「バディ映画が好きな人は必見」死に損なった男 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
バディ映画が好きな人は必見
コメディ映画は当然として、バディ物映画が好きな人におすすめの作品でした。
死に損なった男と死んでしまった男という奇をてらったアイデアですが、主人公と霊のバックボーンをしっかりと描き、誰しもが楽しめる作品となっておりました。
勿論、平行線だった2人の距離感が縮んでゆくというバディ物のお約束もしっかりと踏襲。
物語が進むに連れて2人の動向から目が離せなくなります。
正直、観るまでは水川かたまりさんの演技に少々不安があったのですが、開始早々の表情でその不安は一辺に吹き飛びました。
死を選び、そして死を諦めた時の表情は必見です。
観ているこちらまでも緊張してしまいました。
瞬きが多いのはご愛嬌。
コントでも瞬きが多い方ですが、映画では「ここぞ」という表情の時、瞬きを控えているので、ちょっと感服してしまいました。
ゴールデンボンバーの喜矢武豊さんも光ってました。
パチスロ台を叩きそうになる演技や土下座の巧さに笑い出しそうになりました。
この2人を相手取り、安定の凄みを発揮していたのが霊を演じた正名僕蔵さん。
目を見張るだけでホラー映画並みの怖さを醸し出してきますし、主人公を追い詰めて来る姿に狂気さえ感じさせてきますが、ちゃんとコメディとして成立する演技に徹しているんです。
やはりとんでもない方でした。
繰り返しますが、お笑い業界が好きな人に刺さる作品なのは勿論、コメディ映画やバディ映画が好きな人にも間違いなく受け入れて貰える作品。
「監督の脚本が優れている」という事がひしひしと伝わる作品ですので沢山の人に観てもらいたい逸品でした。
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