「恋愛と世界の謎」九龍ジェネリックロマンス 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛と世界の謎
2025年。池田千尋監督。漫画を原作にしたSFラブロマンス。記憶を保存して自分自身のコピーをつくることができる世界。そこでの想定外の事態として、街自体が誰かの記憶を元に蘇ってしまったこと、そこにありえないはずの死者のコピー的人物が存在していることが、人物たちの恋愛をとおして徐々に明らかになっていく。計算され構築された「人造人間」的な世界に、まぎれこむ制御不能な事態。そこから「新しい存在」が生まれていく物語。表面に恋愛があり、裏に世界の謎の追求がある。気持ちよくないわけがない。
しかも映像がすばらしい。すでにとっくに解体されている九龍はないけれど、台湾で撮影した雑然とした路地裏の実景もすばらしいが、主人公の女性が自らを発見していく過程を表す部屋の撮り方、鏡の撮り方、過去を発見していくトンネル効果的な映像。自らの「前世」とでもいえる存在と恋人との悲痛な別れを目撃する主人公の立ち姿がすばらしい。わきで白いカーテンが揺れている。主演の吉岡理帆25年。池田千尋監督。漫画を原作にしたSFラブロマンス。記憶を保存して自分自身のコピーをつくることができる世界。そこでの想定外の事態として、街自体が誰かの記憶を元に蘇ってしまったこと、そこにありえないはずの死者のコピー的人物が存在していることが、人物たちの恋愛をとおして徐々に明らかになっていく。計算され構築された「人造人間」的な世界に、まぎれこむ制御不能な事態。そこから「新しい存在」が生まれていく物語。表面に恋愛があり、裏に世界の謎の追求がある。気持ちよくないわけがない。
しかも映像がすばらしい。すでにとっくに解体されている九龍はないけれど、台湾で撮影した雑然とした路地裏の実景もすばらしいが、主人公の女性が自らを発見していく過程を表す部屋の撮り方、鏡の撮り方、過去を発見していくトンネル効果的な映像の展開。自らの「前世」とでもいえる存在と恋人との悲痛な別れを目撃する主人公の立ち姿がすばらしい。わきで白いカーテンが揺れている。
