劇場公開日 2025年1月31日

「ケイシー・アフレックが素晴らしい」ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ケイシー・アフレックが素晴らしい

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

主人公ドニーの気持ちが、ストレートに伝わってきた。
30年前の作品が、急に今、「人々に爆発的に評価されている」と言われても、ずっと音楽から離れずに、生業としてきた身からすれば、「なぜ、今まで30年間の自分の活動を評価してくれなかったのか」ということになると思うし、30年前の自分とは明らかに感性も環境も経験も変わってきている今、10代のあの時の勢いや表現を求められて後ろ向きな「自己模範」をしても、劣化コピーになってしまう。
加えて、そこに、自分の才能を信じて身を引いてくれた兄や、援助を惜しまなかった父母に対して、これまで成功を届けられなかった後ろめたさが加わった心中は、さぞかし複雑だったことだろう。
それを表情や振る舞いで、抑制的かつ豊かに表現したケイシー・アフレックが、とにかく素晴らしかった。

兄も父も当然いいが、それ以上にナンシーが最高すぎる。兄のドラムの持ち味を見抜く彼女のセンスの確かさと、ドニーとの関係性は、実話に基づくが故のサービス的な表現かもしれないけれど、心底惚れてしまう。

こう来るかというラストシーンも、大好きでした。おすすめ!

sow_miya
トミーさんのコメント
2025年2月22日

共感ありがとうございます。
一人でアルバムを作っちゃったり、後になってこうせよと命令したり、兄弟バンドの中に突出した才能が居ると必ず揉めますね。奥さんはいい意味で旧バンドの部外者だったんじゃないでしょうか。

トミー