「グリム童話のテンコ盛り」ブラザーズ・グリム bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
グリム童話のテンコ盛り
グリム童話というと、子供向けディズニー映画のイメージが強く、善人が、悪人を懲らしめてメデタシ・メデタシみたな童話と思いがちである。しかし、原作は、かなりダークで、グロい内容で、決して子供に推奨できるものではないと聞いたことがある。私達が抱いているグリム童話は、あくまで、ディズニーが、誰もが楽しめる内容に脚色した作品に、洗脳逸れているようである。
確かに、『白雪姫』は、毒入りリンゴによる殺人事件であり、『赤ずきんちゃん』は、狼に食べられて、助ける為とは言え、狼の腹を引き裂いて、石を入れるなんてスプラッター。また、『ラプンツェル』も少女監禁で、『ヘンゼルとグレーテル』では、暖炉の炎の中に、魔女を突き飛ばす少年少女…と考えれば、グリム童話のダークさを、改めて感じる内容である。
本作では、そんなグリム童話の中の名作をモチーフにして、魔女退治の専門家と名乗る詐欺師のグリム兄弟を主人公としたダーク・ファンタジー。魔女退治をする振りをして金儲けをしていたグリム兄弟が、ひょんなことから、ラプンツェルの塔に閉じ込めていた本物の魔女と、対峙していく物語。
中世ヨーロッパを舞台とした村の様子や建物、背景などは、物語のシチュエーションに合わせて、リアルに描いていた。また、CG映像も18年前の作品としては、それなりに駆使されて見応えはあった。ただ、今観ると、ストーリーもCGも、それほどの驚きの展開もなく、よくあるパターンの内容だった。
但し、グリム兄弟を演じていたのが、若き日のマット・デイモンとヒース・レジャー。今や一流俳優の2人が、まだまだ青臭さが残る中での、テンポよく、コミカルな会話は、なかなか楽しめて豪華な共演だったと言える。