「スイカを食べながらタバコを吸う」九龍ジェネリックロマンス アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
スイカを食べながらタバコを吸う
スイカ食べながらタバコを吸うのが好きな鯨井令子のそのタバコは「キャスター」。ずいぶん昔にブランドが変更されたが当時のそのタバコは妙に香料が効いていた。スイカにはピッタリハマる味なのだろう。そんな些細なことも含め、映画を通じてこの世界観がとても好きになってしまいました。もちろん最大は「九龍要砦」を見事に映像で蘇らせてもらったことです。現存してる頃に行ったことはありませんが、何故か懐かしさが込み上げてきます。過去の記憶を持たない鯨井令子が感じる懐かしさと似ています。彼女が暮らす部屋やちょっとした雑貨や調度品、チャイナドレス、工藤と一緒に勤めるゆる〜い感じの不動産屋さん、活気ある商店街や飲食店、。と冒頭から暫くの間続いてた日常風景がとても好きです。当時の香港らしさが残ってる台湾でオールロケをはったとのことである。
いつのまにか鯨井令子と工藤はその距離が縮まりはっきりと「恋」の到来を認識するようになる。そして喫茶店「金魚茶館」で鯨井令子は自分と瓜二つの鯨井Bの写真を見つけてしまう。そこにこの世界を図らずも作った蛇沼製薬の社長や喫茶店の従業員だったタオ・グエンが加わり物語が動いていく、、。観ている私たちもこの世界が「偽物」であることを割と早い段階で知ってるのだが、何としても2人の「恋」は成就して欲しいと願う。しかしその結末は、、。
エンドロールが始まり、近くで観ていた人は席を立ったが、最近はエンドロール後のラストショットも珍しくない。そして、なんと今回は、。
原作は未読。エンドロール後のエピソードは映画版オリジナルなのでしょう。気持ちよく映画館を出れました。私の評価は今年の邦画トップクラスとさせていただきます!
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