ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうたのレビュー・感想・評価
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ドニー・エマーソン・・・知らんかった
1970年代後半、ワシントン州で暮らす10代の青年ドニー・エマーソンは兄ジョーとデュオを結成し、父が自作してくれたスタジオで数々の楽曲を作った。しかし、制作したアルバム「ドリーミン・ワイルド」は世間から見向きもされなかった。約30年後、このアルバムがコレクターにより、埋もれた傑作として再評価された。そんな実話に基づく話。
聞いたこともない歌手の話で興味が持てなかった。
ドニーの妻役のズーイー・デシャネルは魅力的で、もっと観たかったかな。
104歳と迷ったが、哲代さんにすれば良かったかも。
実話だと思うとなおしんどい
2025年劇場鑑賞36本目。
エンドロール後映像無し。
十代の頃自主製作で作ったレコードが三十年後にコレクターに発見されバズりはじめ、再発売したところ大ヒットした兄弟の話。今の説明で映画の8割は終わっていて、これだと5分で終わるのでそこからダラダラと過去の経緯(そんな大した話でもないですが)を交えながら、現在の話が語られます。この兄弟、音楽に関していえば全く対等ではなく、音楽の才能があり、音楽でほそぼそと生きていた弟と、それになんとなく付き合っていて現在は全く音楽に関わっていないお兄ちゃんという感じなので現在の技量に圧倒的な差があってそこを弟に一方的に責められるというのが観ていてほんとに辛かったし、それが実話だと思うとなおさらこんなの映画にせんといてくれと思いました。
期待度◎鑑賞後の満足度⭐ すいません。Linda Ronstadt の“Willin'”が劇中で流れた瞬間、もう冷静に観れなくなりました。家族の為に躊躇いもなく献身・協力する家族愛に涙が止まらない…
①『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を観て以来、ケイシー・アフレックは現在最もご贔屓の俳優になりました。つまり、出演作は必ず観過ごさないということ。
今のところその出演作に裏切られたことは有りません。
本作も然り。
②久しぶりのボー・ブリッジス、若き頃は如何にも人柄の良い青年、中年になってからは如何にも人柄の良いおじさんと、見るからに善人というキャラクターのせいで演じる役柄は狭かったかもしれないけれども(弟のジェフ・ブリッジスと違って)、本作でも如何にも家族思いの人柄の良いおじいさんを相変わらず演じていて正に適役・好演である。
③少なくとも、恥ずかしながらこの歳になって一つのことをこの映画は気付かせてくれた。
家族が困っているとき、問題がある時に無償で支援するからこそ家族なのだということを…
75点ぐらい。いい映画だった。
観ようか迷ったけど、ズーイー・デシャネルとボー・ブリッジスが出てたので観ました。
事実に基づく映画で、10代に作ったレコードが30年後に脚光を浴びる話なんですが、全然ありえる話。
埋もれた名曲&名アーティストって、ありすぎるぐらい、ありますよね、メチャクチャ。
ゴッホだって、本当に評価されたのは死後だしね。
この映画を観てて思ったのは、やっぱり自分の心に魂に素直に正直に生きた方がいいと思いました。
夢があるなら、やりたい事があるなら、やるべき。
売れる売れないじゃなく、自分が本当にしたいことをやれてる人は幸せだと思うし、その姿は美しい。
たとえ、生活が多少苦しくてもね。
映画で描かれるのはドニー&ジョー・エマーソンというデュオで実際の曲も使われてて、音楽が良かった。
俳優陣が彼等や彼等の家族を演じますが、俳優じゃない実際の映像も使われてます。
いい映画だった。
エンドロールが流れるなか美しい余韻に浸りながら、そう思いました。
ズーイー・デシャネルは『(500)日のサマー』を観てからファンなんですが、今回は出番が少ないし彼女の魅力がイマイチ炸裂してない。
もっと綺麗で魅力的なのにな…(笑)
家族
楽しんだかい?夢は見なくちゃ
《星空》寝なきゃ夢は見られない。これ以上、家族に迷惑はかけられないから…迷惑なんかじゃない!エマーソン兄弟とその父 = 三者三様それぞれの思いが交錯する、人物描写の丁寧さに奥行きがあって一元的でない深い家族ドラマ。本編通してツボを押さえた選曲の妙と歌詞も沁み入る…。自身への赦し・受容と家族との融和・和解。魔法のような夜空が夢いっぱい広がっては、心に沁み入り満たされる。そして、夢が美しいならみんなに見せてあげないと。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』こういう役が本当によく似合うケイシー・アフレック ✕『ラブ&マーシー』ビル・ポーラッド脚本監督作品で、同じく音楽映画な今回も同様の語り口・似た構成による、時に息の詰まるような苦しい作家主義を見て取れる。同じく前作から繋がりという点では、作中でもブライアン・ウィルソンと形容されていた。
