劇場公開日 2005年11月3日

「兄弟物語の感動要素が欲しかったし、そもそも主人公が逆なら良かった」ブラザーズ・グリム Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5兄弟物語の感動要素が欲しかったし、そもそも主人公が逆なら良かった

2024年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

モニカ・ベルッチ、マット・デイモン、ヒース・レジャーと人気と実力が伴った俳優たちが出演しているギリアム監督作品である。

永遠の命を手に入れて生き続けている女王(モニカ・ベルッチ)が、村の若い女性12人を犠牲にして魔法で若さを手に入れようとする。ホラー映画になりそうな話なのだが、描写的にコメディテイストが強いため怖くない。

冒頭グリム兄弟の少年時代から始まる。そのまま少年の冒険物語にしたほうが万人受けしそうなのだが、主人公の二人は、現実主義の兄のウィル(マット・デイモン)のモテモテキャラと対照的な内気で空想家の弟ジェイコブ(ヒース・レジャー)の詐欺師で感情移入しにくい。尚、モデルになったグリム兄弟とは設定は大きく異なっている。兄と弟も逆で、ヴィルは病弱な弟であった。

今作の社交的でモテモテの兄さんと、モテない知的な弟の配役は逆のほうがしっくりくると思った。
ハッピーエンドになる展開は、いかにもグリム童話といったところなのだが、教訓やメッセージが見当たらないのが残念。
大画面で迫力を楽しめる。
しかしスリルも感動も乏しく、ギリアム監督は円盤の特典映像のコメントでカエルを舐めるシーンがセクシーと言っていたが、イマイチそうとは思えない。監督はきっと変態に違いない。
時代考察、虫や動物、植物も建造物も魔法の映像も見応えがあるので、ストーリーのほうがオマケだと思えば評価できる。

Don-chan