劇場公開日 2025年5月2日

「すごいものを見せてもらった…」未完成の映画 らべさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0すごいものを見せてもらった…

2025年5月2日
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鑑賞方法:映画館

始まりから何がリアルで何がフィクションかよくわからないままこの作品の世界へ。でも冷静に考えてこのシーンにカメラマンがいるの変だよね?というところで初めてフィクションの世界である事に確信を持って落ち着いた(笑)

後から読んだ説明で監督が婁燁ご本人ではないところでわかりやすくフィクションであることが提示されてるんだと気づいたけど、観てる時はそんな事も思いださないくらいリアルさに戸惑っていた(笑)

理由は今でも正確にはよくわからないけれど、とにかく心を揺さぶられ、終始うるうるしながら鑑賞。観る前は購入を迷っていたパンフを終了後迷いなく買い求めに行った。そしてパンフを読んでまた泣きそうになった…

ありえない事態で突然人との絆がブチっと切られても人は人との繋がりを求める。人間の根源みたいなのが浮き彫りになっていてなんだか心が震えた。フィクションだけどドキュメンタリー。文字だけだと胡散臭くも伝わってしまいそうな表現だけど、そうとしか言い表せない作品。貴重な記録映画に思えた。

私は中国文化に詳しくないので映画に流れる音楽のこと、歌詞の示す意味などはちゃんとわからず終わってしまったので少し勿体無いなという感覚。届けたい人には届かないのだろうなという思いもして歯がゆい…

上映後には客席から力強い拍手が沸いていた。そんな体験は日本の劇場では珍しい気がして、思わず私も拍手した。

らべ