深いポイント。作品冒頭まもなく見つけられては一見トントン拍子に順調だし家族も仲良く家族円満な様子で、「ロックバンドのドラマーだぜ!!」という兄の無邪気なはしゃぎよう喜び方に、一方で悶々とした様子の当の本人ドニー。実家から離れて、あまり戻っていないことも感じられる。そして、見進めていく内に、「(最初のあそこのシーンは)そういうことだったのか」と見え方・景色が変わってくるような…という見せ方・構成ストーリーテリングが上手い。
ドニー(ドン)が書く歌詞の過去形という重さ、10代ティーンエイジャーと思えぬ悟り。『ハニーボーイ』ノア・ジュプがまたしても主人公の子供時代・若かりし頃を演じる実話。才能がありながら繊細でどこか暗く、現代パートでは絶対に失敗できない完璧主義な弟(ケイシー・アフレック/ノア・ジュプ)と、不器用に自分を犠牲にしてきては、そんな弟を支えてきた兄(ウォルトン・ゴギンズ/ジャック・ディラン・グレイザー)。現代パートと過去パートを演じる役者が皆よかったし似ていた。
いつでもお前の味方だ。全員素晴らしいのだけど、個人的には普段クセの強い役柄のイメージの強いウォルトン・ゴギンズの静かな名演がよくて涙を誘った。賞レースに絡んでもおかしくないんじゃないだろうか、というアンサンブルキャスト。兄を演じる2人のあの何とも言えない顔よ。弟が音楽をプレイできる日々が本当に楽しかったんだよな、人生輝いていたんだよな、というのが言葉にせずともよく伝わってくるのだ。音楽自体への熱量や家族の関係性含めて、また少し違うかもしれないけど、例えば『シング・ストリート』兄が頭を過ぎりもした。
ジャック・ディラン・グレイザーの「楽しんでこいよ!」と弟を送り出した後の顔も良かったし、彼自体『IT/それが見えたら終わり』や『シャザム』でずっと"相棒"を演じてきたわけだし、兄弟を演じた本作でもある意味ではそういう立ち位置なのがよかった。…という意味で、ジャック・ディラン・グレイザーは、これからの世代のジョン・C・ライリーだ!
とにかく家族を息子を信じる父ボー・ブリッジスも最高だったし、自身も本当にシー&ヒムでミュージシャン活動をしている妻ゾーイ・デシャネルもよく合っていた。ライブ前の手ブレ撮影によるドキュメンタリー感。再評価の機運に対して表現者とは変化して成長するもので「今の自分を見せたい」というアーティストとしてのエゴに、再結成して往年の曲を演奏するだけという大御所バンドみたいな創作面でスリリングさに欠ける金儲けの手段か(それらも彼ら自身が作った曲だから誰に文句言えたものではないのだが)。
夢を叶えるためには本業の仕事くらい頑張らないと。そして誰もがかつてどこかで一度は諦めた夢がもしも叶いそうならば、どんなことをしてでも掴み取らないと。終盤の父に今まで抱えてきた苦悩や思いの丈を打ち明けるシーンは、その内容自体はそれまで作品通して十二分に伝わってきたものであったけど、演技・演出そしてそれまで積み重ねてきたものの力強さがあって、『グッド・ウィル・ハンティング』くらい本当に価値のあるシーンになっていたし、その次の兄とのシーンも実に感動的だった。家族っていいなとその絆を感じさせ、深く深く揺さぶられるものがあった。
anon 名もなき者
1700エーカーから65エーカー
♪Tender In the Night / ジャクソン・ブラウン
P.S. 帰り道は、エマーソン兄弟のDreamin' Wildを聴きながら。
勝手に関連作品『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『ハニーボーイ』『シュガーマン』
一発屋にもなれなかった歌手の苦悩
全く陽の目を見なかったのに、思わぬ形で脚光を浴びる歌手。音楽ではないが、映画監督のエド・ウッドが“史上最低の映画監督”として注目されたケースと似ている。
しかし本作の兄弟デュオ、ドニー&ジョー・エマーソンは、エドと違い存命している以上、その反響の大きさに戸惑いを感じるのも無理はない。特に活動のイニシアチブを取っていたドニーのそれは計り知れない。一発屋にもなれなかった人間が、突如再評価され有頂天になってもおかしくないはずなのに、なまじっか音楽のセンスがある分、余計苦悩してしまう。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で過去に囚われた男を演じたケイシー・アフレックが、ここでも過去の挫折を払拭できない男を演じてるのが妙。そんな弟よりも音楽センスが劣る兄ジョーを演じたウォルトン・ゴギンズが、実にイイ味を出していた。
お話的にも製作態勢的にも、いかにもインディペンデントなシブい一本。
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