ショウタイムセブン : 特集
【ラスト6分、阿部寛史上、最も異常で、イカれてる】
キャスターの生放送中に不審電話→挑発したら爆破事件
勃発→「返り咲くチャンス」とニヤリ…この人、倫理観
大丈夫!? VSテロリスト、未体験の狂気を目撃する
阿部寛作品を多数見てきた筆者が、自信をもって宣言する――今回の阿部寛、
2月7日から公開されるリアルタイムサスペンス映画
さらにさらに、折本はテロリストと対峙するなかで、もともと異常だったのが、より異常性を増していき……
筆者は、その狂気レベルに思わず
韓国の大ヒット映画「テロ, ライブ」を原作に、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の渡辺一貴が監督・脚本を手がけ、
※記事の終盤に、
【絶対に映画館で観て①:主人公の狂いっぷり】特ダネ
のためなら命も倫理も捨てる!?テロリストよりも怖い
予告編を見ればお分かりいただけると思う。テロ事件の緊張感がぐんぐんと加速していくなか、おさえようもなく滲み出ちゃっている……
本作最大の魅力のひとつである、折本のヤバさと、爆弾テロリストとの対決の面白さを紹介させていただく。
●のし上がるためには手段を選ばない阿部寛 VS. 短時間で何度も爆破を起こす、姿が見えない無慈悲なテロリスト このクレイジー対決、一体どうなる!?
折本は、国民的ニュース番組「ショウタイム7」の元人気キャスター。数年前、ある出来事をきっかけにその座を追われ、ラジオ番組に左遷された。
ラジオの単調な質問コーナーを、退屈そうにこなしていた折本。しかし、テロリストからの電話を受け、予告通り爆発事件が勃発すると、
映画開始数分で、もう誰にも止められなくなる折本。対峙するのは、ほぼ全編、
公開前の段階で、犯人役キャストは発表されていないが、阿部とそのキャストの緊張感みなぎるやりとりは、つい息を潜めてしまうほど。テロリストと戦うのが刑事ではなく、キャスターというのも斬新だ。
キャリア復活のために捨て身のキャスターと、声だけで観客を震え上がらせる無慈悲な爆弾テロ犯。
●【阿部寛がヤバすぎる】ニュースキャスター・折本が、爽快なほどエゴまみれ この男、日本を震撼させる大爆破事件を、キャリア復活のチャンスに利用!? そこに正義はあるのか!?
改めて、折本のヤバさを、もう少し具体的に訴えていきたい。
テロリストからの爆破予告も、最初は全く相手にせず、めちゃくちゃ面倒臭そうに「ならさっさとやれよ、この薄バカ野郎が」と、強気に挑発。やがて実際に爆発が起こると、並の人間なら「どうしよう、俺のせいで……」とメンタルがやられそうだが、
それどころか、かつてのレギュラー番組「ショウタイム7」に確実に返り咲くべく、さえない私服から、パリッとしたスーツ姿に“変身”。視聴率第一主義のプロデューサー・東海林(吉田鋼太郎)を脅迫し、「テロリストとの電話生中継」という、かつてない放送を実現させてしまう。さらに、テロリストに自身を信用させるため、ある行動に出るのだが……。
「ショウタイム7」の現キャスター・安積(竜星涼)や新人アナウンサー・結城(生見愛瑠)がドン引きした、
●見どころは、阿部寛の“狂っていく”過程--エスカレートする要求に翻ろうされ、むき出しになる本性を、じっくりと味わってほしい
序盤、折本は言葉巧みに犯人をコントロールしようとするが、やがて
自らの発言が人の生死を握っていることを実感し、精神的に追い詰められていく折本。しかし及び腰になるのではなく、
エスカレートする犯人の要求、拡大する被害。そして爆弾テロ犯の“動機”に、折本が大きく関わっていて――ジリジリと本性がむき出しになっていく
【絶対に映画館で観て②:エグ過ぎる体験型スリラー】
“放送してはいけない放送”を直視する高揚感よ…
続いての魅力は、本作が
●倫理観完全アウト、過激な生放送。でも、本当はこれが観たいんでしょう――? リアルタイムで爆破テロ事件を目撃しているかのような感覚から、目が離せない
まずアピールしたいのが、製作陣が
本物のニュース番組さながらのテロップやカウントダウン表示、テレビ収録の生々しい裏側など、さまざまな仕掛けで、リアリティを増幅。いつしか、本当にテロ事件が勃発し、リアルタイムでその光景を目撃しているような、アトラクションに乗る感覚に陥っていた。
しかし、冷静に考えると、テロリストと電話をつなぎ、生中継する。“死の瞬間”が映るかもしれないのに……視聴率のためなら倫理観はどこへやら、
しかし同時に、人間誰しも、こんな過激な放送を心の奥底では求めている気もしてくる。
●あなたはどうする? 事件の行方を左右するのは、劇中の視聴者投票 リアルを感じさせる体感型要素で、半端ない緊張感に襲われた
なかでもシビれた仕掛けが、「ショウタイムセブン」内の人気コーナーである視聴者投票
犯人はある一件について、スタジオでの内閣総理大臣の謝罪を要求。そこで、「内閣総理大臣は本当にスタジオに来るのか? 来ないのか?」という投票がスタートする。まさに内閣支持率を問う質問ともいえるが、果たして、結果やいかに――?
思わず「自分だったら、どちらに投票するだろう?」と当事者意識が生まれる。
【絶対に映画館で観て③:衝撃のラスト6分】阿部寛は
一体どうなる…え、そうなる!? 極限状況を目撃せよ
最後に、
●【ネタバレなしでお伝えします】犯人が最大級のサプライズ! 公開前には発表されていないビッグキャストが出演していた
ここまで散々匂わせ、ハードルが上がりに上がっていると思うが、やはり犯人の正体が最大級のサプライズであり、
言わずもがなだが、声だけでクライマックスまで引っ張る演技力は、並大抵のものではない。時に感情が読み取れず、時に怒りに駆られ、時に冷酷に切り捨てるその“声”が、折本との対決を最高潮に盛り上げる。本編鑑賞前に想像を膨らませたい方は、ぜひ予告編をリピートして、声をヒントにキャストを推理してみてほしい。
また、阿部と、豪華キャスト陣の演技対決も見どころだ。あえてひとり挙げるなら、番組を乗っ取ろうとする折本に、ある疑いを持ち、カメラの前で告発するキャスター・安積を演じた竜星涼。竜星と阿部といえば、大ヒットドラマ「VIVANT」で公安の先輩・後輩コンビに扮しており、ふたりの再共演も
●【映画.com、今年の初“ぶっ飛びラスト”】阿部寛、“狂気の向こう側”へ。上映時間98分間。92分にとことん興奮し、最後の6分に震える準備はできている?
ここまで綴ってきた折本のクレイジーな行動……しかし最後に、
ネタバレを避けるため多くは語れないが、極限のシチュエーションで緊張状態を強いられる92分を駆け抜けたあと、それまでの過程を凌駕する最後の6分に、
ハリウッドメジャー大作級のムードをまといながら、非常にチャレンジングな「テロ事件の生中継」という題材を撮り上げた、極上のエンタメ映画「ショウタイムセブン」を、ぜひ映画館で体感してほしい。