劇場公開日 2025年8月29日

「吉岡里帆ファンは必見」九龍ジェネリックロマンス 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 吉岡里帆ファンは必見

2025年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

漫画原作でアニメ化もされており、今回実写映画化ということでしたが、原作もアニメも未見の状態で鑑賞しました。お目当ては主演の吉岡里帆。その観点からは彼女の魅力が存分に表現出来ていて、100点満点の作品でした。
ただ内容的には、その設定を理解するのにかなりの時間を要しました。「何故九龍城に日本人が沢山いるんだ」から始まり、「何故日本語と中国語が混在しているんだ」「九龍城は取り壊されたはずなのに、時代設定は?」、そして「主人公の鯨井令子(吉岡里帆)や工藤発(水上恒司)は何者なんだ?」と言った点に至るまで、あらゆる点で謎に包まれたお話でした。まあここが本作最大の魅力なのでしょう。そしてその謎が徐々に明らかになって行くのが面白い所ではありましたが、逆に秘密のベールが剥がれるたびに、どうにも私には理解できない設定となっていて、最後まで作品世界に馴染めませんでした。原作を読めばもう少し詳しく、かつ納得の行く形で説明されているのかも知れませんが、映画を観ただけでは正直良く分からなかったのが残念至極。

さらにその辺の理解不足を百歩譲っても、ラストが良ければまあ納得出来たと思うのですが、結局日本映画にありがちなハッピーエンドになったのもガッカリでした。これまた原作には詳細な説明があったのかも知れませんが、あそこはビターエンドで終わって欲しかったと思いました。

俳優陣では、冒頭で触れた通り吉岡里帆は期待通りの活躍であり、また相手役の工藤発を演じた水上恒司も、吉岡の相手役に相応しいカッコ良さを見せてくれたと思います。それ以外にも、蛇沼みゆき役の竜星涼の怪しげな演技も良かったと思います。願わくは嶋田久作にもう少し迫力ある役柄を与えてくれればベストでしたが、それは望み過ぎというものでしょう。

そんな訳で、吉岡里帆ファンとしては楽しめる作品でしたが、全体的にはしっくりこない物語設定であり、本作の評価は★3.4とします。

鶏
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