまい
離れるための条件を提示される。
娘にストーカーまがいの行為をしている
元の夫を殺してくれ、と。
ここでいきなり殺しの依頼はなんとも剣呑。
生前は国語教師だったとの男の設定は
いきなりこんな殺伐とした要請で良いのか。
近づかないようにしてくれ、とか
考え方はあるというもの。
おまけにこの幽霊、
のべつ幕なしに現れるのに加え、
『関谷』には肉体的なコンタクト、
例えば胸倉を掴むとか、
張り倒すとかが可能な設定。
なかなかの新機軸も、
だったら他にやりようがあるのでは、と
思わぬでもない。
そうした違和感は、最後まで付いて回る。
主人公が自殺を考えたのは、
殺伐とした世間への嫌悪と
「構成作家」の仕事に精神的に疲れてしまったから。
ゴールは見えず、次から次への台本のリクエストは途切れることなく
先も見通せない。
一方の取り憑いた側の『森口友宏(正名僕蔵)』が亡くなったのは
まるっきりの事故によるもので
この世には未練たらたら。
娘のことが心配でならず、成仏などもっての外。
そんな二人が、互いの利害のために協調する。
が、シチュエーションは真正の{コメディ}なのに、
笑える場面が少ないのはなんとも惜しい。
他の人には見えない設定は使い古されているので、
新たな可笑しさを生み出すのが難しいのは十分に承知も。
逆にしんみりとするエピソードの方が多く、
お笑い界から多くをキャスティングしているのが生きていない残念さ。
どうやって霊を振り払うのか、が
一つの見所も、望外の収穫が劇中に。
お笑いコンクールに参加する二人組「ピラティス」のために
『関口』と『(幽霊の)森口』が共作するコントの秀逸さ。
『インパルス・板倉俊之』の監修と聞くが
笑わせてほろっとさせる展開に、
つい涙腺が緩むほど。
幽霊には足が…ある!
芸人が主演ということでB級コメディみたいな感じなのかなと思っていたけど、意外や意外、ちゃんと映画でした。設定や展開もおもしろかったし、水川かたまりも喜矢武豊もなかなか良かった。
なんと言っても着眼点が良い。ある意味自分の代わりに死んでくれたおっさん。そのおっさんが幽霊になって自分に取り憑いた上何故か殺人を強要してくる。なぜそのおっさんは自分にだけ見えるのか、そしてなぜ自分はあの時死のうとしたのか。
幽霊になってなりふり構わなくなったおっさんの暴走と、仕事に忙殺されその先に何も見いだせなくなった構成作家。これは名コンビ誕生でしょう。周りから見たら異常者やけどね。あと元旦那の武器がちっこい鍬みたいなやつだったのがまだおもろい。
忘れてるかも知れないけど、死んでんだからね、アンタ!
2月24日(月・祝日)
右手小指の骨折はまだ治らない。MOVIX川口で「死に損なった男」を。
昔、熱帯魚を飼っていた。だから映画の主人公が熱帯魚を飼っていると水槽に何がいるのか気になる。本作でも主人公が熱帯魚を飼っているが、ネオンテトラやコリドラスだった。ある意味定番だ。
お笑いの構成作家の関谷一平は、ある程度成功して良い部屋に住んでいる。熱帯魚も飼っているし、部屋も片付いている。
しかし、締切りに追われて疲れ充実感が無く、付いてない事が続き駅のホームから身を投げたくなる。しかし、隣の駅で人身事故が発生し電車が来ない。そのアナウンスで我に返った一平は会社に戻り眠る。
翌日、人身事故は自殺だったと知る。彼の事故のため助かった?一平は調べて森口友宏の葬式に行く。しかし、部屋に戻った一平の前にジャージを着た森口友宏の幽霊が現れる。「お前は誰だ?何で俺の葬式に来た?」
そして幽霊は娘のDVで別れたが付き纏う元夫を殺せと命じる。殺さなければ一生背後霊のように一平に纏わりつくと言う。
一生纏わりつかれてはと、言われるままに付き纏う元夫を監視したり、殺そうとしたりする一平だったが、…。
元国語教師の幽霊がコントのネタ作成に手を貸すのを含めて意外な展開の脚本は面白かったのだが、幽霊が登場するまでがもう一つだ。あと、幽霊ネタだからかも知れないが、画面が暗すぎた。コメディタッチなのだからもっと明るくても良かった。殺しを強要していたが、最後には一平の彼女へのアプローチを後押しする幽霊もなかなかだ。
結局、丸く収まる?ラストも良かったが、もう一つランクアップする余地もあった。
コント監修がインパルス板倉なのも納得だった。
幽霊オヤジが面白かった
お笑いにあこがれ構成作家になったが、報われない日々に絶望感を持った関谷一平は、駅のホームから列車に飛び込もうとした。しかし、隣の駅で人身事故が起き、列車が来なくなった。死に損なった一平の前にその人身事故で死んだ熟年男の幽霊が現れ、娘に付きまとっている男を殺してくれ、と、一平に殺人を依頼してきた。そして、男を殺してくれるまでその幽霊は一平にとり憑いて離れない、と脅してきた。さてどうなる、という話。
一平が飛び込み自殺をしようとしてたのは多少理解出来ないでもないが、あれくらいの落ち込みで死のうと思うものなのだろうか?
また、幽霊のオヤジも娘の元夫のDVが許せないのはわかるが、殺すまでの動機がある様には思えなかった。
ま、幽霊オヤジ役の正名僕蔵は面白かったから良いけど。
葬儀の時の話を漫才ネタにしたり、してて、誰が漫才ネタを作ってるのかとエンドロール見てたら、インパルスの板倉だった。
なるほど、と納得した。
娘役の唐田えりかはスタイル抜群で美しかった。背中が特に色っぽかった。彼女には苦労した事による憂いと華があると思う。
主人公が死を求めてから復活して、前向きに進んでいくというのは良かっ...
関谷一平よ
幽霊にとり憑かれて娘に近付く元夫を殺害せよと依頼される男性のお話です。
関谷は線路に飛び込もうとしたところで結果的に死に損ない、人身事故で命を落とした幽霊に付き纏われることになります。
幽霊だけど影があって、やたら人間味を帯びた幽霊と関谷のやりとりはとても面白かったです。
最後は一気に感動的な流れになり、生き生きと笑顔でネタの話をする関谷に安堵。その一方でこれからも幽霊とずっと一緒かも、、という不安が😂
ヴェノムみたいなおっさん
まったく関係ないのに殺人を命じてせっつく、うるさい、こんなモノに付き纏われたら迷惑以外のなにものでもない。いちいち「関谷一平!」とフルネームで呼びかけるし。
でも、このふたり、もうきっと離れられない。
主人公に憑き纏う、迷惑な幽霊に意外とお笑い作家のセンスがあり、主人公が彼を相棒として頼ってしまうって、「ブロードウェイと銃弾」みたい。
水川かたまりは、意外なくらいの好演。役柄にぴったりはまって、当て書きのよう。
チックが出たりするのも、物書きありがちそうでリアルな感じがする。
几帳面で部屋がきれいだし、神経質なんだろうが、他人にそれを押し付けることもない。
控えめで自分からぐいぐい行くことはないが、人との接し方に如才なく、空気も読んで失礼にならない態度で人付き合いができる、極力他人を傷つけないよう振る舞う善良なタイプ。そして、結構正義漢でかなりのお人好し。優しい、いいヤツなのだ。
たまりかねて綾に説明に行くって、当然ながら撃沈、綾さん、ドン引き。通報されなくてよかった。
包丁持って若松のアパートに行ったり、守口の自宅で若松と対峙したりは、どうなるのかと思ったが、一平ちゃんらしい決着の付け方で凌ぎましたなあ。
一平ちゃんが綾ではなく、さり気なく自分を支えて助けてくれる希の方に好意を持ったようで良かった。幽霊のおっさん、人を見る目がありそう。
気持ちが「死」に直面している人には、おじさんが見えるよう。
通じる回線が開くのか。
順風満帆に見えても、その人の内面は傍からはわからない。
芸能人の自殺が連鎖したことがあったが、ほとんどが仕事はあるしルックスが衰えたわけでもなく、どうしてあの人が、という理由がわからない人たちだった。
関谷一平は、かなり売れっ子構成作家で仕事も次々来る、やりたいことをして仕事に困らないのに何故死にたい願望が沸くのか、「憧れの位置にたどり着いたら何もなかった」からという。
ディズニーの「ソウルフル・ワールド」でも主人公がそう言っていた。「あれほど憧れていたのに、たどり着いたら何も感じない、普通だ」と。これは燃え尽き症候群とは違うのか。
「生き延びた」ことを噛み締めて、次の一歩を踏み出す関谷一平が良い感じ。
でも、中華屋でおじさんとネタの打ち合わせは止めたほうが良いと思う。
お笑い世界の内幕に結構時間を割いており、そちらも面白かった。
子を想う、親の気持ち
正直、笑いありかな?と期待してました。が、ちょっと違いました。
娘を思う親の気持ちはよく伝わりましたが、でも、殺しちゃダメでしょ?って思いました。
自分を犠牲にして、改心させたのは、結果的には良かったと思うけど……
不思議な世界観?。感じました。
悪霊vsアホ
死に損なった男が、ひょんなことから悪霊に取り憑かれ、しつこく殺人教唆されるストーリー。
なにせ頑固で怒鳴り散らすオヤジの悪霊が支離滅裂で終始不快でした。しかも、ほぼ無関係の主人公に対し、自身の仇敵を◯せ◯せ・・・とひっきりなしに。
この人生前、普通に教師だったみたいですが、不慮の死をとげるともれなく倫理観がぶっ飛んで、あんな感じで頭おかしくなり、悪霊化するんでしょうか(笑)。
仮に◯人が成功したとして、この主人公は最悪捕まって懲役刑になったり、運良く逃げ延びたとしても◯人犯になってしまったという良心の呵責を、一生背負わなければなりません。これはまともな人間なら生き地獄確定で、一生悪霊に取り憑かれたほうが、100倍マシかと思います。
さらに、ちょっとびっくりしてしまうのは、この作品の脚本、設定において「◯人達成後のシミュレーション」は凄く都合の悪い事項だったみたいで主役の放送作家の発言からも一切言及されず、オヤジに対しても甲高い耳障りの良くない罵声で的外れな反論し・・・アホ確定(笑)。
支離滅裂でアホテイストなブラックコメディだったらそのまま突き進んでしまえば良いのに、最後はとってつけた様な人情モノでまとめるし、オヤジは自身の娘の感情を理解してなくてむしろ恋路を邪魔までしてるし・・・読後感の悪さも特級呪物でしたよ。
では。
主人公の 下まつ毛に アイラインは、、意味ある?
元ダンナ殺セ
話の切り口は良かった
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